人が物事を判断するとき大切な二字とは?武田信玄の逸話
こんにちは、両兵衛です。
ここでは現代の私たちにも通じる戦国逸話を取り上げています
今回取り上げる逸話は、私自身この話と逆の状況に陥りがちだなと思った名将の言葉を取り上げます。登場してもらうのは、もう何度目だろうか武田信玄です。
信玄といえば精強な武田軍を率いて、甲斐国にはじまり信濃、駿河、西上野と、飛騨、美濃、三河、遠江などの一部にいたるまでに勢力を広げた戦国の名将です。
また、後に「武田二十四将」といわれる有能な家臣団を率いた信玄は、家臣たちに自分の考えを語っていたようで逸話集には数多くの言葉が残っています。今回は「名将言行録」に載っている、人にとって大切な二字について語ったものです。
人はただ遠慮の二字が大切である。遠慮さえあれば、それは分別にもなる。子細は自ら遠慮して、自分の分別の及ばぬところを、大身者は家臣にたずね、小身者は親族や朋友に相談して、物事をなせば失敗は少ない。だから分別の元は遠慮である。
ここで遠慮とは、普段私たちがよく使う言動を控えるという意味ではなく、遠くのことを慮(おもんぱか)る、つまり将来のことをよく考えるという意味です。
長期的な視野で物事を考えたうえで、自分の及ばないところは周りの人に相談すれば失敗は少ない。だから物事を判断する元は”遠慮”であると。
”人は只遠慮の二字肝要なり”
この信玄公の言葉を見る度に、今の自分は目先にことにこだわって、誰にも相談せず一人で思い悩んで判断を間違えていないだろうか、と考えさせられます。