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エビデンスのある教育を知る一冊
皆さん、こんにちは!今回は、子どもの教育に関する衝撃的な事実を、経済学の視点から明らかにする「学力の経済学」という本を参考に、まとめてみました。
教育は未来への投資
まず大前提として、子どもの教育は、将来への投資だと捉えます。
「え?投資??」と思った方もいるかもしれません。でも、経済学的には、まさにそうなのです。
教育に投資することで、子どもは将来、高い収入を得られる可能性が高まります。つまり、教育は子どもの将来への「リターン」を生む投資なのです。
なぜ勉強しないといけないの?
「勉強しなさい!」と言われても、なかなかやる気が起きない…という経験、誰しもありますよね。
これは、人間の脳の仕組みが関係しています。人は、目先の利益を優先する傾向があるからです。例えば、宿題をするよりも、ゲームをしたい。それは、ゲームの方が「楽しい」という目先の利益が大きいからです。
しかし、勉強は、将来の年収アップという「遠い未来」の利益につながるという話をしました。そこで、有効なのが**「ご褒美作戦」**です。
ご褒美は、インプット後が効果的
宿題を頑張ったら、ご褒美をあげる。これは、子どもが勉強に取り組むためのモチベーションになります。
ご褒美には、大きく分けて2種類あります。
インプット後:勉強や宿題を終えたらご褒美
アウトプット後:テストで良い点数を取ったらご褒美
実は、学力アップに効果的なのは、インプット後のご褒美です。
なぜなら、アウトプットの場合、「何をすればいいかわからない」という状況が起こりがちです。テストでいい点数をとる方法がわかっていなければ、壁にぶつかり、うまく学習できないでしょう。
そこで、アウトプットにご褒美をあげる場合は、**「勉強の仕方」**を教えることが重要です。
ご褒美は、成長に合わせて変化させる
ご褒美の内容も、子どもの成長に合わせて変化させる必要があります。
小さい頃:トロフィーなど、やる気を刺激するものが効果的
大きくなったら:お金を与える方が効果的
同時に、金融教育も行うチャンスでもあります。例えば、子どもの口座を作ったり、家計簿をつけさせたりすることで、お金の価値や管理を学ぶことができます。
学力と自尊心の関係は?
「学力が高い子は、自尊心も高い」というイメージがありますよね。
しかし、実際は、学力と自尊心の間には、因果関係はないことがわかっています。
つまり、「学力が高いから、自尊心が高い」のではなく、**「単に、学力が高い子が自尊心が高い傾向がある」**というだけなのです。
さらに、**「むやみやたらに褒める」**のは、逆効果になる可能性があります。実力を伴わないナルシストを育ててしまう危険性があるからです。
「努力」を褒めるのが効果的
では、どうすれば良いのでしょうか?
重要なのは、「努力」を褒めることです。
例えば、
「頭がいいね!」ではなく、「今日は1時間も勉強できたね!」
「すごいね!」ではなく、「難しい問題を、最後まで諦めずに解いたね!」
このように、具体的に、子どもが達成した内容を褒めることで、子どもの意欲を引き出すことができます。
テレビやゲームを制限しても意味がない?
「テレビやゲームは、勉強の邪魔になる!」と考えて、厳しく制限している方もいるかもしれません。
しかし、テレビやゲームを制限しても、勉強時間は数分しか増えないという研究結果があります。
どうやら、1日1時間程度のゲームなら、大きな影響はないようです。ただし、1日2時間以上のテレビやゲームは、発達や学習に悪影響を与える可能性があります。
「勉強しなさい」は無意味
「勉強しなさい!」と子どもに言っても、効果がないのは、みなさんご存知の通りです。
それよりも、男の子には父親、女の子には母親が勉強を教える方が、効果があるという研究結果があります。
また、友達の影響も無視できません。特に、同程度の学力の子どもたちが集まったグループは、お互いに良い影響を与えるようです。
また、学力の高い子がいると、周囲にも良い影響が波及しますが、問題児がいると、学力に悪影響を与えることもわかっています。
就学前の教育投資が最も重要
教育投資は、時期によって効果が異なります。
実は、一番に投資すべきは、就学前です。
その効果は、年齢が上がるにつれて徐々に低下していきます。
ちなみに、教育投資は、塾だけでなく、体験活動や非認知能力に刺激を与える工夫も必要です。しつけ、体力、健康なども、子どもの成長には欠かせません。
非認知能力は一生の財産
「認知能力」は、テストで測れる学力のこと。実は、認知能力は、1年半程度しか効果が持続しません。
一方、「非認知能力」は、テストでは測れない力。
非認知能力は、一生ものの財産となり、将来の年収にも大きく影響します。
例:やり抜く力、自信、やる気、忍耐力、根気、自制心、社会性、協調性、誠実さなど
中でも、**「自制心」と「やり抜く力」**は、特に重要です。
自制心を鍛えるには?
自制心は、筋トレのように鍛えることができます。
例えば、
計画を立て、記録し、達成度を自分で管理する
背筋を伸ばすように、繰り返し意識する
このように、日々の生活の中で、少しずつ自制心を鍛えることができます。
やり抜く力を育むには?
やり抜く力を育むには、「能力は後天的に伸ばせる」と信じることが重要です。
また、「ステレオタイプの脅威」に注意することも重要です。
例えば、「年齢とともに記憶力が低下する」というイメージを持つと、実際に記憶力が低下する可能性があります。
まとめ
今回の記事では、「学力の経済学」を参考に、子どもの教育について解説しました。
教育は将来への投資
ご褒美は、インプット後が効果的
むやみやたらに褒めるのは逆効果
テレビやゲームは、1日2時間以内
「勉強しなさい」は無意味
就学前の教育投資が最も重要
非認知能力は一生の財産
この知識を、皆さんの子育てや教育に役立てていただければ幸いです。私も、自分の教育を見直す機会になりました。