「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」
認知症の人はどのように見えていて、どのように感じているのか、知ることはとても大切だと思います。そこでこの本「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」は、とてもわかりやすく解説してあります。現場で実際に働いている人が書かれています。
この本を読んで驚いたのは、認知症と一口に言っても、みんな違うということです。Aさんがこうだから、みんな同じということではなく、むしろ認知症患者の数だけ、ケースが違うと考えた方が良さそうです。
そういう意味では、現場で働いている人の声を知っておくと、家族が認知症になった時に、焦ることなく、少しでも対応ができるかもしれません。
「どこにいるのかわからない」
「誰かわからない」
「物盗られ妄想」
「簡単な計算ができない」
「相手の話が理解できない」
「便を服になすりつける」
他にもたくさん書いてありますが、代表的な項目を書き出しました。
このような事例は一度は聞いたことがあると思います。しかし認知症ではない人にとっては、理解不能の行動ですよね。「なんで、こんなことがわからないの?」と怒ってしまうのが普通でしょう。
しかし「なぜ、認知症の人はこんな行動をするのか?」ということが分かっていれば、少なくとも怒ることはしないで済むかもしれません。実際の事例をマンガで紹介し、その後、わかりやすい文章で説明されています。
認知症患者の行動には、ちゃんと理由がある
「のどが渇いた」と言いながらハサミを探す認知症患者の話は衝撃です。その現場でその人のことをよく観察しておかないと、解決策はどんなに考えても出てくることはないでしょう。
また、「夕方に帰ろうとするおばあちゃんの心の内は?」「食器乾燥機の中に靴が入っていたのはなぜ?」「他人の家から石を持って帰ってくるのはなぜ?」実はそれぞれ、ちゃんと意味があるんです。安易も分からなくなってそんな行動に出るのではなく、むしろ逆だったのです。その人の生きてきた経緯があるからこそ、そんな行動をすることをこの本から学びました。
認知症は一人ひとり「なぜ?」が違います。だから、その人がどんな人生を歩んできたかを知ることが、その人の症状を理解する一番の早道のようです。
寄り添うことが大切
「付き添い」ではなく「寄り添う」ことが認知症患者に接するための第一歩だということを、この本から学びました。すべてを理解することはできませんが、寄り添うことで患者が心を開いてくれます。
私は実際に認知症患者さんと接することはありませんが、この先どうなるかわかりません。整体院によく来られる人の中には、予備軍の人が数人いらっしゃいます。会話の中から、その人の歩んできた人生を少しでも多く聞いておくことが、早期発見に繋がることと思います。
筆者は書かれています。
素晴らしい志です。認知症はまだ解明されていないこともあります。医学の進歩と共に、私たちの考え方も進歩しなければならないと思います。