アドラー心理学でスーパービジョン(アドラー心理学を応用したアセスメントとスーパービジョン③)
03月13日にオンラインで行われた第6回アドラーフェストについてnoteを書いています。私は一般発表で「アドラー心理学を応用したアセスメントとスーパービジョン」というタイトルで発表をさせていただきました。
昨日、一昨日と、相談支援の過程にアドラー心理学の技法と思想を応用した事例を書きました。今日は、アドラー心理学を意識したスーパービジョンについてnoteを書きます。
なお、今までの流れは、よろしければ以下のnoteを参照してください。
スーパービジョン
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人経営の課題の一つに人材育成があります。人材育成は、私の法人にかぎらず業界全体の課題です。人材育成について、横浜市では「本市社会福祉専門職のあり方」の中でスーパービジョンの必要性を明示しています。また、福祉専門職向けのスーパービジョン研修が定期的に開催されています。しかし、実際にスーパービジョンを取り入れるのは負担です。
研修で学ぶスーパービジョンを理解し取り入れるためには、法人や事業所に体力や余裕が必要です。しかし、福祉の現場では人材不足が慢性化しており、日常的な直接支援だけで手一杯です。下の図は、厚生労働省が2014年に公表した社会福祉法人基礎データー集の中にある退職手当共済制度に加入している従業員数のグラフに加筆をしたものです。
図の中のグラフでは、社会福祉法人の内、8割が従業員29人以下の小規模法人であることを示しています。小規模法人では、組織的なスーパービジョンを定期的に開催することは困難です。
パセージ
そこで私の法人では「支援のふりかえり」という名目で、一般的なスーパービジョンを簡素化させて一人でできるセルフスーパービジョン、2~3人で実施するグループスーパービジョンを実施しています。そのときにスーパーバイザー的な役割を担ってくれるのがアルフレッド・アドラーです。
アドラー心理学を基本とする子育てにおける親の育成プログラム「パセージ」には「心理面の目標」があります。パセージはアドラー心理学の第一人者、野田俊作先生が作ったプログラムです。心理面の目標は、以下の図のとおりです。
私たちが援助をしたとき、相手が自分には能力がある、人々は仲間だと想えたとき、相手は自分の課題を自分で解決しよう、自立しようと思えるというものです。
支援のふりかえり
私の法人では、毎月一回、心理面の目標に基づいて自分の支援をふりかえる「支援のふりかえり」をしています。また、研修でも心理面の目標に基づくふりかえりのワークをします。
ワークは、事例提供者が自分の支援を心理面の目標に基づいてふりかえります。セルフスーパービジョンです。それを発表し、数人で心理面の目標に基づくふりかえりや別の支援方法を検討します。グループスーパービジョンです。
アドラー心理学を使う
スーパービジョンは有効な人材育成システムです。しかし、学んだだけでそれを実践できなければ価値がありません。アドラー心理学も同じです。講座で学び「スゴイ!」と思ったらそれを使うことでより価値が上がります。
引き続き、アドラー心理学をいろいろな形で実践に取り入れることでアドラー心理学の理解者を増やしたいと考えています。
以上でアドラーフェストのふりかえりを終わります。読んでくださった皆さんありがとうございます。また、アドラーフェストを企画してくださった皆さんありがとうございました。また次回を楽しみにしています。
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