足るを知る
皆さんは「好きな言葉」はあるだろうか?
私は芸人のバナナマンさんの大ファンで、ラジオも毎週欠かさず聞くタイプなのだが、そのバナナマンさんが出ている乃木坂工事中というアイドル番組の一部抜粋動画が Youtube のオススメで流れてきた。
何の気なしに見てみると、10代の若い女の子がバナナマンさんから「好きな言葉は?」と聞かれていた。
普通の社会に出ると、こんな質問を受けることもないので好きな言葉なんて考えない人もいるかもしれないが、アイドルのみんなは、変な内容もありつつも即答していたのを見て、しっかりしているなと感心した。
ちなみに、物思いにふけることが好きな私は好きな言葉がある。
それは「足るを知る者は富む」という言葉である。
物があふれているこの時代において、今ある、手にしているモノの価値をしっかり理解し、その価値に満足できる心は非常に貴重だと感じる。
この言葉は老子という紀元前571年ころの中国の哲学者が唱えた言葉である。
どうだろうか。
あれからこんなにも月日が経つのに、この言葉の重要性は依然変わらず、より重要になってきている気さえする。
興味がある方は「老子の哲学」が紹介されている"老子の人間学"を、ぜひ読んでみてほしい。
そして最近、現代でもこの言葉を自分なりの言葉でスピーチしている人を見つけた。
それはホセ・ムヒカ大統領の10年も前に行われた国連演説のスピーチである。
世界一貧しい国の大統領と呼ばれるホセ・ムヒカさんが、人生において最も大切なことを述べている。
ホセ・ムヒカさんは「足るを知る」を実践できる文明・政治を作り上げないと、今後私たちは浪費/経済に翻弄され、支配され、本当の幸せを手にすることができなくなると訴えかけている。
ホセ・ムヒカさんの言葉は映画としてもまとまっている。
そこで最も私の心に残った言葉がある。
「君が何かを買うとき、お金で買っているのではない。
お金を得るために費やした人生の時間で買っているんだ。」
何と確信めいた言葉だろうか。
何か購入する時、代償に支払うお金は、当然ながら私たちが汗水流し稼いだお金である。
この言葉は、その汗水流した時間に見合う価値があるのか?今手にしているもので満足できないのか?など様々なことを考えさせられる。
先日欲しかったNintendo Switchを購入したが、このために働いた時間を考えると、その時間で好きな人と一緒に過ごした方が心は満たされたなと、反省させられた。
競争の社会に身を置き、一位になるべく没頭し、寝食を忘れて仕事をしたことはあるだろうか?
人間、忙しいと満足する生き物だと私は思う。
忙しいと、考える余裕がなくなり、将来や人生などの身の回りにある不安を考えずにいられるからだ。
だがしかし、その費やした時間は何に代わるのだろうか。
人生の限られた時間を何に費やすのか。
私はできる限り、自分の愛する家族や恋人、そして友人に捧げていきたいと、改めて考えさせられる。