詩人・杉本真維子さんのこと
この記事は石田のFacebookアカウントを主軸とした記事の転載です。
現代詩の読み手が少ない(と思われる)場所(このFacebookアカウント)で現代詩の話をするのはなかなかに難しいような、気が、しないでもなくなくなくない。
詩にふれる機会のない方々に、詩の業界の共通言語がどのくらい通用するのだろう、と考えるとなかなか筆が進まない。
詩の入門書を書いてるわけではないのだから、そんなことを考慮しなくたっていいはずなのだけど。
(そういうこちらからの偏見みたいなものが詩を難しいものにしているのかもしませんね)
せっかく書くのであれば、伝わってほしい。
と、思いながらうだうだ過ごし続け数か月。
今年の課題は今年のうちに。
いろんな前提みたいなことは気にしすぎず、ガンガン書いていくことにする。
あらためて。
9月に刊行した僕の第一詩集『家の顚末』(思潮社)の帯文を書いてくださったのが詩人の杉本真維子さん。
長野市出身の、現役最前線の詩人です。
(ちょうどよくまとまったページが見つけづらく、参考引用がWikipediaでごめんなさい)
その節は本当に、いや現在進行形で感謝しています。
僕も、ひとりの立派な詩人になっていきたいです。
杉本さんはこれまでに4冊の詩集『点火期』『袖口の動物』『裾花』『皆神山』(すべて思潮社)と1冊の随筆集『三日間の石』(響文社)を刊行しています。
今年9月には全詩集を1冊にまとめた『現代詩文庫 杉本真維子詩集』が思潮社から発売されました。
どれもオススメです。
ちなみに『点火期』は現在、入手困難になっています。
僕もオークションで数人のライバルを蹴散らして、どうにかこうにか落札したくらいですから。
発売日が近かったこともあり、拙著『家の顚末』と一緒に『現代詩文庫 杉本真維子詩集』を買ってくれた方も何名かいらっしゃいましたね。
ありがとうございます!
基本情報は手短かに、次に伝えたいこと。
自覚を持って書き始めてからも12年。
長く詩をやってきた僕でしたが、心底どハマりするような詩や詩集にはなかなか出会えずにいました。
(自分自身の読むチカラが育まれていなかったのも一因であると考えます)
そんな自分があるとき手に取って衝撃を受けたのが、杉本真維子さんの第3詩集『裾花』でした。
衝撃も衝撃。
特別にかたい木綿豆腐を無彩色の平皿に塊のまま乗せ、醤油も薬味もつけず、角張った箸で黙々と切り崩して食すような詩集でした。
たまらない不穏さ、不気味さ。
あり得ない状況でのあるある。
突っぱねられて、包まれて。
その気持ち良さ。
気持ち悪さの気持ち良さ。
「こんな詩を読みたかったんだ!」そして「こんな詩を書いていきたい!」と本気で思ったものです。
(細かく言えばこれも現在進行形で思っていることです、書いて書いて、越えてみたいぞ!)
杉本さんの詩/詩集は『裾花』から入り、第2詩集『袖口の動物』→第1詩集『点火期』→第4詩集『皆神山』の順に読んできました。
次の投稿からは、杉本真維子さんの第1詩集から順に紹介していきたいと思います。
意識を(自分の、読み手のあなたのも)向けるために、前置きをじりじりとやる。
想いと書きたいことが散らばっていて、もはやしゃべった方が手っ取り早そう。
インタビューライターさんにお願いして文章にまとめていただきたいよ!
(続く)