反発しようとして指示しづらい人に知らぬ顔で対応する竹中半兵衛の逸話
こんにちは、両兵衛です。
あなたがリーダーからメンバーへの指示を任されているとします。自分より年上やベテランなど頼みづらいメンバーがいることもあるかと思います。そんなときどうするかというのが今回の逸話で扱うテーマです。
今回は私の名前の由来記事で登場した竹中半兵衛です。逸話の中で秀吉の軍師として活躍する半兵衛は、子どもの頃の私にとって戦国大名の家臣に目を向けさせてくれるきっかけとなる人物でした。
取り上げる逸話は、私が人前で話す機会をもらったときに何度か話したことのある話の一つです。
半兵衛は戦場で兵の配置が気に入らないと、主君である秀吉の命令を待たずに位置を変えさせていた。
とある合戦で、秀吉軍として参加したある大名が自分の家臣にこう言った。
「いつも半兵衛に配置を変えさせられて気に入らん。今日こそは変えんぞ」
そこへ半兵衛が馬でやってきて何か察したのか少し離れたところで降りた。もの静かに歩みより手を膝について言った。
「貴殿の兵の配置も旗の立て方も、まことに見事で感じ入りました」
とほめたので、その大名は嬉しそうに
「秀吉殿へよろしくお伝えください」
と言うと、半兵衛がこう言った。
「秀吉様のお考えでは、足軽をもっとこちらへ、旗をあちらへ備えたならますますよくなるとのことでございます」
「それはごもっとも」
とその大名は半兵衛の言ったことに従って配置を変えた。半兵衛が立ち去った後にその大名は苦笑いをして家臣にこう言った。
「しかし、半兵衛の命令だとわかっていても、背くことができないようにしむけてくるものだな」
今ではあまり使われないかもしれませんが「知らぬ顔の半兵衛」という慣用句があります。知っているのに知らないふりをすることを言います。
反発しようとしてくる相手を否定することから入ってしまえばこじれるばかりです。まず「知らぬ顔」で相手のすることを認めることから入っていますね。さらに半兵衛は上司である秀吉の考えであると言って、相手が受け入れやすいようにしているところが知恵者ですね。
この逸話の面白いところは、最後のセリフにあるように大名も全てわかっていて苦笑いしているところではないでしょうか。
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