【商品考察】ファンドラップ(1) ~退職金運用のシウマイ弁当!?~
投資してはいけない商品ベスト3に常にランクインする、悪名高き金融商品
ファンドラップ
と、ささやかれている有様。
他にも
販売員の逆定期預金
金融界のプリンタービジネス
投資信託を使ったハニートラップ。。。
ネット上では汚名であふれている。
でも、売れているらしい。
ほとんどのネット情報が、コスト2重どりで論外という論調ですが、
ただ実際に運用している人や、販売側からの情報も極端に少ないです。
情報が少ない理由として、利用している層が高齢者が多いと思われる点と、ポートフォリオなどは、各社のノウハウになり公開が制限されていることが影響していると思います。
よくあるネット情報のパターンとして。。。
の質問に対して、FPらしきアドバイザーは、
こんな感じの回答。
回答者は、実際、ラップ口座の運用経験がなく適当に回答しているとしか見えない。どの期間かや、ポートフォリオ、運用会社でも異なる。
というほんとか、うそかわからないやり取りで終わる。。。
まあ、ファンドラップで利益が出ている富裕層が、わざわざファンドラップの良さを自ら発信するとも思えませんが。
ファンドラップの概要を知りたい場合は、
野村アセットのページが参考になります。
フィー2重どりの図示や、
投資信託及び、バランス型投資信託との違いが説明されています。
動画で概要を確認したい場合は、
大和証券グループ公式チャンネルの人生100年時代の資産形成戦略シリーズの中に、ファンドラップに関連する動画がアップされていて参考になります。
(関連動画)
・第6 回リバランスの効果
・第20回GPIFの運用を参考に
・第22回資産分散の効果 など
私は、20年くらいアウトソーシング事業に従事していたので、
ITシステムの運用一任の経験から、金融の投資一任に興味を持ち、退職金の1部を使って、1年運用しました。
他では、書かれていないことを中心に運用結果を整理します。
ファンドラップとは?
1年間、大和証券のダイワファンドラップを運用した私の定義は、
パフォーマンス評価について補足すると、
コストの2重どり云々の前に、まず、提案されたリスク&リターン内で運用されているかが、ポイントだと思います。リスクを負った上で、リターンを取りに行く運用を一任するサービスだからです。
また、ITのアウトソーシングの提案では、現状を継続した場合のベースケースとアウトソーシング後を比較します。アウトソーシングのランニングコスト自体の検証も重要ですが、定量的、定性的に、何がどう変化するかを重視します。
ファンドラップの評価も、ファンドラップに投資しなかったケースとの比較が必要だと思います。本気で比較するなら、相続を含めた10~15年間のベースケースを作って比較しないと、あまり意味がない気がします。
蛇足気味ですが、
ファンドラップを継続するどうかは、フィーの価値を自分自身で腹落ちできるかが、最大のポイントだと考えています。
言い換えると、
とも言えます。フィーに負けないためにリスクレベルを変えたり、組込み資産の定期的な見直しは、最低限必要だと思います。油断すると、負けてしまいそうな気配があります。
ITのアウトソーシングの経験から考えると、年々基準が厳しくなる監査対応のコストが、重荷になっていました。
一任されるということは、実施した業務への説明責任が生じ、すべての作業が正式プロセスに沿って実施されたことを示すエビデンスが求められます。一口で言って”重い”です。
ITのアウトソーシングでも、常にコストは叩かれました。
ファンドラップの評価を下げているフィーにも、投資に直接関係のない監査対応等のコストが含まれていると想像します。
このあたりを、うまく見せないと、”論外”という評価になってしまうのかもしれません。
ITアウトソーシング契約を頂けるお客様の特徴は、2つありました。
契約金額が大きいだけに、どちらが欠けても契約には至りませんでした。
ファンドラップも同様だと思います。
ダイワファンドラップを選んだ理由
ひとことでいって、消去法で決めました。
大和証券以外では、3つの窓口で商品説明を受けました。
・野村證券
・りそな銀行
・SMBC日興証券
それぞれ特徴がありました。
一番勝てそうなのは、りそな銀行のラップ口座だと感じましたが、
ファンドマネージャーが好みでなかった。
安心感という意味では、野村證券。
CIOサービスを組織化した後は、攻撃的なポートフォリオに変えている。
低リスクのポートフォリオでも海外資産の比率を高め、全ポートフォリオで、勝とうとしている意図がよくわかった。
でも、直近で近くの取引店がなくなったので一旦除外しました。
SMBC日興証券は、海外の運用会社と協業し、ポートフォリオが一番柔軟性が高かった。まったく取引がなかったので、まずはダイレクトコースの口座を開いたが、様々な癖があり、まだダイレクトコースのままで、放置中。
こういう流れで、特に大きな不満点がなかった、
ラップ口座の老舗の大和証券ので始めました。
もう一つ、試してみたいのですが、軍資金が底をついています。。。
大和証券のラップ口座を検討するなら、
資産運用プランニングと
ライフプランニング、財産継承プランニングなどを試すことで、
大和証券との相性を確認し、
全資産を資産運用プランニングツールに入力して、
ポートフォリオのリスク度合いを確認するのをお勧めします。
資産運用プランニングツールへの入力は、
個別銘柄を入力することもできますし、
簡易的に、個別株式はまとめて、類似の投資信託に置き換えて合計金額で入力するなどしてもよいと思います。
ラップ口座は、ファンドラップ単体の商品性だけでなく、付帯サービスと合わせて検討するものだと思います。
ファンドラップ運用結果
・定量効果
・定性効果
・自ら実施したこと
・不満点
・考慮事項
を以下に整理しました。
今回運用してみて、
運用したと言っても、増額と運用状況の確認ぐらいですが。。。
一番難しかったのは、買うタイミングでした。
ファンドラップは、基準価格のような、目安の価格はありません。比率の高い株式が、少しさがった時期を狙って購入しましたが、為替も含めて、購入のいいタイミングというのが、わかりませんでした。
他社では、ポートフォリオを常にベストの割合に柔軟に調整するファンドラップもあるようです。
ポートフォリオがベストの状態に保たれていれば、いつ購入しても勝てる確率があがる気がしますが、今後の検討課題としています。
退職金運用とファンドラップ
”冷えたシュウマイなんて美味しいはずがない。”
と思い込んで、私は、崎陽軒のシウマイ弁当を、食べていませんでした。
転機は、ほぼ日の株主総会で、昼食に崎陽軒のシウマイ弁当を頂いてから、ファンになりました。
以前、レオスの藤野英人さんが、「TOPIXは半分腐った幕の内弁当」と例えられましたが、ファンドラップに対する今の私の印象は、シウマイ弁当に近いです。
美しく配置されたシウマイ弁当は、
ファンドラップのポートフォリオに見えます。
シウマイが、エースの外国株式
彩りを与える蒲鉾と玉子焼は、国内株式
俵型ごはんは、安定の国内債券
鮪の漬け焼が、しぶい海外債券
筍煮は、バランスの国内REIT
鶏のからあげは、リリーフエースの外国REIT
切り昆布、千切り生姜のセットは、ヘッジファンド
好き嫌いが分かれるアンズは、コモディティ
ちょっぴり甘酸っぱい小梅は、投資一任フィー
つまり、
退職金のようにまとまった現金がある場合、
ブラックジャックと大門未知子のようなプロに任せる、ファンドラップは、積立ではない中長期分散の資産運用として、選択肢になると思います。
負けにくいが、勝ちにくい。
むしろ、勝とうしていない。
勝つのではなく、最後まで負けないこと。
勝つと思うな、思えば負けよ。
自軍は不敗の態勢を維持しつつ、敵軍の敗形を待つ。
戦わずに敵を降伏させることがベスト。
孫子の兵法の神髄である
「戦わずして勝つ」の世界観。
駅弁には、ステーキ弁当やウナギ弁当もあるけど、シウマイ弁当で充分という悟りの境地。
まだ運用期間が1年なので、購入後の切り崩し方なども、シウマイ弁当の食べ方が星の数だけあるように、実際に運用しながら考えていきたいと思います。
2022年は、ファンドラップのポートフォリオを参考にして、自分自身でiDeCoのポートフォリオを運用しつつ、下落&調整局面であっても、リターンを継続して確保できるかを検証し、自分でシウマイ弁当を作る場合とどちらが自分に合っているかを評価していこうと考えています。
まとめ
ファンドラップというサービスは、
富裕層に提供していた運用サービスを、
庶民層にも分散投資の恩恵が享受できるように、
再設計して契約金額の敷居を下げ、
わざわざ提供して頂いている運用サービス。
よって、
契約金額の敷居を下げたことにより、
提供側の損益分岐としてのフィーの利率が、
契約金額に対して、まだまだ高めなのは、
提供側の”提供してあげている”
という驕りが原因だと思います。
提供側は、
コスト2重どりで論外と言われて、
そんな一般庶民には、
契約してもらわなくてよいと無視しないで、
庶民の資産形成の為にも、
1日に数万個売れるシウマイ弁当のように、
ネットでも、
退職金運用のシウマイ弁当
とささやかれるように、積極的な情報発信を切に願います。
【今日のひとこと】
試す人になれ!
(出典:Hondaの本田宗一郎の母校、静岡県浜松市の光明小学校の校訓)
「最近のようにラジオ、テレビなどが発達していると、見たり、聞いたりすることは非常に多いが、実際に試してみる人は少ないように思われます。
ことに実行には失敗はつきものです。
失敗したらなんで失敗したか、その原因をよく確かめること、つまり反省してみることが大切です。
ふたたび同じ原因の失敗を繰り返すようでは、正しい反省をしていない証拠であり、また成功に通ずることもありません。
皆さんは失敗をおそれず、勇気を出して試してみる人になってください」
本田宗一郎
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