オンラインで中学生をワークショップに促した結果まとめ
オンラインにて活動している仮想の学校「テラコ学校」にて、1/30に参加型の公開ワークショップを行いました。
オンラインでの参加型ワークショップというのもチャレンジな企画ではありましたが、さらに今回は中学生の参加もあり、さらにチャレンジな企画となりました^^;
学生のオンライン授業が普通になりつつある昨今、本当にオンライン学習はありなのか?
さらにオンラインでのディスカッション学習は成立するのか?
実際にやってみた結果をシェアしたいと思います。
会の概要
「考えよう、地域の魅力」と題して、
地域資源を活かしたイベント作りを体験。
実際にオンライン上のブレストに参加してもらい、出たアイディアを発表してもらいました。
30分 事前講義
50分 ブレスト
以上の様な流れで進み、ブレストは中学生チーム、社会人チームに分かれ、
それぞれファシリテーターが先導するかたちで行いました。
中学生チームの参加状況
Aチーム
中学1、2年男女4人
みなお友達で、3人はフリースクールに通う不登校当事者。
全員同じ部屋、端末から接続
Bチーム
中学1年女子
ひとりで参加
さらに
大人ファシリテーター 1人
大人モデレーター 2人
ワークショップ開始
1:自己紹介
ファシリテーターが自己紹介を促す。その際、住んでいる地域の好きなところを紹介してもらうようお願い。
モデレーターが手本として自己紹介した。
A→海沿いということもあり、景色に関する答えでよく発言できていた。
B→緊張してか、答えるまで時間がかかった
2:ファシリテーターから質問を投げかける
チーム→多少抽象的な質問でも、考えを答えていた。
ひとり→やはり緊張してか、答えることが難しかった。
3:何かアイディアはある?と抽象的な質問
チーム→率先していたひとりから回答。
ひとり→難しい。
4:発表
ファシリテーターからAチームに代表して発表してもらうよう促す。
Aチームはメインで受け答えしていた一人が、自ら発表を名乗り出る。
以上の様な流れでワークショップ終了。
チーム参加の方はよく意見、発言が出ていました。
ひとりの方はさすがに緊張もあったのか、あまり積極的ではない様子。
しかし質問することによって回答できている場面もあるため、ファシリテーターが質問することが必要と感じました。
こちらのはたらきかけ
今回は「アイディアを出す」という、ゴールとしては抽象的なワークショップだったため、アイディアを発言してもらう工夫が必要でした。
・事前講義
実際に地域資源を活かしたイベントを紹介。
講義として聞いてもらいました
・手本
ファシリテーター、モデレーターが最初にアイディアや意見を述べます。
そのうえで「君は?」と促します。手本さえしっかりしていれば、
多少抽象的な質問でも答えられていました。
・「まとめ」を見せる
zoomのホワイトボード機能を使い、
出たアイディアや意見をリアルタイムでホワイトボードにまとめ、
表示しました。
これによりアイディアが派生していました。
・発表のアシスト
発表の内容を全部自分で考えるのは時間が足りないため、
上述のホワイトボードの内容を発表してもらいました。
参加者の感想
参加してくれたAチームのひとりから頂いた感想を紹介します。
◎課題がしっかり与えられて意図が明確にあったこと。
◎自分達は仲間と一緒だったから、意見を出し合ってそれをまとめて発表できたのがよかった。
◎ファシリテーターが居て、それぞれの意見を聞いてくれた(流れを作ってくれる)ので発言しやすかった。おそらく、子供達だけの話し合いでは発言できなかったと思う。(自ら手をあげるのは苦手)
◎最後に他のチームのアイデアを聞くのも面白い。
まとめ
今回はワークショップのゴールとしては抽象的だったかとは思いますが、
流れを作り込み、質問と手本で誘導することでよく発言を引き出せたかと思います。
最後の発表までアシストできて、それにより成功体験をしてくれたことが、
参加者の満足に繋がったのではないでしょうか。
ただ、やはりAチームの方は友達と一緒の参加だったことが、大きいかもしれません。
本来は端末ごとの参加の方がメインと考えると、さらに参加を促す工夫が必要かもしれません。
しかし、どちらにしても「質問」と「手本」は、参加を促すうえで重要と感じました。
とは言え、乗ってくればオンラインでもよく意見が出ていたので、準備や促しへの工夫をしっかりやれば、オンラインでのワークショップはありえると感じました。
今回のノウハウが、教育現場で日々工夫されている方達への参考になれば幸いです。