1.人間失格
1日1冊100日チャレンジ、1冊目は太宰治の人間失格からスタートです。
学生時代に読んで以来、20年ぶりにしっかり読みました。
当時は人生経験も浅く人の心の機微に今ほど敏感ではなかったので、太宰治の世界観がよくわからないままでした。
ですが昨夜読んでみると、時を経て彼の心情に共感する部分が多大にあることに自分でも驚きました。
道化を演じる悲しさ、はっきり意見を言えない時の胸の内、世間と自分との隔たり。
文字を追うごとに陰鬱な気持ちになりましたが、その中でも彼との共通点を見つけたことは新たな発見でした。
彼の周りから女性が途切れなかったことも頷けますし、それは文字からも写真からも伝わります。
その人から出る雰囲気は目に見えませんが、感じることはできるものだとつくづく思います。
実際に会うことがなくても作者本人に親近感を覚えるというのは読書の楽しみのひとつですね。
そしてもうひとつ、私の本の読み方はとても庶民的だということにも気がつきました。
本の中に自分の思っていることや今までの経験との共通点を見つけて、そこに喜びを感じています。
なので、この作家の書き方はどうでこうで…という見方はできません。やろうとしても、その途端に頭の中で文字の渋滞のようものが起きてしまって、読めなくなります。
(なので、そういう風に紹介できる方は本当に凄いなぁと頭の下がる思いです。)
自分のことを人間失格と記せる太宰治と一度話をしてみたかったと思う、そんな夜です。
明日は2冊目、チャレンジガンバリます!