よく聞く「生産管理」ってなに…?キホンの"QCD"についても触れながら
はじめに
本記事では「生産管理って何だろう?」という疑問に対して「なるほど!イメージが出来た」という感覚で読み終わっていただくことをゴールとしています。
生産管理とは
早速ですが、一般的に製造業の「生産管理」というと、生産計画の立案、生産するモノの設計、原材料の調達先選定、製造作業プロセスの構築、そしてそれらを効果的かつ効率的に行うための管理活動を指します。例えばですがプロテインメーカーA社では以下の全てが生産管理に関連します。
開発部門:どんなプロテインを製品化しようかな?
品質部門:安全な成分かな?生産方法、保存方法は問題ないかな?
購買部門:専用のチャック付袋は数千単位で発注…
生産管理:来月は出荷が多いな。材料を早めに発注しよう。
設備管理:粉の充填機械が点検の時期だな…。
オペレーション部門:新製品生産のためにフローの見直しが必要だな。
などなど…関連する業務、部門、部署は多数あります。イメージとしては以下の画像をみると分かりやすいかと思います。
生産管理の主な業務について
先ほどプロテイン会社を例に説明しましたが、改めて生産管理に関連する業務について記載します。
大手企業では生産管理の業務が細かく分かれていることが多いです。一方、小規模・中規模の中小企業では現場が生産管理全体の業務を兼ねている場合や、社長が自ら長年の経験や取引先との綿密な交流で生産管理を遂行している場合もあります。では業務例を以下に記載します。
需要予測:市場において売れる量を実績や経験などから予測。
生産計画:需要予測に基づき設備、人、期間などを計画策定。
購買(調達):生産計画達成のための業者選定、仕入、金額調整。
在庫管理:棚卸や在庫廃棄をはじめ、商品・資材・原材料を適正に管理。
受注管理:商品を納品するまでの一連の流れを管理。
工程管理:労働力、材料、設備を管理し効率的に計画・運営・統制。
品質管理:品質検査。品質検証。品質問題の解決。ロット番号管理。
原価管理:材料費・労務費・経費、直接費・間接費の管理。
外注管理:外部業者との折衝。作業進捗の管理。コミュニケーション。
などなど…上記の全てを広義の管理活動として「生産管理」と指す場合もあれば、受注量に基づき作業して完成させて納品するというような狭義の活動を「生産管理」と指す場合もあります。
生産管理のキホン要素「QCD」とは
生産管理に限らず「QCD」というワードを聞いたことがある方が多いと思います。これはQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字を並べたもので、製造業をはじめあらゆるビジネスにおいて重要な要素となっています。(本稿でも生産管理に関連する重要なワードとして簡単に触れます)
例えば、あるプロテイン会社が商品を作っているとします。この商品のQCD管理とは、商品の品質を高い水準で一定に保ち、全国への卸業者や小売業者、消費者への納期を守りながら、できるだけコストを抑えることです。
Quality(品質):
商品がお客さんにとって満足のいくものであるかどうかを意味します。例えば、栄養成分にこだわった上で、おいしく飲めるプロテインを作るためには、材料の質や製造方法などの品質を管理する必要があります。
Cost(コスト):
商品を作るためにかかるお金や労力のことです。例えば、プロテインの材料費、工場の人件費を抑えるために、効率的な生産計画や購買活動を行う必要があります。良質なプロテインをスケジュール通りに納品し続けるためには、良質なコスト計画が必要不可欠です。
Delivery(納期):
商品がお客様の元へと予定に届くかどうかを意味します。例えば、お客さまが注文した場合、納期に遅れないように、工程管理や物流の調整などを行う必要があります。
上記の様に、生産管理はQCDの観点から管理するものなのです。また先ほど申し上げたようにQCDは製造業の生産管理に限ったものではありません。
生産管理以外のQCD
例えばプロジェクト管理でもQCDの達成を目指していると言えます。
Quality(品質)の対象をプロジェクトの成果物や、納期までのプロセスとし、それらの検証、問題点の洗い出しなどを行います。プロジェクトはそもそも何かしらの問題点や顧客の課題解決のために置かれています。それが外部向けのプロジェクトであれば顧客に満足いただける成果物となるのか検証が必要ですので品質管理は欠かせません。内部であれば他部署や上長が成果物の納品先です。
Cost(コスト)においても、見積もりや概算など、コスト計画が甘いプロジェクトでは、高い品質を保てたとしても、追加費用の発生や当初の予定と異なるなどの問題が発生すると、顧客からの信頼を欠く可能性があります。また、追加要望や修正要望の限度も決めておかないと、リソースが足りなくなることも考えられます。
Delivery(納期)では、WBSやガントチャートなどを用いてプロジェクト管理を行う際、複数のタスクごとに納期日(マイルストーン)として設定されます.進捗を可視化しこの複数のタスク納期を達成していかねばプロジェクトの成果物は生まれません。丁寧な計画と管理、コントロールが必要です。
上記のように、QCDは「品質・コスト・納期」を適切に管理することです。円滑なプロジェクト管理には欠かせません。また、QCDの達成には「PMBOK」というプロセスの適切な管理なども大切といわれています。
さいごに
「生産管理」「QCD」というテーマについて触れてみました!なんとなくイメージが湧きましたでしょうか。さいごにまとめると…
生産とは製造業でいう「ものづくり」であり、
製品の設計→材料の調達→製造作業が行われます。
そしてその生産管理は、
品質、原価、工程などをQCDの観点から管理します。
QCDとは、適性な品質(Q)の製品を、適正なコスト(C)で、適正な日程で届ける(D)ことです。
実際の業務で置き換えてみると理解しやすく、整理できると思いますので、是非お試しください~!読んでいただきありがとうございました!!!