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命と関係性(1)

義父の入院する病院へ通うようになって五ヵ月が経ちます。

義父が足に違和感を覚えたのは今年に入って間もない頃でした。足が痺れていて感覚が鈍く、ふいのタイミングで力が抜けてしまう。スムーズに歩けなくなり、転んでしまうこともありました。大好きなゴルフができないだけでなく、実生活にも支障をきたすまでに至ります。いくつかの病院で検診を受けましたが原因はわかりませんでした。

春から夏に移ろう頃、大きな病院で精密検査を受けてようやく原因を突き止めました。背中にできた血管腫が脊髄を圧迫し、それが足の痺れを起こしていたというのです。腫瘍にも良性と悪性があり、義父の場合は良性の血管腫だったため、そのまま付き合ってゆく選択肢もあったのですが「ゴルフをしたい」という想いから手術を受けることを決断しました。

ここまでのことはすべて義父が一人で進めています。

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