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まだ人生に期待しているのかもと知ってちょっと嬉しくなった。

「残りの人生余生なんです」

社会人になってから口癖のようにそう言っていた気がする。
今でもたまに言う。

この言葉は半分冗談で半分本気だ。

自分の中で大学を卒業して社会人になることが人生の1つのゴールだった。それは自分にとってのゴールというか、育ててもらった人への恩返しというか。話せば長くなるけど、簡単に言うと、社会人になって安心させることが自分の生きる意味、的な。

それくらいちょっと波乱万丈な子供期だったと思う。
あまり外からはそう見られないと思うが。


だからそんな自分に将来のことを考えている余裕なんかなくて。
将来のことを考えるだけで疲れちゃう気がして。
そんな多くのことを望んだらバチが当たる気がしたから、

「残りの人生余生なんです」

ということが多い。

でも最近ちょっとずつ心境の変化が出てきた気がする。

それはちょっとずつ欲が出てきたから。

「あそこ行ってみたい」
「これ食べたい」
「あれできるようになりたい」
「それ欲しい」

ほんとに人生余生だったらそんなこと思わないはず。
ありのままで、流れのままで生きてるはず。

加えて悔しいとか、寂しいとか、辛いとか、怒りとかそんな感情も出てきた気がする。

理不尽な状況に納得いかなかったり、思いが伝わったことに喜んだり、
逆に伝わらなかったことに悔しくなったり。

これもきっと人生どうでもよかったらこんな感情にならないはず。

きっとまだ何かできるんじゃないかって、
もっと自分ならできるんじゃないかって、
そんな淡い期待を自分に対して、周囲に対して抱いているからそういった感情が湧いてくるんじゃないかって思ってる。


「なんだ、まだ諦めてないじゃん」

そんな自分を知れるだけでちょっぴりうれしい。

だからここのところ言い直すようにもしている。

「社会人になってからようやく自分と向き合えるようになった。新しい人生のスタートです」

と。

でも周りの同年代からはきっとスタートが遅れているから、誰よりも早く動き続けないといけないし、考え続けないといけない。

そんなあわただしさも楽しみながら。

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塩浦良太
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