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運は変えられないものではなく、自ら行動して掴み取れという春日山城壁書ふたたび
こんにちは、両兵衛です。
以前の記事で、迷ったり考えすぎた時につぶやいて自分にかける言葉として「春日山城壁書」の冒頭部分を取り上げました。
春日山城は越後国にあった上杉謙信の居城のことで、そこに掲示されていたとされる文書が壁書です。
運は天にあり
鎧は胸にあり
手柄は足にあり
この冒頭部分を取り上げたところ、読んでいただいた方から「鎧は胸にあり」にはグっときますねという感想をいただきました。
せっかくなのでその続きも取り上げてみたいと思います。
運は天にあり
鎧は胸にあり
手柄は足にあり
何時も敵を掌(たなごころ)にして合戦すべし
疵(きず)つくことなし
死なんと戦えば生き
生きんと戦えば必ず死するものなり
家を出ずるより帰らじと思えばまた帰る
帰ると思えばぜひ帰らぬものなり
不定とのみ思うに違わずといえば
武士たる道は不定と思うべからず
必ず一定と思うべし
敵を掌にして合戦すべしとありますが、敵をてのひらの上に乗せるようにして戦えば傷つくことはないということでしょう。これは、自分の得意分野で勝負すればいいんだと解釈できます。
死なんと戦えば~、家を出ずるより~、は最初から逃げ腰では生き残れないということなのでしょうが、例えば他人の利益を考えて仕事をすれば成功するが、自分の利益だけを考えて仕事をすれば必ず失敗すると置き換えられそうです。
最後のところは、大河ドラマ「風林火山」でGacktさん演じる上杉謙信が、少しアレンジしたセリフとして話す場面がありますのでこちらで見てみます。武田信玄との決戦を決意して、川中島へ出陣する前に家臣一同に対してこう宣言します。
運は天にあり
鎧は胸にあり
手柄は足にあり
何時も敵を掌中にして合戦すべし
死なんと戦えば生き
生きんと戦えば必ず死するものなり
運は一定にあらず
時の次第と思うは間違いなり
武士なれば
われ進むべき道はこれほかなしと
自らに運を定めるべし
運は変えられない、時の流れ次第どうにもならない考えてはいけない。武士は自分の道はこれしかないのだと、自分で決めて行動して運を掴みとるべきであるというところでしょうか。
戦いに臨むに際しても吉凶を占い、日時が悪い方向が悪いと気にして現代以上に迷信めいたものの影響を強く受けていた時代です。そんな時代にあって、運は変えられないものではなく、自ら行動して掴み取れという上杉謙信のメッセージは今でも十分刺さる言葉です。
Gackt謙信のセリフはYoutubeで「川中島へ出陣じゃ」で、まだ見られるかもしれません。