清澄白河でウンコを我慢する山猿
私はお洒落なんて縁遠い、九州の片田舎で山猿よろしく育った。一方、彼はシティーボーイかつ歴史ある街の近くで育っているからか、お洒落な場所や古風で良さげな場所をよく知っている。お洒落といってもインスタ映えとかではなく、個人がやってる輸入物の雑貨屋とか、そういうタイプのお洒落だ。POPEYEとかも読んでいる。
ちなみに私はPOPEYEがどういう雑誌なのか、彼と付き合うまで知らなかった。なので、彼とのデートは毎度新しい文化を感じている。
彼は東京に来ると、よく吉祥寺とか高円寺とかのお洒落カフェや雑貨屋、古着屋を巡っている。たまに私も一緒に行くが、今まであまり触れたことのない雰囲気に触れられて楽しい。
そのうち自分もこぢんまりとした雑貨屋を巡るような休みの日を過ごしたいと思い始めた。
「清澄白河には可愛い雑貨屋があるよ。ブルーボトルコーヒーもあるよ。」
私はコーヒーが苦手だ。そもそもカフェインに弱いのかコーヒーを飲むと頭が痛くなる。スタバでいつも頼むのはゆずシトラスティーだ。
しかし、せっかく教えてくれたブルーボトルコーヒー。webサイトを見ると中々お洒落な感じだ。山猿も都会生活7年目になるんだし、お洒落なカフェでコーヒーの1杯くらい嗜んでみるべきだろう。山猿は清澄白河のブルーボトルコーヒーに足を踏み入れた。
結論から言うと、カプチーノは自分にはまだ早いということがわかった。そもそもカプチーノがどういう割合で淹れられているのかも知らなかったのだけど。あの見た目で全然甘くないのは詐欺では?
一緒に頼んだクッキーが無ければ飲めなかっただろう。しかもコロナ禍で席数が減らされている店内は空きがなく、店舗の前のベンチで1人、向かいのパロマの支店を見ながら飲んだ。
(お洒落とは…?)
なんとかカプチーノをクッキーで流し込み、雑貨屋へ向かう。惜しくもめぼしいものは無かったが、なんとなく楽しい感じがした。
ところがここで、唐突な便意が山猿を襲う。
カフェインが苦手な人はわかると思うが、コーヒーを飲むと便意を催すのだ。色々みて回りたいが、そこまで迫っている脅威に抗えなかった。
私は早々に駅に戻りトイレへ駆け込んだ。
(お洒落ってなんだろう)
家の近所のスタバでゆずシトラスティーを飲みながらこれを書いている。私がお洒落に触れて楽しかったのは彼が隣に居たからなのかもしれない。次からは無理せずココアを頼むことにする。