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【商品考察】NISA&iDeCo(5) ~検討が終わらない資産所得倍増プランの悪夢~

あんまり期待していなかった、

検討使の異名を誇るリーダー率いる内閣の

資産所得倍増プラン

(案)がとれ、11月28日に方向性が決まり、

上記に資料3として公開された。

さてと、
なんだかなあ。。。 
内容がなさすぎる。
結局、まだ検討中という内容だった。

明確なメッセージは、
NISAの非課税保有期間の無期限化
のみ。


目標は、2点、

・投資経験者の倍増を目指してNISA総口座数を5年間で倍増すること
・家計による投資額の倍増を目指してNISA買付額を倍増させること

資産所得倍増ではない!
投資額倍増と明記されている!!

またまた、目標達成の為の天下の愚策、
NISAポイントとかをしないか不安。。。

これでは、

金融村収益倍増プラン!
だと思う。

投資に資金が注入されることで、

リスクはすべて、個人責任におしつけて、
金融村は無リスクで信託報酬等が増える。

でも、そんなに甘くないよ!
結局、休眠口座が倍増して、運営コストが増加するよ!!

個人的な現在の課題は、2点ある。
・iDeCo終了と受給開始時期の判断
・手数料の高い対面証券のNISA口座の他社への移管

今回の中間報告的な内容では、
以下の2点が分からないので、まだ待機という感じ。

・NISAの投資上限金額とその運用が未定
・iDeCoの改定内容が未定


資料は、全17ページ。7本柱。

とりあえず、
直接関係する3本を順番に確認した。


第一の柱:家計金融資産を貯蓄から投資にシフトさせる NISA の抜本的拡充や恒久化


タイトルが大げさすぎて、内容もまったくない。

「現行NISA制度の不具合修正と制度の恒久化」
ぐらいが妥当だと思う。

ポイントは2点だと思う。
方向性の提示だけで、あほかという感じ!

・2024年から施行される予定だった新NISA制度は白紙撤回
・非課税保有期間の無期限化をする。また投資上限額を増加(現在、一般NISAは、120万/年、5年間非課税。投資上限額600 万円)するが、金額や運用は未定

上限額は、3,000万円ぐらいという記事を見かけた。
ファンドラップが、NISA運用できればと思うが、リバランスでの売却益の税負担がなくなっても、マイナスの時の相殺やフィーは費用計上ができないと運用は、厳しい。


第一の柱で、一番不満なのは、

元々の投資期間や上限金額には、試算結果やロジックがあって決めたはずなのに、その部分に何も触れられていない。

想定の税収入が減り、他で増税されても困る。

変更の影響や、変更後の試算の前提条件などを説明しない(できない?)資料では、計画にならない。

批判だけではダメと思い、
金融のプロではないが、グーグル検索しても答えが見つからなかったので、自分なりの想定シナリオを考えてみた。(自信なし!)

[NISAの非課税保有期間の無期限化の影響]
・投資により、個人マネーの企業への供給量が増加し、企業成長を促す可能性がある。企業の成長により給与所得も上がり、全体の税収が増加する。
※多くの投資が外国企業へ供給される可能性があり、日本企業への供給量は1/2以下と想定する。
・新規に投資する個人からの税収は、これまでゼロだったので税収への影響なし。ただ消費に向かうはずの資金が非課税投資に回ると、税収減になる。
・投資で利益を得られた資金が、消費へ向かえば、税収が増加する。
逆に、投資で利益を得られず、かえって家計を圧迫し、生活保護を受ける場合など、税負担が重くなり、少子化も加速する。
・iDeCo、NISAの非課税枠を超えていた層の投資資金分の流入により、税収が大幅減になる。
・金融機関が追加で得る信託報酬等が増加し、税収が増加する。
・投資により資産倍増した場合、相続税も倍増し税収が増加する。
・国民に金融資産を倍増させた後で、金融所得課税を強化すれば、税収が増加する。

結論:増減する要因はあるものの、国の税収入増の方向になる。これまで制限をかけていたこと自体に正当性がなく、金融システム修正後、即刻実施すべきである。(⁉)

2024年からの新NISA白紙撤廃は、いい加減にして欲しい。
誰が見ても、考えすぎで、複雑怪奇だったと思う。
投資家へのアンケート結果の記載があるが、決定した後で、アンケートで集計しないとわからないレベルなのかと思う。

あと、投資をしていなかった総理ご自身が今後どうするかの言及がないのが不思議だ。
「個人が企業に対して直接資金を供給することで、資金面から日本の成長を支えるエコシステムの構築につながる。」
というなら、ご自身もすぐに投資すると宣言して欲しい。

お立場から、個別日本株への投資は難しいだろうが、インデックスファンドへの積立なら問題ないのではと思う。
もし、インデックスファンドへも何らかの制約で難しいなら、全額、国債に入れて、バラマキ政策の原資にして欲しい。

もしご自身が、資産的に、わざわざリスクを負って投資する必要がないと考えているなら、資産所得倍増プランのロジックが根底から崩れ落ちる。

現状では、作成してもらっただけで、ご自身が、中身を理解していない可能性が高いようにしか見えない。

第二の柱:加入可能年齢の引上げなど iDeCo 制度の改革

iDeCoは、完全に先送り。
2024 年の公的年金の財政検証に併せて結論を得るとしている。

なんじゃこれ?何の結論もない。

タイトルも変。資料内に制度改革なんて何も触れていない。

加入可能年齢引上げと拠出限度額に言及しているだけで、単なる改善レベルとしか読み取れない。

タイトルは、「iDeCo制度の改善検討の継続」
ぐらいが妥当だと思う。

加入可能年齢を70 歳に引き上げるとは、宣言しているが、今後、国民年金65歳までの延長検討と合わせて注視する必要がある。

1点、注目したいのは、

70歳への引き上げで、公的年金と関係づけていたら、対象が限られるので、関係性をなくす可能性を指摘されている。

そうなると、手数料はかかるが、非課税で、自由に売買できるのでNISAより使いやすい。全額に対して税金がかかるところだけ注意すればよい。


第三の柱:消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設


そんなの金融村の住民だけで、
今できていないのに急にできるのかな?

何で急に和暦なの?誰も資料レビューしないの??
という感じ。

期待度ゼロ。

令和6年中に新たに金融経済教育推進機構(仮称)を設置し、アドバイスの円滑な提供に向けた環境整備やアドバイザー養成のための事業として、中立的なアドバイザーの認定や、これらのアドバイザーが継続的に質の高いサービスを提供できるようにするための支援を行う。

タイトルは、期待も含めて書くとしたら「他業種の知見を取り入れ、総合的なアドバイスを提供できる新しい仕組みの再構築」
ぐらいにして欲しい。

中立にこだわる必要はないと思う。
良いサービスに偏っても何の問題もない。

そもそも中立的なアドバイザーって存在できるのか?と思う。

IT業界では、少なくとも、過去には存在していなかったと思う。
自社製品であるからこそ、HWもSWも、ソースコードレベルで、深く語れる。
それを顧客が理解し、競合他社からも同様に説明も受けて、判断するだけのことだ。

金融サービスは、底が浅くて中立的に立てるものだろうか?
ちょっと想像できない。

ある組織に属するからこそ、社外秘の最新情報までアクセスでき、深く理解することができるので、高度な提案ができる。

資料からは、初歩的な内容に関する中立的なアドバイザーを想定しているようだ。

手続きのサポートや、一般的な考え方の相談ぐらいなら、どこの金融機関でも現在でも可能だ。

利用者側が、中立的な立ち位置で、各金融機関の窓口を利用すればいいだけの気がする。

利用者側には、金融リテラシーというような、金融村洗脳教育は必須ではない。質問力、理解力などの人間的基礎能力があれば十分なはずだ。


ところで、

政府は、ほんとうに識者の意見を聞いているのだろうか?と思う。

野村総研さんの過去の記事、

野村さんらしく格調高い記事で、面白くないが、以下の部分は同意。

この低金利下でもなお個人が資産の多くを低金利の銀行預金に置いていることは、金融リテラシーの欠如を反映している、と簡単に結論づけるべきではない。これは、むしろ個人が合理的に判断した結果とも言えるのではないか。
日本経済の低迷が続く中、株式投資の期待収益も決して高くないはずだ。その下で、リスクが高い株式投資に個人が慎重になるのは当然のこととも言えるだろう。個人が株式投資を拡大させるには、日本経済と企業の成長力が高まり、株式投資の期待収益率が高まることが必要となるのではないか。

政府の案は、金融リテラシーを上げ、長期分散積立すれば、他国や過去データを元に資産は増えるような単純な考えがベースにあり、楽観的すぎて根本的に共感できない。


大和総研さんの過去の記事、

非常に正論を述べられている。

近年、人々の資産形成への意識は確実に高まっている。NISAやiDeCoの利用者増加の流れを加速させるためには、制度の拡充策が必要だ。
だが、それ以上に重要なのは、金融教育の充実や年金額等の見える化である。なぜなら、資産形成を実践できていない人々の意識醸成を促す必要があるからだ。実際にNISAやiDeCoを利用しているのは、まだ一部の人々にすぎない。

現在、老後資金計画を、非常に立てにくいと思う。
老後資金計画が作成できるだけで、大きく変わるだろう。

まあ、手元にある資金だけで暮らせばいいということだけど、

まず年金制度、iDeCoが難しすぎる。
正確に把握するのが、ウルトラ難しい。

年金に課税されるなんて最近知った。

何時間以上、働いたら年金が減るとか、
iDeCoと退職金では、iDeCoを先に受け取る裏ワザがあるとか、
更には、年金収入が年210万円超えたら、住民税非課税世帯にならないから、ギリギリなら年金受給時期を早めて、年金収入を減らした方がお得とか。。。

そんな、ローカルルール満載で、ツギハギだらけ。

政府の資料には、「公的年金シミュ レーター」に言及されているが、現在のものは使い物にならない。

口座を倍増させる前にやることをやって欲しい。
順番が逆なのだと思う。


資産所得倍増プランには、他に、
第六の柱:世界に開かれた国際金融センターの実現
などもあるが、私には内容がよくわからなかぅた。

ということで、

まだまだ政府は検討するというので、
待つしかない。

【今日のひとこと】


おもしろいことを、あきらめてはいけない

(ほぼ日2022年株主ミーティングの会場で、壁に掲示されていたほぼ日社員のメッセージから引用)

おもしろいことを、
途中で挫折して、あきらめてはいけない。
とことん細部にこだわって、おもしろくする。

たとえ、それを外に出したときに、叩かれても問題なし。
そんなの気にしていたら、おもしろさがなくなるのだ!

というメッセージとして受け取った。

資産所得倍増プラン

もう、あきらめてしまいそうだけど、
今後に期待!




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