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闇に光を 『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』

2024年9月、Diddy が逮捕され
アメリカのエンタメ界を支配していた性暴力の闇が暴露されている。
(いつからディディに?私の記憶ではパフ・ダディ)
あの人も、この人も関わっていたの!?と気持ちを消化できずにいる。

これは、あのMIRAMAXの騒動を知ってしまった時に似ている。

アメリカでは、2017年、大物映画プロデューサー、ワインスタインの逮捕で
メディアは騒然としていた。
そして、あの#MeToo運動 が爆発した。

できることなら見たくなかった。
知りたくなかった。

そんな反応が自分の中に起きながら
権力、暴力に立ち上がる女性たちの物語に勇気という光をもらった。

今回は、『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』を振り返りながら
このモヤモヤした気持ちに向き合いたい。


あらすじ

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた1つの記事が世界中で社会現象を巻き起こした。『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』『恋におちたシェイクスピア』『ロード・オブ・ザ・リング』『英国王のスピーチ』など数々の名作を手掛けた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・性的暴行事件を告発したその記事は、映画業界のみならず国を超えて性犯罪の被害の声を促し、#MeToo運動を爆発させた。

https://www.universalpictures.jp/micro/shesaid-sononawoabake

あの作品が・・・

この事実を知った時の私の最初の反応は

「あの作品も、ワインスタインのだったのか・・・」

というショック。

『コックと泥棒、その妻と愛人』
『セックスと嘘とビデオテープ』

見てたよ(泣)。
確かに倒錯的なテーマだけどさ。

『パルプフィクション』

衝撃的だったよ。
確かに暴力的だけどさ。

まあ、ここまでは、ちょっとわかる。
セクシュアリティ、暴力がテーマの中に入ってくるし。

でもね

『グッドウィルハンティング』
『英国王のスピーチ』

で流した、純粋な涙はどうしたらいいんだろう?
そんな、複雑な気持ちでいっぱいになった。

”SHE SAID”の意味〜なぜ告発されずにきたのか

邦題が、少しわかりにくくて残念。
「彼女は言った」という直訳だけでは、その意味が伝わってこない。

そこには
「He said, she said」という慣用句
議論の場において誰かの言葉と相手の言葉に
食い違いが生じることを指す表現のニュアンスが含まれている。

つまり加害者側は
証拠がない状況を利用して
「彼女は暴行を受けたと言っているけれど、同意の上での行為だ」
「彼女の言いがかりだ」
という姿勢で隠蔽されてきたことを示唆している。

なぜ告発されずにきたのか。
問題の本質は業界の隠蔽構造。
あらゆる権力、手段を使って
被害を受けた女性達の「口封じ」が行われていた。

彼女達は業界から消され
告白をしたとしても記事ならず
ただ黙ることしかできずにいた。

そんな腐り切った状況にメスを入れたのが
ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターという
二人の女性だった。

ジャーナリスト二人の信念

この作品は基本的に実話。
何に勇気をもらうかと言ったら
もちろん被害者の女性たちが
少しずつ声を上げていくこともそうだけれど

ジャーナリスト二人の執念ともいえる精神と行動力だ。
自分自身の身の危険
夫と子供という家族を危険にさらす可能性もある中
巨大権力に立ち向かっていく姿に胸を打たれる。

「こんなこと絶対にあってはいけない!」

そう強く思っても、あの手この手で圧力をかけらると
人間は弱くなるもの。
それでも、二人と彼女達を支えるチームの存在に支えられ
女性達が一人、また一人と闇の中から立ち上がる。

孤独からの脱却

私は、セラピスト/コーチという職業柄
誰かに話すことで、心が整理され、癒されるという人の心理と
ずっと関わってきた。

一人で抱え込む。
黙らないといけない。

こんな孤独な状況ほど、人の心を蝕むことはない。

誰かに「無条件の受容」を土台にして
話を聞いてもらい、認めてもらうだけで
心は軽くなり、風通しが良くなる。

性被害の体験は、話しにくいもの。
それでも、一人でも多くの女性の心が軽くなることを願う。

私にも6歳の娘がいる。
これからどうやって娘を守っていけるのか
やれること全てをやるつもりだ。

私自身、子供時代に始まり、大人になってからも
電車などでの痴漢行為やセクハラを体験している。
おそらく、ほとんどの女性が何かしらの恐怖体験があると思う。

闇に光を。
女性達よ、立ち上がれ!


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