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読書感想文 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 読了。

【ハードボイルド・ワンダーランド】
とてもリアルな面と、やみくろとか計算士とかとても非リアルな面の組合せにより、リアルな面の生(せい)が引き立ってた。特に地上ではリアルな面、地下では非リアルな面が多く、普段見えているところと見えていないところの表裏一体感があった。
それと昔の歌や小説が良く出てくるのでそれを知っていると(自分は知らない。)一層深く楽しめそう。

【世界の終わり】
こちらは完全に非リアルな世界。
もちろん、出てくるものは現実にあるものも多くて想像しやすい世界だし、上巻(文庫)の初めにはこの世界の地図も付いてるのでシーンとしてはとてもわかり易くなってる。
ハードボイルド・ワンダーランドではリアルと非リアルな印象を持った一方、世界の終わりでは光と影、心の有無みたいな内面的な対比が印象的。
そもそも世界の終わりの成り立ちがそれを意味していると思うけど、それは読んでもらえばわかるかも。

2つの物語を通して、
人生も人も完璧なんかじゃいし、それを受け入れて生きるのって大事だし、良いなと思う。

でも、それだけじゃ無くて心の底に1つくらいは完璧な理想だったり世界の終わりを持って生きるのも大事だしいいと思う。

どっちもあるから自分だし、どっちかだけだと絶対もたない。

ハッピーエンドじゃないし、ミステリみたいな種明かしもないけど、だからこそこの2つの物語だと思うし村上春樹さんの小説なんだろうなと思いました。

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