
名刺を渡す・アポをとる
昨日、新しい契約がありました。
私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。その中に、相談支援事業所があります。障がいのある人やそのご家族からの相談を受けたり、障がいのある人ご本人が使うサービスの計画等を立てるのが仕事です。そこで新しい利用者と契約することができました。
福祉サービスを提供するにあたり、新しい利用者と契約をするとき、もしくはその利用者が利用する事業所を訪問する際に気をつけていることがあります。それは、企業に勤めている人にとっては当たり前のことです。しかし、障害福祉分野では、見落とされていることです。
契約者はだれ?
障害福祉サービスを利用する際、契約者は障がいのある人ご本人です。言い方を変えれば、お客様です。私たちは、お客様に向かってお話をしなければいけません。最近は、少しづつ改善されてきました。契約時の説明も、ご本人がわかりやすいような書類が作られ、ご本人に向かって話をするようになりました。ただし、ここが改善されたのは、指導書に書いてあるからです。根本は改善されていません。
私たちがだいじな契約をするとき、担当者は名刺を渡してあいさつをします。しかし、福祉サービスにおいて、担当者が名刺を渡してあいさつをするのは、障がいのあるご本人ではなく、付き添いのご家族や後継人です。これは失礼です。まずは、契約をしてくれる本人に名刺を渡してあいさつをするのがマナーです。こういうマナーを学んでいかないと、福祉サービスは時代に取り残されます。
だれのアポをとる?
同じような事例は他にもあります。相談担当者は、障がいのある人が働く事業所やグループホームに出向きます。そのときはアポを取ってから訪問をします。そこで会うのは、先方の支援者ではなく利用者です。ということは、利用者本人の都合を聞かなければいけません。しかし、たいていはその手続きを飛ばして直接支援者に予定を聞きます。
グループホームには、「■日の18時に●●さんの様子をうかがいに行きたいのですが…」と電話がかかってきます。私がその電話を取ると、「ご本人に確認してから折り返します」と、いったん電話を切ります。会う相手の都合を聞くのはあたりまえのことです。しかし、福祉はそれができません。ご本人は、もしかしたらその時間にお風呂に入りたいかもしれません。見たいテレビがあるかもしれません。ときどき支援者は、「いや~大丈夫ですよ」と勝手に判断をします。それは、人権無視です。
利用者主体のサービスを身につけよう
今、福祉サービスは制度が整い、人権に配慮することがあたりまえになりました。しかし、まだまだ支援者主体のサービスが存在します。福祉の専門技術を学ぶことと同様に、社会人としてのマナーを学ぶ必要があります。
少しづつ社会が動き始めました。それに伴っていろいろな営業担当者がやってきます。特にこの時期は、新入社員も帯同してきます。そこから学ぶことがたくさんあります。