物語の基礎は、レポートと同じだ!【PREPを使いこなそう】
どうも、シナリオライターの恒石涼平です。
名字の読みは「つねいし」、読みづらいね。
さて、今日は小説やシナリオを書く人に向けた、
「物語の考え方」シリーズの第100回目。
テーマは「物語の基礎は、レポートと同じ」
今日も楽しく学んでいきましょう。
《物語の構造は、大体コレ》
「物語とは何か」
いきなりだけど、あなたは物語というものを、
一言で表すことが出来るだろうか?
試しに私がパパッと考えてみると……
「人物と世界観によるお話」という娯楽
という感じにまとめるかな。
人がいて、世界があって、そこに何らかの話が生まれる。
これを娯楽として楽しむものが私にとっての物語です。
正解はない問いだから、
あなたなりの物語を言語化できればそれでいい。
それじゃあ次に、
「物語の構造はどうなっているか」に焦点を当ててみよう。
この世には沢山の作品があり、
その多くは物語が付属している。
まずは好きな作品をいくつか思い浮かべてみよう。
その物語がどう始まり、何があって、どう終わるのか。
詳細にではなく抽象的に考えてみてほしい。
主人公が出てきて、ヒロインが現れて。
世界観が見えて、ピンチがやってきて、それを乗り越えて……
そんな適当な感じでいいから、
自分の好きな作品の構造を把握してみよう。
すると、トリッキーなものでなければ、
恐らく下の構造と類似するはずだ。
①導入
・作品テーマの提示
・人物、世界観の説明
②展開
・問題の発生
・成長、関係の変化
③収束
・問題の解決
・物語の締め
いわゆる「三幕構成」と呼ばれるもの。
この世にある作品の8割はこれで説明できる。
楽しませる物語の基本形と言えるでしょう。
しかし私はシナリオライターを志してから、
「三幕構成って本当にいいのか?」
という疑惑をずっと感じていました。
昔の考えが今もいいなんて、
何かしっくりこなかったんだ。
《物語の基礎は、レポートと同じ》
物語には三幕構成以外にも色々とある。
「起承転結」や「序破急」、
三幕構成の派生だが「13フェーズ」なんてものもある。
しかしどれも専門的なものであり使い方がよく分からない。
……という状況に私も陥っていました。
そんな時に気がついたのが、
それらは結局、「レポートの構造」と同じであること。
レポート……というか、
人に物事を伝える基本の1つとして存在する、
「PREP」という言葉がある。
Point, Reason, Example, Point
という4要素の流れのことを指す。
分かりやすく日本語で言い換えると……
「要点」を出し、「理由」を述べ、
「実例」を見せ、「要点」をまとめる。
これがPREPというフレームワークです。
レポートでもそうだよね。
まずは「結論」という要点を出し、
そう考えた「理由」を並べて、
理由の信頼性を作るために「実例」を見せてから、
最後にもう一度「結論」という要点で締める。
これって、物語でも同じなんだ。
物語の構造においてもPREPは活用出来る。
何故なら、
三幕構成においても起承転結においても、
実際の物語は同じような流れで進むからだ。
起承転結であれば……
どういう物語か(テーマ)を知らせる「起」
テーマへと話が進んでいく「承」
テーマをしっかりと知らしめる、理解させる「転」
最後にテーマで締める「結」
先ほど挙げた三幕構成なら……
①導入
・作品テーマの提示 =「結論」
・人物、世界観の説明 =「テーマが伝えられる理由」
②展開
・問題の発生 =「テーマに対する実例」
・成長、関係の変化 =「テーマに対する実例」
③収束
・問題の解決 =「テーマに対する実例」
・物語の締め =「テーマという結論」
活用の仕方というか、
視点の捉え方が違うだけではあるが……
物語の構造と、
レポートといった物事を伝える基本構造は、
どちらも応用が利く。
論理的思考が好きな人は、
物語の作り方をこのように考えると分かりやすいはず。
《今日のまとめ》
更に考えを深めていけば、
他のレポートの書き方を物語に応用することも可能だ。
口頭で伝えるテクニックや、
心理学や社会学だって……あらゆるものは役に立つ。
目的さえ整っていれば勉学も楽しいぞ!
私も今後、
あらゆる分野からの応用を考えていきたい所存。
人生という創作を、より楽しむのだ!