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自己欺瞞/自分の課題から逃げる
コロナ禍の影響で、障がいのある人たちが活動する事業所のプログラムにも見直しが必要になってきました。見直す過程で重要なことは、支援者は柔軟なチャレンジャーであることです。
私は障がいのある人たちが活動する事業所の経営をしています。事業所では、利用者の皆さんが、受注活動や創作活動に取り組んでいます。また、その活動の中で発生した売上が利用者の皆さんの工賃になります。
今日は、利用者の皆さんの仕事が減り、工賃が減ったことに対する対応策を検討する会議での反省を書きます。
広告が減り、情報誌が休刊
受注仕事の一つに、情報誌の折り込みとポスティング作業がありました。情報誌本体とそれにはさみ込むチラシが別々に届きます。それを一つに組み合わせて、一軒一軒、ポスティングをする仕事です。
その仕事が無くなってしまいました。紙媒体の需要が減ったうえにコロナ禍で、お店が広告を出さなくなり、情報誌が廃刊になりました。ポスティングは、この時季、大変きつい仕事です。しかし、確実に収入がある、ありがたい仕事でした。
販売ができない
活動の中には、お菓子を作ったり、アクセサリーを作る活動があります。毎年、夏祭りやバザーに参加して販売をしていました。夏から冬にかけては、月に数回、出店することがありました。それがすべて中止です。
またお菓子は、関係機関の会議のお茶菓子としても使ってもらいました。それも会議での飲食がなくなったため需要がなくなりました。作っても売る場所がありません。作れなくなってしまいました。方向転換が必要です。
支援者の会議で検討、ところがつい…
支援者の会議では、新しいポスティング先を探す、お菓子のレシピを変えて配送ができるようにする、アクセサリーの種類を豊富にしてネットで販売をするなど、いろいろな提案があがりました。
私たち支援者は、利用者がより楽しく、自分の力を発揮できるようなプログラムを探して提案をします。しかし、議論をしている内に、まちがった方向で行き詰ってしまいました。
「○〇さんとか、知らない場所のポスティングはどうかなぁ…」
「それはやったことがないからちょっとねぇ…」
「〇〇さんには無理かなぁ…」
このやり取りでは、支援者が利用者の限界を勝手に決めています。
私たち支援者の仕事は、利用者の社会参加の一端を担い、利用者の可能性を広げることです。利用者が、どうやったらその活動に参加できるか、その工夫をしなければいけません。
それなのに私たちは、行き詰まると利用者のせいにして逃げる癖があります。最近は、意識して気をつけるようにしています。また、アドラー心理学を学び「自己欺瞞」というものに出会ったおかげです。
「自己欺瞞」について向後千春先生の著書、「幸せな劣等感」の一節を引用します。
このように優越/劣等コンプレックスを使って、自分の課題から回避することを、アドラー心理学では「自己欺瞞」と呼びます。自己欺瞞は「人生の嘘」とも呼ばれていて、生きていくための課題を避けることは、見かけが良くないので、自分に対して嘘をつくことで外見を取り繕うのです。
(向後千春 (2017) 幸せな劣等感,p65,小学館新書.)
新しい活動が増えるということは、私たち支援者にとって負担です。どうせなら同じことを続けていた方が楽です。しかし、それを認められないので、いかにも利用者にとって負担だという理由を作って逃げてしまいます。行き詰まると自己欺瞞をしてしまう習慣をなくさなければいけません。
詳しくは…
今、noteを見ていたら、友人も「自己欺瞞」について記事を書いていて驚きました。私が引用した向後先生の著書も紹介してくれています。私は、ちょっと手を抜いて…、向後先生の著書については以下の記事をご覧ください。