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虹の彼方に 第12話 雨上がりの空に
ライブが終わった。
時計の針は一時間半ほど進んでいる。
「えっ、いつの間にそんな時間が過ぎていたの?」
楽しい時間は早く過ぎ去る。その言葉の通り、あたしにときの流れを感じさせることのない、密度が高くて楽しめるひとときだった。
演奏を終えたメンバーがステージを降りた途端、アンコールの声がかかった。
得能くんたちには予想外の出来事みたいで、バタバタしながらもう一度顔を出し、慌てて最初の曲をもう一度演奏した。
あのワタルさんがいるバンドなのに、アンコールのことまで考えていなかったなんて。ここまで盛り上がるとは想像していなかったのかもしれない。
計算し尽くされたものではない手作り感や拙さが垣間見えて、あたしには逆に印象が良かった。
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