違法広告を紹介します
先日、地域のミニコミ誌に挟まってポスティングされた広告を見て唖然としました。違法広告です。チラシを手に取っても、何が違法なのか、分からない人が大半だと思いますが、ご覧ください。
このチラシを見て、施術をお願いすることは、あなたも詐欺に加担する可能性がありますのでご注意ください。では何がダメなのか説明いたします。
「健康保険が使える国家資格保持者による、鍼灸・訪問マッサージ」
「一回当たりの費用目安が、500円~600円」
「無料お試し体験受付中」
今回の発行主は「整骨院」です。同じ文言を整形外科に置き換えて書いてみると、何がダメなのかよく分かります。
「健康保険が使える国家資格保持者による、膝関節手術」
「手術費用目安が、100,000円~200,000円」
「無料お試し体験受付中」
かなり横暴な書き方ですが、だいたいこんな感じになります。
まず、病院とそれに類する整骨院などは、「医療法」という法律に基づいているため、広告に対する規制が厳しいのです。
「当院は、脳神経手術が得意です。お試し検査は無料ですから、ぜひ当院にご相談ください。お待ちしております。」
こんなキャッチコピーの広告があったらどうですか?
病院は商売ではありませんので、金額を表記したり、具体的な内容をアピールすることが医療法により規制されています。
駅に掲げてある病院の看板を思い出してください。こんな感じです。
クリニックの名称、電話番号、住所、地図、診察日、専門科目などです。ここに「〇〇手術は当院へお任せください」「他より安くします」なんて書かれたら、病院なのに商売しているやん!ってなりますよね。そうなると、違法です。
では最初のチラシの話に戻りましょう。
「国家資格保持者がいる整骨院」で「健康保険証が使用できる」わけですから、病院と同等ですよね。ではもう一度、最初のチラシをご覧ください。商売していることがよく分かりますよね。
はい、だから完全なる違法広告です。
健康保険を使うと、若い人でしたら「3割負担」です。後期高齢者でしたら「1割負担」です。年齢などによって負担割合が違います。残りの「7割」あるいは「9割」は市の税金が使われます。健康保険を使用すると、悪事に加担させられます。「詐欺の片棒を担がされる」ということです。患者にとっては「安い金額で診てもらえるからラッキー」と思わないでください。詐欺ですから。
もしあなたの手元に、「健康保険が使える」としながら、金額が掲載されているチラシを見たら、それは違法です。ご注意ください。