【映画鑑賞】感動がぐるぐるした話(ひみつのなっちゃん)
目安:約2000文字
※この記事は映画「ひみつのなっちゃん」の感想です
本編のネタバレは極力しないように気を付けていますが
少しでも気になる方はご注意くださいませ
公式に公開されているあらすじとしてはこうです
1.映画館、行ってきました
舞台は新宿二丁目と岐阜県郡上八幡
そしてその二地点をつなぐ道中。
我が家の徒歩圏内にある新宿二丁目が
舞台のひとつということもあり
最初は何となく興味を持っただけでしたが
情報を見聞きすればするほど気になってしまい
本日、ようやく新宿ピカデリーで鑑賞することができました
2.この映画の個人的なポイント
・墓場まで持っていく覚悟のある秘密を持っているひと
・自分を受け入れ周囲に受け入れられ素直に生きているひと
・自分でも未だ葛藤を抱えて生きているひと
ひみつや葛藤、悩みの中身は何であれ
世の中の多くはこうした人たちなのではないかと思います
今回の主人公たちは、たまたまドラァグクイーンでしたが
どんなひとにも当てはまる生きざまの物語だと思っています
3.人々が優しい
葛藤や困難を乗り越えてきたひと
または乗り越えようとしているひとというのは
苦しんでいる人の気持ちがわかるから
(苦しみを全て理解できるという意味ではない)
心の許容量が大きいのだと思います
この映画の登場人物たちも
みんな個性的ではあったけど、みんな優しかった
ハラハラすることはあってもズキズキすることはなかった
人が思い描くことのできる優しい世界は人によって実現可能だ
といつも思っているけど
この映画に関しても、心からそう思えました
4.美学
自分はドラァグクイーンではないので
全部をわかるには至らなかったはずですが
道中出くわす問題や喧嘩など
かれらならではの抱える不安だったり悩みだったりが
ふとしたきっかけで爆発してしまうのだろうと感じました
これも、根本的にはどんなひとにも当てはまる出来事です
そんな中、バージンさんの心の動きにも惹かれます
ちょっとネタバレですが
バージンさんは一年くらい踊れなくなっていて
その原因については具体的に語られていませんが
たぶんそこに悩みや葛藤があると思われます
昔なっちゃんにもらったコンパクトを
お守りのように肌身離さず持っていて
事あるごとに眺めています
道中もバージンさんは常に大人な対応をしていて
綺麗な大人として過ごしています
けど、どこかすっきりしない表情です
道中でも、なっちゃんの葬儀でも
自分たちの世界の外にいる
(という言い方があっているかどうか微妙ですが)
人たちに気を遣って、不快を与えないように注力しています
でも葬儀中、なっちゃんのくれたコンパクトの意味に気付いた時
それまでの気遣いが嘘だったかのように
なっちゃんの棺の前に泣き崩れます
周囲の参列者が止めても離れようとしません
バージンさんは自分の心の声に気付いたのかもしれません
だからこそ
最後に郡上踊りの輪の中へ入っていくバージンさんが
とてもキラキラしていて良かったな。
ここまで書いておいてネタバレを避けたというのも無理ありますが
具体的な記述はできるだけ避けたつもりなので
お許しくださいませ。
つまり、ドラァグクイーンであるが故の
道中のネタバレや経緯を避けたとしても
本質的にはどんな人にも当てはまる
人の生きざまにそっと触れてくれる映画だと感じたわけです
できればいろんな人たちにこの映画をおススメしたいです
5.主題歌
主題歌は渋谷すばるさんの「ないしょダンス」
エンドロールが始まっても立ち上がらず
ぜひ最後まで耳をすませてお聴きください
個人的には
という部分が映画館で耳を突いてきました
自分には出る杭などなく落とし穴だらけ
平坦でもなく穴だらけ
はやく平坦になりたいと思っていたけど
いつまでたってもなかなか実現しなくて
そんな自分もちゃんと受け入れようと
改めて思わせてくれました
あとは何度もでてくる
「ご縁があったら」という歌詞
そうそう、この世はご縁でできています
そう思います
郡上踊りのようにね、ご縁があったら一緒に踊りましょう
おまけ.ある意味ネタバレ
あるシーンで、こっそり心の中で叫んでおりました
「映司! 逃げきれ! 伊達ちゃんに捕まるな!!」
……あのキャスティングは何ですか!!?
ナイスダッシュ! 伊達ちゃん怖ぁ…… でも大ウケ(笑)!
(いや、映司でも伊達ちゃんでもないんだけど)
……え? 意味がわからないって?
いいんです。わからなくても。
きっとあなたも映画を観たら同じシーンで笑うから。
最後まで読んでいただきありがとう
ではではまたまた
梅本龍
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