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自分の仕事がさらに好きになった日

#就労支援の現場から

自分は就職して初めて障害福祉という世界に触れ、就労支援という領域を知り、支援を0から学んでいった。

もちろんすべてが順風満帆かというと決してそんなことはなくて。
上手くいったなと思う時もあれば、また失敗しちゃったな、という時もあって。なんなら後者の方が多くて。

でもその中で、利用者さんが見せる誇らしげな表情だったり、いきいきとした表情だったり、これまで出来なかったことが出来た瞬間に立ち会えたりすると自分のことのように嬉しくなる。

この仕事好きだなって思うことがある。

そんなまだまだ新米な、新卒3年目な自分が最近さらに仕事を好きになった瞬間があった。

***

私の記事を読んでくださっている方はご存知のとおり、現在私は就労移行支援にて支援員として働いている。

就労移行支援というのは、すごく簡単に言うと「障がいを持った方が今すぐは就職、復職が難しいという状態であるときに、一般就職や復職に向けて準備を重ねてつないでいく場所」である。

先日ある方が復職を目指していくために、自身の企業へ久しぶりに訪問する機会があった。私はそこに同行した。

職場の事務所に入るや否や、

「〇〇さん、待ってたよ~!!」

という周りの社員の方の声。その方は脳卒中発症から現在まで1年半近く休職をしていたのだが、周りはずっと待ってくれていたのだ。その時点ですごく嬉しそうな表情だった。

その方は脳卒中の後遺症により、軽度ではあるが片麻痺があった。まずは作業着に着替えられるか、という部分で更衣室に入っていった。

少し時間が経って出てきたその方はバッチリ作業着に着替えていた。そしてみんなの前で1回転。移行支援の事業所では見たことないくらい、いつも以上に最高にキラキラした笑顔だった。

「あ、この利用者さんがキラキラ輝ける場所ってやっぱりここなんだな」

この時点でグッと感情がこみあげてくるものがありました。


ひと段落して、「じゃあ復職したらこんな仕事をしてもらいますね!」ということで上司の方と、利用者さんが職場内を巡っていくところに同行した。

そこでも入っていく部屋、入っていく部屋で、

「待ってたよ!」
「あれちょっと痩せた?」
「同年代なんだから寂しかったよ」

と声を掛けられていた。

一通り巡って、利用者さんが作業着から私服に着替えに行っている間、上司の方は私にこう伝えてきた。

「今回は復職できる状態までいしてくれてありがとうございます。やっぱり私たちは〇〇さんがいてくれないと困るんですよね(笑)」

な、なんていい職場なんだ!私はそこの職場の人間でもなんでもないんだけど、なんか泣きそうになった(笑)

と同時に、自分が今やっているこの「就労支援」という仕事の重要性を再認識した。


恐らく病気を発症してすぐ、本人は「これからどうしたらいいんだろう」という気持ちだったと思う。実際最初に出会った時もそんな感じだった。まじめな性格がゆえに、

「戻っても迷惑かけるだけですし」

とおっしゃっていた。

一方で企業側も、

「私たちも戻ってきてはほしいけど、焦らせてはいけないし、、と。ずっと悶々としていたんです」

とおっしゃっていた。

そんな中で就労移行支援では、そこでのプログラムを通じて、まずは「外に出ていく」「コミュニケーションをとる」というところから始め、パソコンスキルを身につけながら「自分には何ができるのか/できないのか」を知っていくことをやっていった。

するとそれまで復職に後ろ向きだったその方が、半年くらい経過して、

「復職したいです」

と伝えてきた。そこで次は企業との間に入って、じゃあ復職に向けてどう進めていく考えていった。そして今がある。

***

最後の最後に決断をするのは本人。
ここに変わりはない。

だけどその決断に至るまでの過程、道筋をつくっていく役割が就労支援にはる。そんなことを感じた。


今回の経験を通じてもっと就労支援が好きになった。
と同時に、この魅力だったり必要性だったりを、多くの人に伝えていける人間でありたいなって思う機会にもなった。


やっぱりまだまだ一般的には認知されていないからね。



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塩浦良太
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