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理想と現実 アボリジニの村編
この村に来ようと決めたきっかけは、インドの山奥の病院でデトックス治療を受けていた時でした。
その村の人々がみんな明るくて、笑いが絶えない。朝、昼、夜と同じテンションで盛り上がっていました。オーストラリアでは、お酒が入ってやっとこの域に入るという流れが当たり前の文化に慣れていた私は、「お酒が入っていなくてもこんなに盛り上がれるんだ」とある意味ショックを受けました。
お酒に対して嫌悪感を抱いてはいません。私はワインが好きだし、日本酒も機会があれば有難く頂きます。お酒とは上手に付き合っていけばいいものだとも思っています。
でも、お酒を飲まなくても盛り上がれることにカルチャーショックを受けた私は、そんな場所をオーストラリアに探しました。
そこでこのラジャマヌ村。オーストラリアの砂漠地帯にあるアボリジニの居住区。アルコールの持ち入りが禁止されています。都市からすごく離れているのならきっと神聖な場所に違いないと思いました。
そんな環境でヨガの練習もメディテーションも毎日できるなあとも期待もしていました。
ところがリサーチが足りなかった。
実際に来て驚いたのが、まず、アルコール類の持ち込みの取り締まりがあるようでないこと。アル中の人が多いこと。飲酒運転による事故で親を亡くしている子供が多いこと。妊娠中にアルコール摂取している母親から生まれた子供が多いこと。
大きな理由のひとつは、アボリジニの土地から鉱山物を採取できるので(金が取れます)、村の人たちには多額のお金が入ってきます。アボリジニの人達はお金持ちです。車なんて一年に2車は買えるほど。
ただ、村にはお金の使い場所がありません。小さなスーパーが一軒だけ。そして、村にはほどんど働き先はありません。車の整備工として、ケアワーカーとして、アシスタントティーチャーとして学校で働く人はいますが、村全員が行けるような働き先はありません。
働き先もなければ、お金があるし、働かなくてもいいのなら、働く意欲も出てきません。
そんな時、正しい生き方の方向性が身についていないと、楽な方向に人間って流れてしまうのだと思います。感覚器官を喜ばせるようなこと。暇を紛らさせられること。そういった方に意識が行ってしまうのは、彼らのせいでないように思います。
何時間も運転して酒類を買いに行って、村に持ち込むということが普通にあったりします。
私のアシスタントティーチャーのアボリジニの女性も「旦那が飲酒運転で牢屋にいるのよ」と教えてくれました。
子供たちはそんな大人を見て育ってきています。働かなくても、食べていける。働かなくていいのなら、勉強する必要がないと思ってしまう。だから、アボリジニの村の学校で教える先生は、現実的な明るい将来を彼らに描いてあげることが出来て、正しい生き方を教えてあげられなけらばならない。そして、心から思うことは、そういったアボリジニの子供たちの学ぶ意欲を搔き立てられる先生は本当に素晴らしいと思う。
私はそういった意欲を掻き立てられるスキルがなく無力さ実感しています。ただ、愛情だけはめちゃくちゃあげています(それしかできないのか!と突っ込みいれてください)。アボリジニの村の学校で働くというのは、正直、お給料がいい。だから貯金目的に来る教員もたくさんいます。でもお金目当てで来てはいけない。アボリジニの村の子供たちの将来が私たちの手にかかっているのだから。
いま、私に出来ることをやっていきたいとここに誓います。