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【投資BOOKS】鉄壁の資産運用~退職金と年金を活用した「潤沢老後」~(堀江智生)
鉄壁の資産運用?
潤沢老後?
あまり聞かないワードだ。
以下の記事の中で書籍の内容や目次が紹介されている。
著者は、大手証券会社の元トップセールス。自社のIFA事業と、ラップサービスへの誘導も見え隠れする広告的書籍だ。
私は、ファンドラップのコア資産化を研究しているので、退職金運用、高齢期資産活用、ファンドラップの落とし穴などの分野の情報は、常に収集している。
現在、年金とファンドラップを組合わせたポートフォリオを構築中だ。
そこで、新しい試みとして、
書籍広告だけから、3種(創造、バランス、正確)のコパイロットさんの協力も得て、本書のテーマを考察してみようと考えた。
コパイロット創造さんに聞いてみた。
潤沢老後とは?
物資や資金が豊富にあって、生活に困らない老後のことです。例えば、年金や収入が十分にあり、趣味や旅行などを楽しめるような老後が潤沢な老後といえます。一方、年金や収入が少なくて、生活費や医療費に苦しむ老後は貧乏老後と呼ばれます。
潤沢な老後を送るためには、現役時代に老後のための資金を貯めたり、年金額を増やしたり、支出を抑えたりするなどの工夫が必要です。また、健康にも気をつけることが大切です。
まあ、よく聞く「豊かな老後」、月40万円程度の生活費が必要というようなことだろう。
投資はギャンブルだ(本書では、投資≠ギャンブルとしているが、私は共感できない)と明確に説明されている橘氏は、
目指すべき人生設計は、「経済的に自立し、好きな仕事を続ける」こととし、3つのポイントをあげられている。
・仕事
・資産形成
・経済的自由
私も、FIREのFIは重要だが、REは必要ないと思うので共感できる。
さらに、コパイロットさんに実現のポイントを聞いてみた。
「潤沢老後」を実現するためのアドバイス5点
「潤沢な老後」を実現するためのアドバイスをいくつか共有します。老後を豊かに過ごすために考慮すべきポイントは次のとおりです:
1.貯蓄と投資: 積極的に貯金をし、投資を検討してください。適切な投資戦略を立て、将来の生活費や医療費に備えましょう。
2.健康管理: 健康は豊かな老後の鍵です。定期的な健康診断を受け、運動やバランスの取れた食事を心がけましょう。
3.趣味やアクティビティ: 老後は自分の趣味や興味を追求する良い機会です。趣味を持ち、アクティブに過ごすことで充実感を得られます。
4.社会的交流: 友人や家族との交流を大切にしましょう。孤立しないように、地域の活動やボランティアに参加することもおすすめです。
5.住環境: 快適な住環境を整えることも重要です。老後に適した住まいを選び、必要な設備を整えましょう。
これらのアドバイスを実践することで、潤沢な老後を迎えることができるでしょう。
なるほど。
この5項目の軸は、アラカンを生きる今の私には、よく理解できる。潤沢なお金がなくても、心の持ち方しだいと思うので、投資の比重は大きくない。実際には、老老介護、実家や墓じまい、家業廃業など様々な難しい要素が複雑に絡むハズだ。
潤沢老後のイメージ
もう少し、潤沢老後の理解を深めるために、コパイロットさんへイラスト作成を依頼した。数秒で、提示されるところがうれしい。
コパイロットさんへの依頼:退職金と年金を活用した潤沢老後を連想するイラストを作ってください。
老バフェット夫婦風のイラスト。ちょっと物が多すぎる気がする。
![](https://assets.st-note.com/img/1708140116807-wEeQj5Yfj8.jpg?width=1200)
コパイロット正確さんは、以下のような老夫婦のイラストばかり生成した。退職金と年金が尽きるまで幸せに過ごす世界観だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1708140250530-3UgFGedp0c.jpg?width=1200)
自分のイメージに近いイラストは、コパイロット創造さんが作成してくた。旅をしながら、世界各地のカフェで投資談話するような感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1708140451092-rd4nv4t7Sf.jpg?width=1200)
逆に、下のイラストのような潤沢老後は怖い。ものに埋もれた潤沢すぎる老後にならないように、質素倹約、清貧の投資家として精進していきたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1708146609639-OJAp5NLZVR.jpg?width=1200)
最後は潤沢な若者のイメージ。コパイロット創造さんが、潤沢若者のイラスト作成を提案してきたので、ついでにお願いした。ちょっとヤバイ感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1708140368349-VljHNsXm0J.jpg?width=1200)
前振りはこれくらいにして、書籍広告から、考察していこう。3つ目のイラストの潤沢老後をイメージしながら、先に進める。
鉄壁の資産運用とは?
本書の主な対象者は、以下で、投資初心者向けだ。
・定年退職を控えた50代、60代
・資産運用初心者
・自分で運用を行っているが、成果に満足できていない人
そもそも鉄壁の資産運用なんてあるのか!?と疑問に思う。
目次は4部構成だ。第3章までが、第4章の前振りになっている。
第1章 「老後不安」の実態 なぜ、資産運用が必要なのか?
第2章 資産運用の「落とし穴」から基本のポイントを理解する
第3章 資産運用の実践のポイントを理解する
第4章 「鉄壁の資産運用」で潤沢老後を実現する
第1章
第1章は、不安をあおる恐怖マーケティング的な内容で、目次を見るがぎり、この書籍でわざわざ読む価値はない。「人生100年時代」、「老後2000万円問題」、「健康寿命と資産寿命」。。。もううんざりだ。
最近、安芸高田市政や日本保守党の動きを見て、強く思うのが、
資産運用の前の大前提として、市民の積極的な政治参加が、もう逃げれないところまで来ていることを痛感している。優秀な元トップセールスマンの視点で、
第1章は、「老後不安」の実態 なぜ、政治参加が必要なのか?
として、
投資初心者向けだとしても、無料金融セミナーの前振り的な内容ではなく、老後不安の真因を大胆に紐解いて欲しかった。
第2章
第2章は、Japan Asset Managementさんが開催している、退職金セミナーと同じような内容だ。このセミナーには、2回ほどリモート参加した。退職金受取の前提知識がない方は参考になるだろう。
数年前まで、金融のプロではなく、『超一流IFA』と名乗って開催されていた!
第2章の資産運用の「落とし穴」の内容は、目次だけでも容易に想像できる。いつまでこの「落とし穴」理論を展開するのだろうか?と思う。
今現在でも、多くの対面証券会社は、せっせと落とし穴を掘っているのだろうか?
少なくとも、この3年、私は経験がない。怪しい提案は確かにあるが、提案理由(背景)は理解できるので、落とし穴のように隠されているわけではなく、単なる証券会社ご都合提案にすぎない。サラッとかわせば良いだけだ。
目次を見る限り、まだiDeCo(日本版401K)に言及されていないようだ。退職金又は年金と合算で評価されるiDeCoは、非常に重要な論点だと思うのだが。。。まだ一般的ではないということか?
iDeCoは、自社の事業範囲では利益がでない?ので無視しているのかもしれない。
私は既にiDeCoの受給フェーズに入っている。最近、たまたま死亡時の相続手続きを知った。
複雑な制度下の資産を残して死ねないという想いもあり、昨年、受給フェーズに入ったのだが、「相続財産としての非課税枠」の活用を見落としていた。
要は、
「死亡一時金」として1人500万円までの非課税枠
を適用できるというもの。
iDeCoを30年程度、株式中心に運用すれば、資産が3,000万円を超えても不思議ではない。退職所得控除と公的年金等控除で節税しながら、最後に500万円の枠を使えば、税負担ゼロで受給できるかもしれない。
退職金受取の狭い範囲の最適化ではなく、iDeCoのくだらない一括受給か、年金受給かの議論でもなく、暦年贈与とiDeCo受給を含めた資産継承と資産形成の最適化が図れるハズだ。
iDeCoの非課税メリットを最大限いかし、最長期間運用する合理的な出口戦略モデルの考察まで言及して欲しかった。
さらに退職世代とはいえ、余命は30年程度あるとすれば、iDeCo資産と新NISAでの家族の投資枠を組合せた、新しい鉄壁非課税投資モデルを、今なら提案できたハズだ。
第2章は、資産運用の出口戦略から基本のポイントを理解する
として欲しかった。
ライフプランで一番難しいのは、税制が絡むところだ。
「ねんきん定期便」で、概算の年金受給額を把握できても、税制が複雑すぎるので、家族構成、副業収入、相続も含めて、実際に税引き後、いくら年金受給できるかがわからない。
実際の年金受給額が分からないから、老後の資産設計が難しく、老後2000万円問題なんかが、突然発生する。
この点が、第1章の政治参加と強く関連する。抜本的な制度改革が必要だ。
税制の変更を都度反映したライフプランを、随時確認できる仕組みを熱望するし、老後不安をあおる前に、ココを深く掘って語って欲しい。
金融のプロを名乗るのであるなら、既存制度に甘んじるのではなく、もっと深く切り込んで欲しい。
第3章
第3章は、事例集のようだ。
これもIFAのセミナーでよく紹介される、コストの高いファンドから、円高リスクを無視したドル建て債券をコア資産とするような内容だろう。
IFAが、利益を得やすい債券の手数料で稼ぐモデルの説明中心に見えた。
最後の相続対策を考慮したケース7(目次だけでは中身が分からない)を除いて、目新しさは感じられない。
狭い金融の資産運用の範囲ではなく、コパイロットさんの「潤沢な老後」の実現アドバイスを参考にして、
健康、趣味とアクティビティ、社会的交流、住環境の充実などの切り口で、資産運用と潤沢老後を語って欲しかった。
例えば、個別株式を保有し、旅行を兼ねて、株主交流会や株主総会で会社訪問したり、投資セミナーに参加して、業界トップの方のプレゼンを聞いたり、様々な視点、切り口があるはずだ。
第3章は、潤沢老後の実現のポイントを理解する
として欲しかった。
第4章とおわりに
この章だけは、さすがに読まないと中身がわからない。最後に、人生を高い視座から俯瞰し、すばらしい提言をされているのかもしれない。本屋でいつか斜め読みしようと思う。
本章で信頼できるIFAをパートナーにすることを推奨しているようだが、直近判明したIPO価格操作に関して、深く考察されているのだろうか?2024年2月16日出版であるのにもかかわらず、他人事のように、その闇への言及がないとしたら、この書籍自体の出版意義が問われると思う。
野村證券さんには、「野村グループ企業理念」を具体的な行動に移すための指針としての「野村グループ行動規範」がある。
IFA業者も、行動規範の策定と実行・モニタリングが非常に重要でキーポイントだと思う。目次を見る限り、本書には含まれていないようだ。
私は、日本のIFA事業に対しては懐疑的だ。元トップセールスマンは、今はトップではない。大手証券会社の変化スピードにも、AIにも負けると思うからだ。上記の野村さんの行動規範は最近できたものだ。
証券業界の過去?の慣習的な「落とし穴」を語るより、自社の組織の成熟度合いをアピールした方がよいのではないだろうか?
経営者に高い意識がないかぎり、情報漏洩等は簡単に発生するのだから。
まとめ
本書をまったく読んでいないので、総評はできない。
書籍広告だけから考察した、目次変更案は、以下となった。
第1章 「老後不安」の実態 なぜ、政治参加が必要なのか?
第2章 資産運用の出口戦略から基本のポイントを理解する
第3章 潤沢老後の実現のポイントを理解する
1.貯蓄と投資
2.健康管理
3.趣味やアクティビティ
4.社会的交流
5.住環境
第4章 「鉄壁の資産運用」で潤沢老後を実現する
おわりに
自分は、上記のような目次の本を完成させていないのに、批判的なことを指摘するのは、ちょっと卑怯だったかもしれない。関係者に不快感を与えてしまったのであれば、最後に謝罪しておきたい。
Amazonのページでは、図が例示されていて多少参考になる。
すでに、関係者らしき★×5のレビューが1件あった。レビューコメントから、本書の意図は、ある程度理解できる。
後日、第4章を読むのが楽しみだが、今回の妄想に近い考察では、肝心のファンドラップの研究には役立たなかった。
ただ、本書を考察することで、
投資の前に政治参加が必要であることと、潤沢老後のイメージの再認識ができた。
ヘッジファンド専門の証券ライフさんが、私のイメージに、やや近い動画をアップされた。
提言の5番目で、
「選挙にいこう!声を上げよう!」
を提案されている。
私も、さらに研究を深め、書籍としてまとめたい。
【今日のひとこと】
楽観主義者はドーナツを見て、悲観主義者はその穴をみる。
(アイルランドの作家 オスカー・ワイルド)
生活者は、潤沢老後を夢みて、金融業者は、老後不安を売る。
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