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CafeBarDonna vol.4

「並べるだけで自然と動き出すイメージ」

お酒も本も別々で見れば、ただそれだけなのですが、二つ並べることによって人は勝手に関連性を見出すものです。
その辺りが「非常にクリエイティブだなぁ」と思い、『プライマルラジオ』放送時から『本日のカクテル』というコーナーでやりはじめたのが最初。
まるでシェーカーの中で酒と酒が混じり合うカクテルのように、本とお酒が脳内で混じり合って新しい味わいになる。
いつかそんな「マリアージュ本」を出したいです。

今回、紹介する本はこちら。

『増田のブログ』

すばらしい一冊と出会いました。
これはぜひ、お手に取っていただきたい本です。

TSUTAYAの社長、増田宗昭さんの著書。
増田さんが書いてきた2007年から2017年までの10年間の社内ブログ(社員だけ見ることができるブログ)をまとめたもの。
単に本で読んだ知識や誰かに聞いた話を文章にしたのではなく、増田さん本人の経験から紡がれる言葉たち。
流れ落ちた汗が結晶となり、珠玉の輝きを放ちます。
やさしく、力強く、そしてぬくもりに満ちています。

「経営の本質は、失敗の許容」

増田さんはこの言葉を大切にしています。
失敗の中にしか成功はなく、その失敗を許容する器を経営者は持たなければ会社の成長はないということです。
できることばかりやっている人というのは年を重ねても同じところに留まっています。
でも、できないことにチャレンジした人というのは時間が経つとその分成長している。
人の成長は、できないことにチャレンジする覚悟の大きさに比例する、と。

「失敗」がただそれだけで終わる、ということはありません。
たとえ財務的には失敗しても、経験や人脈といった財産は残るわけですよね。
増田さんは、こういった財産も成長の一つだと語ります。
これはまさに、マッサージとスポーツストレッチの違いであると私は思います。
マッサージは揉まれてただ体が心地良いだけ。
でも、ストレッチは痛みを伴う心地良さです。
しかし、その痛みがなければ可動域は広がりません。
つまり、ただマッサージをするだけでは身体性は飛躍しないのです。
今できないことをすることにしか能力は顕在化しない。
つまり、未来を包括した行動(今はできないこと)でなければ成長はないのですね。
増田さんはこう語ります。

「成功には失敗という踏み台がいつもある。
反対に成功体験は踏み台にはならない」

その理念が頭にあり、力強いチームをつくっていきます。
少数精鋭の組織です。
つまり「考える少数集団」。

考える集団100人と、考えない集団1000人が戦った場合、どちらが強いでしょうか?
増田さんは一人一人に「考える力」を求めました。

ただ「考えろ」というのではなく、「考えなければならない」環境に身を置かせたのです。
実践的に自分で決めることの重要性を伝えました。

「やりたい」と思ったことを存分にやらせる環境づくり
そこにはまさに「失敗の許容」が試されるのですが、「好きで、一緒で、楽しんで」という言葉の裏に隠された「人のせいにしない、自ら考え、自らチャレンジする」という前提や美学を大切にしました。
「楽しいこと」の裏側には責任があります。
それを決断(実行)することで、自らにリスクを負わせる。
リスクを負ってはじめて人は能動的に「考える」のです。

実にすばらしい本でした。
あらゆるリーダー、クリエイター、アーティストにおすすめの一冊です。

『オレンジとチョコレートのカクテル』

2月ですのでもうすぐバレンタイン。
オレンジの果肉とチョコレート、それを生クリームとグランマルニエを加え、フローズンに。
グランマルニエというのはオレンジの果皮をスピリッツ(蒸留酒)に浸し、蒸留したあとにブランデーを加えてオーク樽で熟成させたもの。
上品なオレンジの香り、ほんのり甘く、豊かな味わい。
ケーキなどにも使用されていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

※もう一枚の写真は本願寺の大銀杏です

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嶋津 / Dialogue designer
「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。