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知の体力

今回は、永田和宏『知の体力』(新潮新書 2018)を独断と偏見でまとめます。

知の体力を身に付けるべし

社会で活躍するために必要な事は何か?学生が身に付けるスキルは何か?
この問いに対して明瞭に答えるのが、『知の体力』の著者であり、京都大学名誉教授、細胞生物学者の永田和宏氏です。

氏が指摘する、学生のうちに身に付けておくべきすきスキルこそ「知の体力」です。

知の体力とは、これから何が起きるか分からない想定外の問題について自分なりに考え、対処するための体力のことです。

運動するときにも、基礎体力が必要であるのと同様に、
何か分からないことや、想定外の問題が起きた際にも、自分なりに物事を理解し、自分自身の考えを持つためには、体力が必要です。
その体力こそが「知の体力」なのです。

小学校から高校までは、誰もが一貫として答えがあることを前提に授業を受けます。しかし、社会に出れば、正解は必ずしも一つではありません。

だからこそ、社会人になるまでの最後の教育機関に所属する大学生は、
様々な問題について、人の話や情報をすべて鵜呑みにするのではなく、
いったん自分のフィルターにかけて解釈する、自分の考えをしっかり持つ、そういった訓練をしなければいけません。

さらに、大学は、社会に出るまでの最後の教育機関であり、その大学を出た人は、間違いなく高等教育を受けている人です。

そんな人が、社会で起きている問題や、日本で起きている問題に対して、自分自身の考えを持っていないとしたら、いったいこの国において誰がそれを考えるのでしょうか。

「知の体力」を身に付けるためには、
第一に、質問をする、能動的に人の話を聞くことが必要です。
先生が言っていることに対して、「自分ならどう考えるか」この視点を持って聞いていくことが大切です。
これは、テレビやニュース、専門家が言っていることに対しても同様です。

第二に、読書をすることです。
読書をする意味は、「何も知らない自分」を知ることです。
すなわち、偉人と自分を相対化する事ができ、客観的に自分を見つめなおすことができます。

第三に、知を活用することです。
近年は、インターネットに容易にアクセスすることができ、「知」を得る事は比較的簡易になりました。
それに伴い「知」への尊敬の念が湧いてこなくなりました。
それだけでなく、「知」を活用できない、自分の言葉で表現できない人が多くなってきています。
だからこそしっかりと「知」をアウトプットすることが大切になります。

まとめ

今回は、永田和宏『知の体力』(新潮新書 2018)を独断と偏見でまとめます。

読書をすると、世の中、すごい人が本当にたくさんいるなと感じます。
また、自分がいかにちっぽけな存在なのかを思い知らされます。

ちっぽけな存在だからこそ、一生懸命勉強しなければ!というモチベーションにもつながるのですが、世の中まだまだ知らない事が多いなと思う、この頃の私です。

それはさておき、今回、紹介しきれなかった内容がまだまだありますので、
ぜひ永田和宏『知の体力』読んでみてください。

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