今西 遼平(Ryohei Imanishi)

作家、ルポライターの今西 遼平(いまにしりょうへい)です。 元警視庁捜査一課の巡査部長「今西栄太郎」の次男として、映画「砂の器」でよく知られた「国鉄蒲田操車場殺人事件」の犯人「和賀英良」のその後を追っています。

今西 遼平(Ryohei Imanishi)

作家、ルポライターの今西 遼平(いまにしりょうへい)です。 元警視庁捜査一課の巡査部長「今西栄太郎」の次男として、映画「砂の器」でよく知られた「国鉄蒲田操車場殺人事件」の犯人「和賀英良」のその後を追っています。

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    ちょっと気になっています(^^)/

  • 「和賀英良」獄中からの手紙

    2024年は映画「砂の器」公開からちょうど50年の節目。 ようやくその事件の全貌がここに明らかになります。 有罪判決を受け収監された犯人「和賀英良」は獄中で死亡。 当時捜査に当たった今西刑事も昨年ガンでこの世を去った。 若手だった吉村刑事は警察を退職。後に事件で知り合った 「田所佐知子」と結婚、政界に進出して華々しく活躍、そして引退。 ところが、和賀英良が獄中より今西刑事送った手紙が、 昨年末に今西宅の屋根裏から発見された。 その手紙を読んだ今西の息子でルポライターの「今西遼平」が 「蒲田操車場殺人事件」の再調査を開始する。 そして次々と新事実を知ることとなる。

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  • 固定された記事

映画 「砂の器」のその後はどうなった? 後日譚として、続編を書く。

「和賀英良」獄中からの手紙 ※連載が完了いたしました。 2024年、それは映画「砂の器」公開から50年の節目。 ようやくその事件の全貌がここに明らかになる。 有罪判決を受け収監された犯人「和賀英良」は獄中で死亡。 当時捜査に当たった今西刑事も昨年ガンでこの世を去った。 若手だった吉村刑事は警察を退職。後に事件で知り合った「田所佐知子」と結婚、政界に進出して華々しく活躍、そして引退。 ところが、和賀英良が獄中より今西刑事に送った手紙が、昨年末に今西宅の屋根裏から発見され

    • 🌸10,000ビュー達成

      昨日、投稿8か月目で10,000ページビューを頂きました。 連載していた「和賀英良 獄中からの手紙」を応援していただき、誠にありがとうございますm(__)m 現在「砂の器」は映画公開50周年を記念して、youtubeで無料公開となっています。これを機会に映画のほうをご鑑賞いただき、それから後日譚「和賀英良  獄中からの手紙」を読んでいただければ幸いです。 また改めて英文に翻訳して連載をリスタートいたしました。 英語だとちょっと違う雰囲気になりますが、ぜひご高覧いただければ

      • 『砂の器』がYouTube無料公開スタート

        ――劇場公開50周年記念―― <2024.11.1~11/14 2週間限定無料公開!> 映画『砂の器』(1974年) 迷宮入り必至と言われた難解な殺人事件の果てに待ち受ける、衝撃と戦慄の真実――― 橋本忍と山田洋次による脚本、そして『ゼロの焦点』『影の車』、のちに『鬼畜』『疑惑』『わるいやつら』など数々の松本清張小説を映画化する名匠・野村芳太郎監督渾身の演出により、親子の愛と絆、逃れられない人間の業と宿命を、日本各地で長期ロケを敢行した美しい四季折々の風景、芥川也寸志

        • Letters from prisoner“Eiryo Waga”#3 Facts that touch the very heart of the matter.

          A Letter from Eiryo Waga Dear Mr. Eitaro Imanishi It has been a while since I last saw you. I hope you are doing well. Let me tell you a little about the prison. In the prison, there is a classification of prisoners called “category.” Whe

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        • 「和賀英良」獄中からの手紙
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          Letters from prisoner“Eiryo Waga”#2 What Eitaro Imanishi Left Behind

          Dear Hiroshi Yoshimura Please accept my sincere apologies for the suddenness of this letter. My name is Ryohei Imanishi, the second son of Eitaro Imanishi, who was formerly with the Investigation Department of the Tokyo Metropolitan Police

          Letters from prisoner“Eiryo Waga”#2 What Eitaro Imanishi Left Behind

          Letters from prisoner“Eiryo Waga”#1 Detective Yoshimura's recollections

          ////////////////////////////////////////////////  Synopsis The year 2024 marks exactly 50 years since the release of the movie “Sunano Utsuwa”.Finally, the full story of the murder case is revealed here. The murderer “Eiryo Waga,” who was

          Letters from prisoner“Eiryo Waga”#1 Detective Yoshimura's recollections

          What happened after the movie “Sunano Utsuwa”= Vessels of Sand? As a postquel, I will write a sequel.

          ■ Letters from prisoner “Eiryo Waga” Written by Ryohei Imanishi In 2024, it is the 50th anniversary of the release of the movie “Sunano Utsuwa”(Vessels of Sand) At last, the whole story of the case will be revealed here. The convicted cr

          What happened after the movie “Sunano Utsuwa”= Vessels of Sand? As a postquel, I will write a sequel.

          幼稚園に来た「鳥寄せのオジさん」  奇人・珍人覚書-その1

          「今日は鳥寄せのオジさんが来ます!」 朝のあいさつのあと、両端が吊り上がった赤いメガネの 年配の女の先生が、大きな声で園児たちに言いました。 突然キッパリと、そして決意を表明するような厳しい顔で。 「とりよせのおじさん?」 M幼稚園のバラ組の園児たちは何の事かさっぱりわかりません。 なんだかんだでお昼ごはんを済ませてから、外の園庭の大きな樫の木の下に全員が集合すると、その男は裏門からフラフラとやってきました。粗末な身なりで髪は肩まで届き、まるで日々の暮らしに困窮した浮浪

          幼稚園に来た「鳥寄せのオジさん」  奇人・珍人覚書-その1

          「和賀英良」獄中からの手紙(19)  創造と破壊

          ―コントラプンクトとはなにか― 烏丸先生にはあまり基本的な作曲技法は教わったことがなく、もちろんピアノもろくに弾けません。内弟子になってからも、どうやって音楽の勉強しようかと常に思っておりました。 先生曰く「とにかくベートーベンはエモーションとリズムの基本だよ、ケルト音楽の影響が凄くあるね、交響曲の七番なんかはリズムというよりもケルティックダンスビートだね」とか 「ポップスとか今流行りのロック音楽はけっこうバロック音楽に通じるものがあるので、バッハとフーガ、それとコントラプ

          「和賀英良」獄中からの手紙(19)  創造と破壊

          「和賀英良」獄中からの手紙(18)  芸術家への階段

          ―東京藝術大学の思い出― 世の中で特に関東で「藝大」といえば上野にある国立の東京藝術大学のことになります。私は東京に出てきて烏丸先生にお世話になり始めたころから、この上野の藝大に出入りするようになりました。 芸術系大学では最難関であることは間違いないでしょう。音楽と美術の学部と各専攻があって、特に美術学部は倍率も高く、毎年油絵のほうは競争率が二十倍以上にもなります 世の中で大学入試の倍率ほど当てにならないものはありません。たとえばこの美術学部油絵専攻の合格者が二十名、応

          「和賀英良」獄中からの手紙(18)  芸術家への階段

          「和賀英良」獄中からの手紙(49)   和賀英良、最後の手紙 【最終回】

          ―和賀英良、最後の手紙― 今西 栄太郎様 桜の咲く季節となりました。 引き続きご健勝のことと拝察いたします。 昨年の夏以来、体調が思わしくなく大変ご無沙汰しておりました。今年に入りまして施設の医療所のほうにて検査を受けたところ、あまり好ましくない病があるようで少し塞いでおります。 まだはっきりしたことはわかりませんが、これは「父と子の業」であるのかもしれませんし、この事実は己の力ではどうしようもございません。 さて、今までお返事はいただけておりませんが、ご一瞥いただ

          「和賀英良」獄中からの手紙(49)   和賀英良、最後の手紙 【最終回】

          「和賀英良」獄中からの手紙(48)  今西の書いた手紙 

          ―今西の書いた手紙―(和賀には未発送、下書きかと思われる) 和賀英良殿 裁判も終わり刑が確定、判決がでた時点で簡単には再審はできないのです。もしあなたがいう「協力者」という第三者がいたとしても。 その協力者があなたの知っている人なのか、そうでないかなど、あなたの説明が必要なのですが、協力者がいるという説明だけでは、なんともしようがありません。 再審請求は、事実認定の誤りを理由に、確定した裁判をやり直す手続きです。つまり確定判決に重大な事実誤認があることが発見され、これ

          「和賀英良」獄中からの手紙(48)  今西の書いた手紙 

          「和賀英良」獄中からの手紙(47)  刑務所での会話  

          ―刑務所での会話―   刑務所では午後五時の夕食以降は自由時間となる。 夜九時の就寝時間までは布団に寝転がって本を読んだり、手紙を書くなど好きに過ごせる。希望をすれば囲碁、将棋などもできるが、他人の盤面を覗いたり。対局に口を出すことはできない。ケンカになることがあるからだ。 基本的に作業時間や移動、入浴中は私語(交談という)は禁止である。「運動」と呼ばれる休憩時間や昼休みは作業工場でも自由に私語ができる。 和賀はその運動中によく話をする男がいた。50歳を過ぎたくらいの頬

          「和賀英良」獄中からの手紙(47)  刑務所での会話  

          「和賀英良」獄中からの手紙(46)  宿命への入り口 

          ―宿命への入り口― 約束した時間に田所邸に着いた吉村は、すぐに応接室に通された。 田所はソファーに座りながら愛想よく吉村に手招きをした。 「どうも、よく来てくれたね、まあこっちに座って」 吉村は田所の正面に立ち、すぐに先日の銀座のギャラリーでの非礼を詫びながら、改めて名刺を差し出した。 「キミ、なにか飲むかね」 「いや、結構です」 「では水でも持ってこさせよう」 「いや、結構です」 応接室には二人以外に家政婦がドア前に立っていたが、その会話を聞いて下がった。 田所

          「和賀英良」獄中からの手紙(46)  宿命への入り口 

          「和賀英良」獄中からの手紙(45)  ロサンゼルスの奇跡

          ―ロサンゼルスの奇跡― 夏も終わろうとしていた日曜日の午後、吉村は高校の同窓会に出席するため目黒駅から坂を下った和風宴会場で有名なホテルに向かっていた。 吉村の通っていた高校は目黒と蒲田の間にある武蔵小山駅のすぐ目の前にあった。高校のうたい文句は「日本で駅から一番近い高校」であり、駅から十分でなく「駅から十歩」駅改札口を挟んですぐに校門がある。そんな東京の伝統ある都立高校は、都内でも有数の進学校であった。 久しぶりに会う友人たちは様々な大学へ進学し、その後の職種も違って

          「和賀英良」獄中からの手紙(45)  ロサンゼルスの奇跡

          「和賀英良」獄中からの手紙(44)  ユタの予言  

          ―泡盛古酒とユタの予言― 銀座のギャラリーで田所重喜と出会った数日後、吉村は田所の秘書にアポイントを取り、等々力にある私邸に向かった。 しかし、その日に田所邸で起こったことは、自分にとってまったく予期していないことであり、理性的な判断を信条としている吉村にとってはとうてい理解できないことだった。 --------------------------------------------------------- 吉村は帰路の途中で蒲田の駅前にあるなじみの居酒屋に寄り、小

          「和賀英良」獄中からの手紙(44)  ユタの予言