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社会情動スキルを身につける⑫/学びを実践に使ってみました(前編)

早稲田大学エクステンションセンターZoom講座「社会情動スキルを身につける(講師:向後千春)」で学んだことを、仕事で応用してみました。

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。この講座で学んだことを自分に活かすと共に、障がいのある人たちへの支援場面でどのように活かせるかを考えています。今日のnoteは、最後のまとめとして、ケース会議で応用したときの報告・前編です。

ケース会議では、講座で学んだ4つの心の資本を意識して、対象となる人の状況を見直しました。講座で学んだ心の資本は、以下の4つです。この4つを高めることで社会情動スキルが向上します。

心の資本
・Hope「達成への意思と経路」
・Efficacy「効力感と自信」
・Resilience「立ち直り乗り越える力」
・Optimism「現実的で柔軟な楽観主義」

最小規模の相談支援事業所

法人の事業所の一つに相談支援事業所というのがあります。事業内容は、日常的にお話をうかがうことと、福祉サービスを利用するための計画を立てることです。私は、理事長業務と兼務して相談支援事業所の管理者をしています。

また、私が勤務する相談支援事業所の規模は最小単位です。私が管理者で、もう一人だけ相談専門職員がいます。しかし、その職員も、法人の役員を兼務しています。他に類を見ない小規模です。

ケース会議に向けて

先日、別法人の日中活動事業所の支援者とケース会議をおこないました。日中活動事業の支援者から、対応に悩んでいるケースがあるという相談があり実施した会議です。

その会議の前日、このケースについて、私と相談専門職員で打ち合わせをしました。偶然、対象となる利用者の課題が態度スキルに関係していたことから、講座で学んだ4つの資本になぞることができました。

21世紀の心理学と21世紀の福祉

日中活動事業所の支援者からの相談は、利用者に約束を守ってもらえない、というものでした。まずご本人やご家族に話を聴きました。そこで見えてきたことは、ご本人の課題ではなく、日中活動事業所のかかわり方でした。また、私たち相談支援事業所は、はじめに取り交わされていた約束の内容にも疑問がありました。しかし、そこを指摘してしまうと、日中活動事業所と連携がとれなくなってしまいます。そこで、そこにはふれずに対象となる利用者の社会情動スキル、自発性を高めるために何ができるか、どんな声かけやかかわり方が有効かということを探ることにしました。

前日におこなった相談専門職員との打ち合わせをしているとき、向後先生のポジティブ心理学に関する説明を思い出しました。

向後先生は、20世紀の心理学は、マイナスの状態にある人を対象にしていた。それに対して21世紀の心理学は、普通に暮らしている人たちを対象にしていると、おっしゃっていました。

福祉も同じです。20世紀の福祉は、課題のある人の支援が一般的でした。しかし、21世紀の福祉は、普通の暮らし幸せにしていくことです。共通しています。課題を解決することだけではなく、対象となる人がより幸せになるためにご本人が持つ、社会情動スキルを向上させる支援が必要だということを感じています。

明日は、今回のケースを具体的に4つの心の資本の視点で説明します。

(つづく)



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