売れるキャラクターの作り方③~キャラの中身の公式は「売れる=好きになる」~
FANBOX¬e、毎日更新200日達成の企画。
「売れるキャラクターの作り方」後編をやっていきます。
ここまで見た目について考えてきたので、
最後は「中身」へと視点を移していくよ!
前半は恒石涼平がお仕事で、
「キャラクターの中身をどう作っているのか」を徹底解説。
後半は「売れるキャラクターの中身」について、考えを深めていきます。
どうか最後まで楽しんでいってね!
文量多いけどな!
いきなり何の話だという方は、前半の記事からどうぞ↓
そいじゃ、やっていきましょ。
キャラクターの中身の作り方。
まず「キャラクターの中身」とは何なのか、認識を定めます。
ズバリ、簡単に言うと……
「キャラクターの性格や特徴」のこと。
前回はそれらを見た目で理解してもらうことを、
キャラクターデザインと呼ぶと説明しました。
中身とは性格や特徴そのものであり、
それらを行動で示すために作る設定のことを言います。
何だかややこしいね。
でも、とりあえずあやふやでもいいから先に進んでいこう。
実践してたらきっと理解できるから!
さて次に考えるのは、
キャラクターの中身をどうやって作るのか。
売れる売れないの前に、
まずは作り方から考えていきましょう。
なぜそこから考えていくのかと言うと……
自分が何を考えて作っているのか。
売れるキャラクターを作るには、それを把握することが重要なので。
今回は、自己流の作り方を紹介します。
私の場合は以下の5段階に分けて考えています。
①軸となる属性と役割の決定
②ギャップとなる属性の決定
③大まかなプロフィールの作成
④言葉遣いと台詞の作成
⑤細かい設定詰め
それぞれ順番に解説していきます。参考にどうぞ。
①軸となる属性と役割の決定。
何事にも軸は必要です。
企画も物語もキャラクターも、
軸がないとグラグラ揺れて倒れちゃう。
私はこの軸として、
「キャラクターのテーマ」を設定しています。
つまりはこのキャラクターを通して何を伝えるか。
それを短く1文でまとめるのです。
その中でも2つに分けて、
・属性
・役割
で考えていきます。
属性は、ジャンルみたいなもの。
アイドルマスターの御三家である、
「クール」「パッション」「キュート」だったり。
ツンデレや毒舌、お姉さんや妹系など。
こういった属性の中で、
一番伝えたいものを選びます。
企画からシナリオまで携わった「アマアネ」という作品では、
メインヒロインが義姉でした。
ですが実際の軸は義姉ではなく、
「ことあるごとに甘やかしてくるお姉さん」
というもの。
実際にシナリオを作った際も、
その軸をぶらさないよう、ひたすらに甘やかす形を貫きました。
そうやって作品内で突き通し、
ユーザーに一番伝えるものが属性の軸になります。
次に役割は、物語や作品の中で何をするのか。
それを決めるのですが……無数の中から選び取るのは大変です。
物語が定まっていなかったら更に難しい。
そんな時によく使っているのはアーキタイプ(元型)という、
7種の役割です。
・英雄
主人公。物語を通して成長していく存在。
・賢者
主人公を導き、守護し、贈り物を与えて正しい方向へと導く存在。
・門番
物語の中で障害となる存在。
倒すか、避けるか、仲間にするなどして解決する。
・使者
主人公へと物語に対する動機を与える存在。
重要な知らせや、変化の予兆などを伝えたりする。
・変化する者
掴み所のないピエロのような存在。
発言が嘘か真か分からない発言で、物語をかき乱したりする。
また、主人公にとって異性となる場合が多い。
・影
主人公に対する悪役、敵。
門番よりも遥かに強く、命をも脅かすような存在。
・いたずら者
物語の調整役で、緊張を適度に緩和させる存在。
失敗で物語を止めたり、調子にのった主人公を諌めたりもする。
これらが物語の中で必須とも言える役割になります。
先ほどの例で出したアマアネでは、
メインヒロインが「賢者」であり「使者」、「いたずら者」。
サブヒロインが「使者」と「変化する者」、「いたずら者」。
という感じで役割付けました。
(なお、登場人物が少ないので多くの役割を持たせてます》
しかし登場人物が多い場合は、
上記の7つから1つ選び、そこに少し付け足す感じがいいかと。
役割をただ「賢者」にするだけでなく、
「騎士として自分の命よりも主人公を優先する賢者」といった感じに。
この軸だけは絶対にズラさない、という役割を付けてあげましょう。
②ギャップとなる属性の決定
軸となる属性と役割を決めたら、
それに対して「ギャップ属性」を決めます。
ギャップとは、
普段の姿や性格からは想像できない「相違した部分」のこと。
まあ、軸に対して真逆の属性を決定する訳です。
例えば軸が「物静かクール」だったら、
ギャップは「天真爛漫な内弁慶」を付けたりする。
これを決めるにあたって重要なのは、ギャップを1つだけにすること。
増えれば増えるほどに軸がブレます。
結果的にキャラクターがあやふやになって、
ギャップが軸に成り代わってしまう可能性があります。
なので特別なことがない限り、ギャップは1つにしましょう。
③大まかなプロフィールの作成
ここまで来たら、キャラクターの中身を少し詳細にしていきましょう。
私はいつも履歴書を書くようなイメージで、
キャラクターのプロフィールを簡単に書いていきます。
項目は好きなように考えればいいと思いますが、
自分が使っているのはこんな感じ。
・名前
・性別
・生年月日
・家族構成
・信念(座右の銘など)
・好きなこと/嫌いなこと
・得意なこと/不得意なこと
・大まかな来歴
これらを本当に大まかに書いていく。
間違っても詳しくしないように意識しながらね。
来歴とかはとりあえず軸になるものだけ作って、
2〜4行でまとめるくらいでOKです。
そうしてプロフィールをまとめたら、次のステップへ行きましょう。
④言葉遣いと台詞の作成
キャラクターの良さの半分は、台詞から来ます。
なのでキャラクターの中身として「言葉遣い」は重要なポイントです。
この時点で「言葉遣いのルール」と、
「サンプル台詞」を数点作っておきましょう。
言葉遣いのルールとは、先ほど決めた軸と似たようなものです。
「このキャラクターはこんな言葉遣い」と簡単なルールを決めておくと、
キャラのブレが起きなくなり、他キャラとの差別化が明確にできる。
基本的に考えておくべきルールは2つ。
・通常時の喋り方
・喜怒哀楽の4感情を込めた喋り方
これらを考えておけば問題なし。
ただキャラによってはテンション上がると早口になる、
とか特殊条件もあるので注意かな。
そして2つのルールを決めたら、実際にサンプル台詞を作ってみよう。
例えば、おどおど系後輩キャラの場合。
・通常時
「先輩……えっと、その、よ、呼んでみた、だけ……です」
・喜び
「み、見てください……! これ、すごく可愛い、ですよね……っ」
・怒り
「先輩なんて、知らないです……つーん」
・哀しみ
「なんで、どうして……私のこと、き、嫌い、なんです……か?」
・楽しみ
「え、えへへ……一緒にお出かけ……笑っちゃうの、止まらない、です」
こんな感じでサンプル台詞を作っておく。
実際に書く時もこのサンプルを元にすることで、
設定を作った際に書きたかったイメージを再現することも簡単になります。
⑤細かい設定詰め
ここまで来たらもう後は好きにしてくれ!
というくらいの勢いで、
抽象的だった部分や理由付けのない部分などに肉付けをしていきます。
例えば、3で決めた「好きなこと」に対する理由付けとか。
「昔、○○があって〜なのでこのキャラクターはそれが好きになった」
という形で設定を詰めていきます。
ただ前回の記事でも言った通り、
「具体的に書く」=「長く書く」ではないので注意!
なるべく簡潔に、無駄な情報がないようにまとめることが重要です。
更にコツを教えるなら、
時期ごとにキャラクターごとの簡単な物語を作ることかな?
幼少期→児童期→思春期→青年期→社会人……
と区切りつつ、それぞれ2〜4行で主な出来事を作っていく。
そうするとキャラクターを書く時に、
「こいつなら絶対こうするよな」って考えが勝手に浮かぶようになります。
その状態でシナリオを書いていくと、
キャラクターが生きているような感覚になる……かもしれない。
人それぞれだね、そこは。
"売れる"キャラクターの中身とは?
さてさて、ここまでキャラクターの中身の作り方を解説してみました。
ようやく今回の企画ラスト。
本題である「売れるキャラクター」の中身についてまとめます。
前編、中編と同じく具体的な数値で考えていかねばなりませんが……
昨日のキャラクターデザイン同様、有象無象です。
毎日何十、何百と生まれいでております。
昔は超絶人気があった暴力系ツンデレは現状人気が出ないのかもしれない。
同じような感じで「自分勝手」なキャラが忌避されてるかなとも思う。
……でも、明確な数値じゃないから断定はできない。
あくまでも目算でしかなく、
更に自分の見えている範囲のことでしかない。
だから中身に対しての明確なトレンドというものはないかな。
ただ中身関しては言えることがある。
ユーザーが中身を知るのは、
既にそのキャラクターに興味を持ってもらった後の段階だ。
つまりは……
「見た目」で興味を持ってもらい、
「中身」でキャラクター性を理解してもらう。
それがキャラクターやあらゆる作品の本質ではないかと思う。
だからと言って、見た目が良ければ中身はどうでもいい訳じゃない。
何故なら、
「中身はキャラクターを好きに、ファンになってもらう為にある」からだ。
だって興味を持った後に考えるのは、
キャラクターが自分に合うか、想像通りかそれ以上か、好きか嫌いか。
といったものだから。
見た目も中身も等しく重要。
ユーザーの見る順序が違うだけだね。
つまり、キャラクターの中身として売れる要素は……
「ユーザーに好かれること」に集約される。
じゃあ好かれるキャラクターを作るにはどうすればいいのか。
数値化したものは特に用意できないが、ここでSNSが非常に使える。
どうすればいいのかは簡単。
①ある程度人気のあるであろうキャラクターの名前をTwitterなどで調べる。
↓
②様々な意見を集計して、どこが好かれているのかをまとめる。
↓
③結果からユーザーに好かれる要素を使用してキャラクターを作る。
これだけ。
無論、裏付けに乏しい部分はあるけれど……
少なくとも実例があり、評価されているのであれば小さな根拠にはなる。
ただ問題があるとすれば、
そのユーザーたちがターゲット客層に入っているのか否か。
もしかしたらターゲット層からすると全く違う意見になるかもしれない。
その点を踏まえて、
できる限り近いユーザーたちの意見を参考にしてみよう。
まあ、簡単にはいかないけどね。
あとは分析あるのみだ、頑張ってくれい!
という所で、今回の毎日更新200日達成企画は終了。
文量多くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
まだまだ未熟な考え方ではあるものの、あなたの参考になれば幸いです。
これからもっと思考を深めて、
より説得力と実用性のある考え方を沢山記事にしていきます。
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次は300日達成まで毎日頑張るぞ!
では、また次回お会いしましょう。
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