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音楽を通じて交わる色彩。『きみの色』感想

先日、アニメ映画『きみの色』を鑑賞しました。
本記事は、そのちょっとした感想文になります。

※ネタバレありなのでご了承ください。



本作の感想をざっくり一言で表すなら、
「嚙めば嚙むほど味がする、スルメ青春映画」です。

公開前からPVの曲のインパクト、そして繊細なキャラデザに惹かれ、公開を楽しみにしていた作品だったのですが、

上映終了直後の感想は
「なんかまあまあだったな…」
というものでした。

しかし鑑賞後、公式サイトの監督メッセージを読み自分なりにストーリーや表現の意図を考察する中で、
「この映画観て良かったな」と思えるようになった作品です。

分かりやすい面白さは少ないですが、唯一無二の確かな魅力を持つアニメだと思います。



本作最大の魅力は、
それぞれの人に宿る個性を「色」という形で表現している点。

この表現により、
「多様性が叫ばれる現代社会で、『個(=色)』と『社会』のバランスに悩む等身大の少年少女」
という難しいテーマが、鮮やかかつ直感的に理解できるモノとして描かれているのがスゴイですね。

大まかな流れは

自分の個性を出せないきみ・ルイが、他者の個性を「色」として見出せるトツ子によって救われる

音楽活動を通して二人の「色」に触れていく過程で、トツ子は自分自身の「色」を知りたいと願う

ライブ後、バレエを踊った時に自分の「色」を見つける。(バレエの中に自身の個性を見いだす?)

という感じで、

「個性」という複雑なテーマにも関わらず、驚くほどシンプルなストーリーに落とし込まれています。

あと、彼らが「色」を昇華させる手段が音楽なのもいいですね。
言葉にならない思いや感情を音楽で表現しようとする三人の姿は、とても眩しく見えました。


※余談
100分の映画なので致し方ないかもしれないが、キャラの深堀り・バックグラウンドの描写が少なかったので、複雑なストーリーを求めていた人にとっては物足りなかったかもしれない。

その辺は小説版やコミック版で補完されているんですかね…?
今度購入して読んでみようかな。



というわけで、「色=個性」というのが分かってからもう一度ストーリーを思い出すと、作品の魅力が分かってきた映画でした。

考察を深めていく中で、
ぼやけていた作品の「色」がだんだん鮮やかなものへと変わっていく感覚
を味うことができました。製作委員会に感謝。


…あと早く配信で劇中歌を聴きたいですね。
メロディーと歌詞がキャッチーすぎて頭から離れません。助けて。

『水、金、地火木、どってんアーメン』♪

p.s.
すみませんもう配信されてました。今からヘビロテしてきます。

というわけで、今回はここまで。

お読み頂きありがとうございました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。 寂しがりぼっちなのでスキを頂けると大変励みになります。モチベ爆上がりします!