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認知機能の低下を防ぐ「知的活動」の具体的な方法は?【介護の不安は解消できる】
今日のお話は、長寿に携わってこられた第一人者、遠藤英俊(えんどう・ひでとし)先生の記事から紹介します。
2013年、米テキサス大学ダラス校の研究者らによると、音楽鑑賞やパズルゲームを行った人に比べて、カメラの撮影技術や画像編集技術の習得を行うなど、新しい事柄の習得を行ったグループの方が認知機能は向上していたと報告されました。
これは単に写真を撮るだけではなく技術を覚えたり、どうしたらよりきれいな写真になるか、撮り方や編集法を考え工夫する過程が脳に負荷をかけ、物事を考えるトレーニングになるからです。
これを繰り返し行うことで脳が活性化するだけでなく神経ネットワークを介して記憶は脳の広範囲に広がり、記憶の保存と取り出しがスムーズに行えるようになったり、創造的な考え方ができるようになるのです。
とても興味深い記事です。「工夫が必要」という点に頷けます。
新しいことを始めたとしても、同じことの繰り返しならそのうちマンネリ化するでしょうし、そして飽きます。どうすればもっと良くなるか、考えることは工夫するということです。
言葉の上ではきっと誰でも分かっているはずです。しかし工夫のできない人が、一定数いらっしゃると思います。もし思い当たるようでしたら、一日も早く若いうちから、何でも良いので工夫する努力が必要だと思います。
考える力、工夫する力を身に付けよう。
遠藤先生は記事の中で「健康麻雀」と「日記を書く」ことを推奨されています。どちらも工夫が必要です。
麻雀は頭使いますよね。勝ち負けが伴うから、必死になること間違いありません。日記に関しては、定年退職後は、何も目新しいことがなければ書くことがありません。そこで何を書くか考えることが工夫に値します。
同じものを見ても、見る時間や角度によって見え方が違うでしょ? 景色、自然がその良い例です。
俳句を始める人も最近増えていますよね。ご自身で無理なく始められる工夫を今から見つけてやってみましょう。毎日がきっと楽しくなりますよ。
「認知症になる」のは勝手になるのではありません。日常生活の仕方によって「自らが引き起こす病気」だと考えましょう。そう考えればこそ、予防の必要性が分かるはずです。
遠藤英俊(えんどう・ひでとし)
1982年滋賀医科大学医学部卒業、2014年独立研究開発法人国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長、20年聖路加国際大学臨床教授を経て21年から現在のいのくちファミリークリニック院長を務める。
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