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リハビリにおける運動学習とは?—繰り返しが必要な理由を脳科学から考える

こんにちは。今日もつらつらと書き連ねていこうと思います。

今回は 「運動学習とは何か?」 というテーマについて解説していきます。
小児のリハビリには時間がかかると言われますが、その理由の一つが 「運動学習には時間がかかる」 からです。では、そもそも運動学習とは何なのか? どのように脳が運動を覚えていくのか? これを理解することで、リハビリの必要性がより明確になると思います。

運動学習とは何か?

運動学習とは、経験を通じて脳の神経活動が変化し、神経ネットワークが形成・強化されるプロセスのこと です。このネットワークが適切に機能することで、動作がスムーズになり、新しい動きを習得していきます。

運動学習には 「繰り返し」 が必要です。これは、神経のつながり(シナプス)が強化され、動作がスムーズに実行できるようになるまでに時間がかかるためです。

運動学習に関わる脳の仕組み

運動学習には、主に 「大脳皮質」「小脳」「大脳基底核」 の3つが関わります。

① 大脳皮質(運動の計画と実行)
運動前野・一次運動野 で運動の計画を立て、筋肉に指令を出す。
感覚情報(視覚・触覚など)を統合し、動作を調整。
前頭前野 で「どう動くべきか?」を判断。

② 小脳(運動の調整・誤差修正)
運動の正確性・スムーズさをチェックし、調整する。
「内部モデル」 を作り、同じ動作をよりスムーズに実行できるようにする。

③ 大脳基底核(運動のタイミング・強さの調整)
• 運動の開始・抑制、タイミングをコントロール。
ドーパミンを介した「強化学習」 に関与し、運動の習得を助ける。

運動学習の仕組み:教師あり学習と強化学習

運動学習には、主に 「教師あり学習」と「強化学習」 の2種類があります。

① 教師あり学習(小脳が関与)
• 「正しい動き」をフィードバックで学習する。
• 例:バランスを崩したときに小脳が修正し、次回はスムーズに動けるようになる。

② 強化学習(大脳基底核が関与)
• 試行錯誤を繰り返し、成功と失敗を経験しながら学習する。
「ドーパミン」が分泌されると学習が進みやすい。

脳性麻痺児のリハビリでは、この フィードバックの受け取りが難しいため、運動学習に時間がかかる ことがあります。

まとめ:リハビリに運動学習が必要な理由

運動学習には 「繰り返し」 が不可欠です。これは、脳の神経ネットワークを強化し、運動の精度を高めるためです。

リハビリを継続することで、
運動がスムーズにできるようになる
誤差が少なくなり、エネルギー効率が向上する
新しい動作が習得できる

このように、運動学習の仕組みを理解することで、「なぜリハビリが必要なのか?」が見えてくるのではないでしょうか?

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それではまた!

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