育児・ベビー用品業界におけるデータ活用のポイントと課題
コロナ禍からの外出需要の回復で、ベビーフードや衣類の需要は復調する見込みである一方で、国内では出生率の減少を受けて、中長期的には市場は縮小する見通しです。
高付加価値商品への注力や、ペットやスキンケアなどの周辺領域に事業を展開する動きが出ています。(この辺はまさに中小企業白書でよく見る事業拡大の王道と同じですね)
また、オンライン医療相談やベビーカー向け交通案内など、ITサービスの開発が進んでいる点も特徴的です。
(日経業界地図より抜粋)
このような状況下で、育児・ベビー用品業会においてどのようにデータ活用を進めていくことが有効かを整理したいと思いますが、需要予測・在庫最適化や商品開発、マーケティングへのデータ活用については概ねこれまで整理してきた業界と同様なので、周辺領域への事業拡大に着目して整理します。
周辺領域への事業拡大に向けたデータ活用
周辺領域への拡大を検討する際に必要なデータ活用について整理します。
人口動態データ 出生率の低下に関連する人口動態データを収集し、地域ごとの出生率の推移や将来の予測を分析します。これによって、需要が高まりやすい地域や年齢層を特定し、戦略的な拡大計画を立てることがポイントとなります。
消費行動データ 新生児や幼児を持つ家族の消費行動データを収集し、どのような商品やサービスが需要があるかを分析します。特に、新生児や幼児の親の買い物行動やオンラインでの検索傾向、SNSでの反応などを把握することが重要です。
市場調査データ 育児・ベビー用品業界の周辺領域であるペットやスキンケアなどの市場調査データを収集し、需要の動向や競合他社の動きを把握します。これによって、競争力のある新たなビジネス領域を見つけることができます。
顧客アンケートやフィードバックデータ 顧客アンケートやフィードバックデータを活用して、顧客のニーズや要望を把握します。これによって、新たなサービスや商品の開発方針を決定する際の参考情報とすることができます。
スキンケアや健康食品、ペット業界への進出が見られる育児・ベビー用品市場ですが、そもそも拡大すべき領域をどのように見出せば良いでしょうか。
新たな事業領域にはほとんどの場合、既存の事業者がいますので、業界内で強みとしている技術やサービス、ブランド力の本質を見極め、強みを展開できる業界を選択する必要があります。売れ筋商品やアンケート結果の分析を、自社の強みを客観的に把握する目的で実施するというのは、一つの解になると思います。
参考:需要予測、在庫最適化や商品開発へのデータ活用はこの辺りににもまとめています。
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