放浪尼僧、赤い外套の剣士にナンパされるの事
とある昼頃。一党の面子が買い物を済ませている間、頭目の尼僧ディアナは天馬の流星亭で昼食を取ろうとしていた。
「そこの美しい尼僧様。これからお食事ですか?」
声をかけてきたのは、赤い外套を纏った人間の男性であった。腰に曲刀…恐らく東の国から伝来してきた物であろう。それを佩いている事から、恐らくは旅の武芸者であろうか。銀髪に青い瞳、その物腰からは恐らく高い教養を受けてきたことが伺えた。荒くれ物の多い冒険者としては、聊か不釣り合いな印象を受ける。
「私は旅の武芸者、ハーウ