弄ばれた乙女の純情はまだ消えない

触れる、揺れる、黒い髪。寄せる、重なる、甘い体温。枯れる、廃れる、乙女の純情。使い古された「愛してる」。使われなかった「恋人」信じたものは幻想。あなたの存在はもはや虚像。想像は自由。妄想も自由。どう足掻いてもうまくいかない現状。為す術もないし、連絡も来ない。友達以上恋人未満。聞こえはいいけど、都合のいい関係性。

会いたい、会えないの繰り返し。好き、嫌いの繰り返し。嫌いになりたくてなれなくて。好きをやめたくてやめられなくて。花占いは自分でコントロールして、いつも好きで終わらせた。でも、報われない恋をするそんな自分が好きだった。

自分の首を絞め続けて、叶えられない理想にもがき続けるの繰り返し。SとNみたいに対極な2人。似てると思ったところは全部まやかし。似せてるが正しくて、実際は似ているところなどどこにもない。君の真似をして、それを嫌がる君の顔はいつも引き攣ったまま。

人だらけの駅前。なかなか2人になれない現実。2人になった途端に離れ離れ。理想と現実の乖離性。そんな私は性懲りない。きっとあなたはろくでもない。なんて自分を守ることしかできない私もろくでもない 。

思って、思われなくて、先走りすぎた敏感な感情。弄ばれた乙女の純情。一喜一憂、阿鼻叫喚。どこにも出せない感情は海の中へと放り込む。弱いくせに強がり。そんな自分に後悔ばかり。あなたと私はすれ違うばかり。弄ばれた乙女の純情はまだ消えない。大嫌い。そのたった一言がまだ言えなくて。