都了中 Ryochu Miyako

一中節 都派 家元 / 幼少の頃より、日本の伝統音楽である一中節を父 十二世、及び十一世都一中に師事。現在 演奏会・舞踊会に於いて浄瑠璃方を務めると共に一中節の指導を行う。

都了中 Ryochu Miyako

一中節 都派 家元 / 幼少の頃より、日本の伝統音楽である一中節を父 十二世、及び十一世都一中に師事。現在 演奏会・舞踊会に於いて浄瑠璃方を務めると共に一中節の指導を行う。

最近の記事

暮れて花咲く鐘の声

一中節 吉原八景(よしわらはっけい)より一場面をご紹介しています。 近江八景の景色になぞらえ吉原の賑わいを描いた曲です。 詞 里に移して三井寺や 暮れて花咲く鐘の声 里(吉原)に聴こえる鐘の音を、近江八景の一つ三井の晩鐘に投影している場面です。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd 画像 歌川広重 近江八景より「三井の晩鐘」

    • 泰平を寿ぐ舟唄

      一中節 都若衆万歳(みやこわかしゅまんざい) より舟唄の場面をご紹介しています。 詞 やらん やらん おめでたい代の ホン 帆かけ船 四海波風 静かにならす 枝も栄えて ノンエイ 木の葉もしげりあいたる 小松原 一中節 都若衆万歳 初世 都一中 作曲 若衆歌舞伎の少年役者が颯爽と舞い 祝いの曲を演じます。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd

      • 心中の前の髪結

        一中節 小春髪結之段(こはるかみゆいのだん)の一場面をご紹介しています。 詞 サアお綱さん髪結てくださんせ と いえばお綱はさしよって 小春が澄まぬ顔つきを見てとる綱も粋の果て 小春は心中の前に身を整えるため髪結のお綱の元へ行きます。 近松門左衛門 作 初世 都一中 作曲 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd

        • 月から宇治へ

          一中節 辰巳の四季(たつみのしき)の冒頭の場面です。 詞 春霞たなびきにけり久方の月の桂の花や咲く 実に花かづら色めく花の 都より辰巳にあたる宇治の里 始め平安時代の歌人、紀貫之の和歌「春霞 たなびきにけり久方の月の桂の花や咲くらん」をそのまま引用しています。 この曲には京都の辰巳(東南)の方角、宇治の里の美しい自然や人々の穏やかな日常が描かれています。 初世都一中作曲。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd 関連音声 一中節 辰巳の四季の他の場面 水面に映る光の揺らぎ https://note.com/ryochu/n/n8c6698a3b245 松風の音 https://note.com/ryochu/n/nf1a97f250eb6 春風にのる桜 https://note.com/ryochu/n/nd15eea95f37e

          春の日の静寂

          一中節 家桜傾城姿(いえざくらけいせいすがた)の一場面です。 解説と演奏でご紹介しています。 春の夕暮れ時、入相の鐘がなる頃 家の桜の元に亡き恋人が現れ、二人の思い出話を語り始めます。 詞 こころせきじの明け烏 かわいかわいと嘘には言わぬ ほんの心は誓詞のちしお 消えみ消えずみ 見え見えずみ すみ果てし 枝に残るは春風の音 しんしんたるばかり也 南無三宝 南無三宝 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd

          春の日の静寂

          春風にのる桜

          春風にのる桜の様子を音楽的に表現している場面です。 詞 庭の庭の桜がちんりちらちら春風に 一中節 辰巳の四季(たつみのしき)の一場面です。 この曲は京都の辰巳の方角(東南の方角)、宇治の里の美しい景色や人々の穏やかな日常が描かれています。初世都一中作曲。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd 関連音声 水面に映る光の揺らぎ https://note.com/ryochu/n/n8c6698a3b245

          春風にのる桜

          松のように

          いつでも変わらずに緑の色を湛える松に 人は憧れを抱きました。 松の厳かさと、春の訪れへの喜びを音楽的に表現しています。 詞 松根によれば緑深し 萬花ひらけて御代の春 一中節 松襲(まつがさね)の一場面です。 常に緑の色を絶やすことのない松をめでる御祝儀曲です。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd

          水面に映る光の揺らぎ

          浅瀬の水面に映る樹々や空の揺らめく様子が語られている場面です。 自然の景色の陰影や、光の揺らめきを音楽的に表現しています。 詞 : 山吹の瀬にかげうつる  その水鏡 しなかたち 彩るすがた美しき 一中節 辰巳の四季(たつみのしき)の一場面です。 この曲は京都の辰巳の方角(東南の方角)、宇治の里の美しい景色や人々の穏やかな日常が描かれています。初世都一中作曲。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd

          水面に映る光の揺らぎ

          水面に映る光の揺らぎ

          松風の音

          一中節 辰巳の四季(たつみのしき)の一場面です。 この曲は京都の辰巳の方角(東南の方角)、宇治の里の美しい景色や人々の穏やかな日常が描かれています。初世都一中作曲。 詞 :山の姿もにこやかに 笑いおふたる相生の松風の音ざざんざの 現代語意訳:山の姿もにこやかに微笑んでいるようです。笑い合っている夫婦のような相生の松に風がざざんざと吹き渡っています。 一中節とは https://note.com/ryochu/n/n236b9b5914bd

          一中節の始まり-初世都太夫一中

          「稽古本がない家はない」 江戸時代、享保19年(1734年)に初演された一中節(いっちゅうぶし)「夕霞浅間嶽」(ゆうがすみあさまがだけ)は人々に愛され、大流行し当時江戸中の人々が稽古をしていました。「夕霞浅間嶽の稽古本がない家はない」と言われるほど一世を風靡します。 スマートフォンで音楽を持ち歩き、サブスクリプション(定額制)の聴き放題など現代では音楽の楽しみ方は多様ですが、当時の人々は劇場やお座敷で生の演奏を聴くほかには、自ら稽古をして音楽を身体の中に取り入れ、体現する

          一中節の始まり-初世都太夫一中

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          こんにちは。都了中と申します。一中節(いっちゅうぶし)という日本の伝統芸能をしております。 一中節は江戸時代に始まった三味線音楽の一つです。僕は浄瑠璃方(じょうるりかた)といいまして、三味線と共に物語を語る(歌う)役割をしております。 現代では一中節はあまり知られていない音楽ですが、江戸時代のある時期には一中節の稽古本が無い家はないと言われたほど江戸中の人々が稽古をして一中節を楽しんでいました。 noteでは一中節の魅力や、稽古や舞台においての経験、日々感じることなどを

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