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僕がネットビジネスで起業してから廃業するまで

今日は少しまじめな記事を書きます。
最近友人から今何やっているの?と質問が多かったりまだアパレルブランドはやっているの?と聞かれることが増えたので包み隠さず起業した理由から廃業に至るまでの流れ,これからの人生の長期目標などを書いていこうと思います。

 実際に起業するまでの流れから,そもそもネットビジネスは怪しいのかなど自分の経験から得た知識を含めて説明していこうと思います。
 これからネットビジネスを始めたい方やネットビジネスってどうなの?と思っている方にぜひ読んでいただきたいです。
(最後まで有料記事にする予定は一切ありません)


【そもそもネットビジネスは怪しいのか】

 世間一般の人から見たネットビジネス,情報商材,通信講座,オンラインサロン,セミナーどれも宗教染みていて怪しいと思いますよね。
実際にツイッターなどで簡単に稼げる方法やライン登録などしてコンテンツを販売している方はたくさんいます。

 もちろんすべての人が詐欺と言いたいわけではないですが,怪しいと思うのは普通のことでしょう。
 ただ自作のバッグや洋服などや水泳教室,料理教室も個人でネットで販売していたらそれも立派なネットビジネスになります。

 これらが先に挙げた情報商材やオンラインサロン,セミナーに比べたら怪しくないと思うのはなぜでしょうか。

 この二つには明確な違いがあります。
「無形商品」と「有形商品」という違いです。
 ではなぜ「無形商品」が怪しく感じるのでしょうか。「無形商品」は「有形商品」と違って破格の利益率を出します。

 「無形商品」の場合では主に自分の知識や経験,株取引のやり方などを販売します。つまり商品を作るのにはオンラインで知識を販売できるプラットフォーム,例えばノートもそうですし公式アカウントから動画コンテンツを販売したりなどでビジネスが成立してしまいます。

 つまりパソコン一台あれば初期費用0円で起業ができてしまうわけです。
 一方「有形商品」の場合は商品の仕入れや教室を開く場合にも場所のレンタル代金や講師の人件費など多くの経費がかさみます。 
 ですので誰しもが簡単に作成できて,なおかつ利益率の高いデジタルコンテンツ販売で起業を始めるわけですね。
 
 ではここで最初の問いに戻ります。
まずここまでの話のまとめとして
・ネットビジネスには「無形商品」と「有形商品」がある
・「無形商品」は原価がかからず稼ぎやすいが怪しい目で見られる
・「有形商品」は利益率も悪くまとまった初期費用が必要だがクライアントの購入に対する抵抗が低い

これらから僕の結論は
「ネットビジネスは誰でも始められる無形商品の中に明らかに値段に見合う価値のないものが多く含まれているため全体的に怪しいと見られる傾向がある」となります。
 
僕自身も勉強のために情報商材を今まで8個ほど購入したことがあります。
一番高い商材で3万円ほどです。

その商材はあるベンチャー企業の社長さんが販売されていた教材だったのですが内容は今までに読んだことのある書籍にすべて書いてあることであり,
そのベンチャー企業も現在は会社のホームページが削除されていました。
 おそらく倒産してしまったのでしょう。
このようにデジタルコンテンツの販売は本当に実績のある人の商品を吟味して購入しないと痛い目を見ることになります。

では良い情報商材はあったのかと言いますと一つだけありました。
それは坂本憲彦氏のビジネススクールです。
元々は書籍を読んで知っていたのですが本を購入したときに坂本さんとオンラインで会話できる特典が付いていましたので,そこで自分のビジネスアイデアについての助言をいただきました。
確か19歳の時だったと思います。

そして助言に従い自分の洋服販売に活かしていったところ1ヶ月でビジネスアイデアをいただく前の3か月分ほどの売上を上げました。
 
その後も何度もコンサルをしていただき順調に自分のビジネスを進めることができました。

坂本さんは1万名以上の起業家を教育していた実績がありデジタルコンテンツは売っている人の会社の資本情報まで見てから購入するべきという教訓を得ました。

ですが起業をしたいと考えていた当時の僕は実績も何もなく坂本さんからも「有形商品」のビジネスを進められていたため「有形商品」で他社との差別化とUSP(独自性)を付けて戦うことにしました。

結論から言えばこの判断は間違っておらず売り上げを出しながらビジネスの勉強を実戦を通して学ぶことができました。

ただある一つの理由で撤退することになるのですが、、、
 
もしかしたら今の僕は「18歳資金0円から起業をした方法」などの情報商材を販売できるかもしれません。

ただ絶対にやることはないでしょう。
理由は簡単です。人生の長期目標で本当にやりたいことではないからです。(笑)
「商いは飽きない」と言う言葉があるように
自分が好きなこと,やりたいことでないと起業する意味が無いと今は思っているからです。

ここまでは世間一般的に怪しいと思われているネットビジネスについて説明させていただきました。
ここからは起業までの具体的な手順,実際の当時の売り上げなどを写真を使って説明していこうと思います。

【そもそもなぜ起業しようと思ったのか】


理由は今となっては恥ずかしい限りなのですが学歴コンプレックスや,何か人と違うことをやりたいという動機でした。 
何者でもない自分のことが本当に嫌だったのです。
中学生のころからビジネス本を読むことが趣味で経営者という職業に大きな憧れがありました。
ただ当時の僕は知識が全くなく,そもそも起業なんて未成年ができるのかと思っていました。
ですが起業に関する本を15冊ほど読破したところ借金を一切せずに最低限のリスクでとりあえず起業してみて,そこから実践で学んでいこうというマインドになりました。

「とりあえずやってみる」
これは今の僕の座右の銘でもあります。
ここでとりあえず起業はすることに決定したわけですがこの時はどんなビジネスを始めようかなどは全く考えていませんでした。

【なんの分野で起業するか】


さて起業を決心した僕ですがどんなビジネスを始めるかは全く考えていませんでした。毎日当時していた仕事の合間にいろいろなアイデアを出していたものの具体的なイメージが湧かずに起業すると決めてから3ヶ月が経ってしまいました。
当時僕は豊洲のとあるホテルの最上階にあるバーに勤めていたのですが,
お客様には富裕層の方が多く恵まれたことにいろいろな分野の経営者の方とお話をできる環境にいました。
そんなある日,一人のお客様と会いました。
東雲(しののめ)さんと言い24歳でネット通販で子育てに忙しい主婦の方向けに様々な役立ちグッズを販売している方で,僕が今悩んでいることを相談すると真摯に話を聞いてくれました。(東雲さんに掲載許可は取ってあります。)

僕が言われたことは難しく考えすぎということでした。
起業をすると決心してから世間体やどうせやるなら儲かるビジネスが良いなど本来起業する理由であった好きなことを仕事にしたいという大前提を忘れてしまっていたのです。

たくさんの起業に関する書籍を読んできましたがどの本にもお金を儲けたくてした起業は失敗すると書いてありました。

東雲さんの場合は4人兄弟の長女でシングルマザーのご家庭だったことから小さい時から大変そうな母の姿を見て将来は母みたいな人を助けられる商品を販売したいと思っていたそうです。

僕は反省をしました。
ビジネスは誰かが困っていてそこに価値を提供して対価としてお金をいただく。
基本を忘れてしまっていたのです。
まずは自分が好きなこと,そしてあったらいいなと思っているもの。
帰宅した後クローゼットを開けたら答えがありました。
僕は男性ですがメンズスカートなど中世的なファッションが好きなのですが
あまり種類がなく,また少し値段が高いためもう少し買い求めやすい値段で
商品を作れば買っていただけるのではないか。と思ったのです。

【市場調査とコンセプトの作成】


やりたいことが決まってからはすぐに行動に移せるタイプの人間ですので早速ネットでの洋服販売と起業に必要な資金の計算に入りました。

 コンセプトはすぐに決まりました。
まだ初期費用が少なく多くの在庫を抱えることはリスクがあり,小規模で始めたいと思っていたのでSNSで自分の商品に興味を持ってくれた方に個別に営業を行い販売する会員制モード系ショップというコンセプトにしました。

市場調査ですがやはり大手のブランドが強く自分がビジネスとして残していくためには,やはり小規模で始めることが正解だと確信しました。
別に業界で一番大きい会社を作る必要はありません。

ただ自分が好きなことをやっているだけなのに誰かが幸せになりさらにお金ももらえるこの流れを作れればいいだけなのです。
視界から靄が消えた瞬間でした。

【あっさりできてしまった資金調達】


自分のビジネスの形が決まった後は資金調達のフェーズに入りました。
自分が計算した初期費用は以下の通りです。

・仕入れ費用 30万~100万
・プラットホーム費用 3万
・決済システム導入費 売り上げの3~5%
・広告マーケティング費用 月5万
・梱包資材費 3万
・パソコンなどの設備 15万

その他運転資金を合わせて150万円用意することにしました。
当時の僕は月収が29万円でインセンティブで月によって売り上げが加算される仕組みで,毎月12万円貯金して1年後にビジネスを始めようと思っていました。

ですが東雲さんに相談したところ東雲さん自身も小さいときに貧乏でオシャレができなかったらしく,自分の安い値段で誰かに洋服を届けたいという思いに強く共感してくださり一緒に始めないかと誘ってくれました。

僕からしたらネットビジネスで既に売り上げを出している方と一緒に始められるなんてこんなに心強いことはないと喜びました。

約半分の75万円は当時の貯金25万円と合わせて3ヶ月ほどで貯めることができました。
いよいよ準備が整いました。19歳の12月でした。

【起業の流れ】


ここからはネットショップを始めたいと思ってる方のために超具体的にどうやって起業したのかを説明していきますね。

1 【販売するプラットフォームの決定】
  まずは商品を販売するサイトを構築しないといけませんよね。
幸い日本にはたくさんのプラットフォームがあります。
BASEやsyoppifai,または自分でECサイトを作ることも可能です。ですが僕はプログラミングができるわけではなくECサイトの制作を依頼してしまうと初期費用が跳ね上がってしまうことを考慮してBASEを利用することにしました。BASEの場合は商品が売れてから手数料が発生するのでそこも大変魅力的でした。

ネットショップ最王手

2 【商品の準備】
  自分で1から商品を縫って作ることは難しいと判断した僕はNETSEAという仕入れサイトから自分が販売したい洋服のデザインに似ている商品を仕入れることにしました。

NETSEA


そのあとに古物商許可証を取り,製品表示法,著作権に関する勉強をして仕入れた商品にオリジナル性を追加して販売することにしました。

さすがに1から洋服を作成することは難しいですが自分の好きな風に改良することは好きなことでもあったので進んでやることが出来て上達も早いスピードでしていきました。

3 【販売とマーケティング】
  続いて販売の段階に入りますが,BASEでは毎日新しいショップが開業されるためいきなり出店してもお客様の目に触れることが出来ません。大体のネットショップは商品の画像のみを掲載しますが差別化するために自分が被写体になって実際にお客様が着ている姿をイメージしやすいような写真を掲載することにしました。

 知り合いのカメラマンさんとコンタクトを取りスペースマーケットでスタジオを借りました。
東雲さんも被写体になってくれました。

またティックトックの運用にも力を入れました。
インスタグラムも相性がいいのですがまずは多くの人の目に留まるためにティックトックを活用しました。

【当時の売り上げと在庫状況】


ここからは写真を使って売り上げや在庫状況などを紹介していこうと思います。

まず当時運用していたSNSアカウントの詳細です。
 
当時のティックトックのアカウント(現在は削除済み)

やっぱり一番見られやすかった半面インスタグラムのリンクまで開いてくれる人は全体の5%ほど。
あまり本格的な運用には向いていないことを実感しました。

当時のインスタグラムアカウント (現在は削除済み)

フォロワーが多いインフルエンサーに営業メッセージを送信してPR投稿などのインフルエンサーマーケティングも活用。
かなり多いアクセスがありました。

まあSNSに関してはほとんど東雲さんに運用していただいていたので
深く説明できることはないのですが順調に投稿の継続性で戦うことが出来ました。

 当時のホームページはこちらです。

商品紹介アニメーションの作成

黒を基調としたデザインに自分が着用している姿を掲載。
商品の並び順の調整なども行い見やすいデザインを心掛けました。

また質問を毎日2時間おきに確認して応答をしていました。

当時の売り上げ状況はこんな感じです。

多い月で35万円ほど

かなり良い売り上げを出すことが出来たと思います。
この時期の売り上げはすべて会社の口座に入れて次の商品や撮影費用などに回していました。
特にインフルエンサーへの依頼料が割合の多くを占めていました。

色々あったものの意外とうまく行っていることを実感していました。
ですが二つ問題が発生しました。
一つは単純に忙しい時間が増えてしまい睡眠時間が1日5時間ほどになってしまったことです。
二つ目は実際にお客様と会うわけではないので商品が売れてもあまり誰かの役に立っている実感が湧かなかったことです。

だんだんと惰性でやるようになってしまい本当に自分がやりたかったことはこれなのだろうか。と疑問が募る毎日でした。

【職場の経営不振とうつ病の経験】

あまり本気になれず惰性で続けてしまっていたビジネスでしたが21歳の時に悪い意味での大きな転換期を迎えます。

それは当時働いていた職場の経営不振でした。元々赤字なのは知っていたのですが,代表の方と連絡が突然取れなくなり2か月分の給料が未払いになりました。

職場には家庭を持たれている方もいたので全員で裁判を起こすことにまで発展しました。

当時僕は品川区で一人暮らしをしていたのですがビジネスで使うお金と生活費は完全に分けて考えていたので家賃を払うことが出来ませんでした。

初めての裁判の経験,今まで職場に来てくれていたお客様とある日突然会えなくなってしまったこと,家賃など積み重なる請求書,実家を出て成功して帰ってくると決めたのに失敗してしまった自分への罪悪感,この時すでに僕のメンタルはボロボロでした。

東雲さんは会社の売上を生活費に回しても構わないよなどたくさんサポートをしてくれたのですがもう何もやる気力が残っていなかった僕は実家に帰り療養することにしました。

そして1年ほどが経過し友人に紹介された職場でもう一度働くことになります。
約1年ぶりの仕事でとても緊張していました。
接客メインの仕事なのですがとても楽しく感じました。
毎日初めてのお客さんと会うことが出来てしかもありがとうを目の前で伝えてもらえる。
自分のやっていたビジネスをほめてくれ,時にはビジネスに誘ってくれるお客様もいてとにかく君が出勤しているときにまたお店に来るよと言ってもらえました。
本当にこれ以上嬉しいことはありません。

バーで働いていた時期の楽しい思い出がブワーっと蘇ってきました。
本当に毎日が充実していました。

ちなみに当時のビジネスでの売り上げは新しい何かを始める時のための初期費用として触らずに保存しています。

【この経験から見つけた自分が本当にやりたいこと】


僕が洋服が好きなのは紛れもなく事実です。

そしてネットショップ経営が楽しかったのも事実です。

ですがパソコンで仕事が完結してしまうためお客様の顔を見ることは一度もありませんでした。

そして友人に紹介された職場に復帰してから自分が一番楽しむことが出来て一番自分の魅力を発揮できる仕事は実際にお客様の顔を見てサービスを提供する接客業だと気づきました。

ここまでこの記事を読んでくれた方ならわかるかもしれませんが僕は自分のアイデアを実際に形にしたいという強い思いがあります。

次の夢が決まりました。
【自分のバーを開業する】
ことです。

まだこれしか決まってません。
漠然すぎないかと思われるかもしれません。
開業資金1千万円かかるかもしれません。

でも大丈夫です。
18歳から22歳までの4年間で1から起業した経験と失敗の糧があります。
正直借金さえしなければ何も怖くないということもわかりました。
何年かかるかなんてわかりません。
ですが必ずやります。
お世話になった起業家の先輩方,友人,今のお店,豊洲のお店で来てくれていた常連さん,趣味でつながった友達,そして何より自分のことを支え続けてくれた家族
みんなが笑顔でゆっくりしゃべりながら過ごすことが出来る,自分のお客様同士で仲良くなってもらいさらに人と人をつなぐことが出来る
そんな場所を作り上げることが将来の夢です。

必ず成し遂げます。

【最後に起業を考えている方へ】


かなり長くなりました。ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。
今回この記事を書いた理由は友人にアパレルはどうなったのと聞かれることが増え今まで少し隠していたものをさらけ出そうと思ったのと,せっかく書くならビジネスを始めたいと思っている方に少しでも参考になってほしいと思って執筆しました。

伝えたいことは一つです。

好きなことをやってください。
日本人は保守性が強く挑戦する人を否定してくる人が多いのも事実です。

でもそんなの関係ありません。

あなたの人生はあなたのものです。
たとえ失敗しても人生何とかなります。

・ちゃんと挨拶ができる
・挑戦している人を応援する
・誰かのために何かを頑張った経験がある
・身近な人こそ大切にする
・ありがとうを言える

これだけできればマジで大丈夫です。
そこに追加して自分のやりたいことに対して誠実に一歩ずつ進んでいけばいいのです。

まだ22歳の僕の言葉ですが少しでも誰かの一歩踏み出す勇気になっていることを信じて筆を於きたいと思います。


 

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