幻想曲とか奇想曲とか何が違うの?
クラシック音楽に触れている方は幻想曲、奇想曲、前奏曲などの名前を聞いたことがあると思います。これらは性格的小品というものの一つで、ピアノのために書かれた自由な形式の作品と説明されていることが多いです。しかし、自由な形式といいながらも作品によっては多楽章で構成されていたり、即興曲と名をうっているものの、実際には3部形式の形でしっかり作曲されていたりする、ということも多いです。
例えばシューベルトのさすらい人幻想曲は幻想曲と名付けていますが、実態は全4楽章からなるソナタ風の作品です。
同じくシューベルトの4つの即興曲D935では4曲まとめてソナタのような構築性があり、3曲目は即興曲といっておきながら中身は変奏曲です。
ショパンの幻想即興曲は即興的な要素は少なく構成的にはA-B-A-コーダという構成をしており、中身はコーダ付きの3部形式です。
即興曲と題しながら自由な形式ではなく、型にはまった3部形式で作曲したショパンの意図は何なのでしょうか?
ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲は狂詩曲と題していますが曲の構成は変奏曲です。
しかし、途中でグレゴリオ聖歌の怒りの日が挿入されておりこの怒りの日の引用には何か秘められた思いがあると思います。ラフマニノフはこの怒りの日のフレーズを何度か引用しており、何度も引用するということは何か強いメッセージ性が込められているのかもしれません。変奏曲ではなく狂詩曲と名をうったのもこれが関係しているのかもしれません。
性格的小品を演奏する際はなぜ作曲者が即興曲と名付けたのか、なぜ幻想曲と名付けたのかを考えなくてはいけないと思います。もちろん作曲者がいない今、すべての考えは推測の域を出ませんが考えることに意味があると思います。もしかしたらただ気まぐれで名付けただけかもしれませんが、そこはそれぞれの演奏者の解釈の違いで演奏を楽しめる部分ではあります。
正直それぞれの違いは曖昧です。なので、あまり難しく考えることはせず作曲者がなぜそのタイトルのしたのかを考える方がよいかもしれません。
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