灼熱の巨大惑星に迫る
本記事は佐々木亮の宇宙ばなし Ep. 567の内容になっています!
聴きながらお楽しみください。
こんにちは!りょーです。
今日は、太陽系には存在しない灼熱の巨大惑星についてのお話です。最新の研究で分かった、これらの星の特徴を紹介していきたいと思っております。
私たちが住むこの太陽系以外にも惑星がどんどん見つかっている時代になっています。
太陽系外惑星は1990年代に初めて発見され、現在その数は5000個以上となりました。
そもそも惑星とは、岩石やガスでできており、太陽のように自ら輝いている星である恒星の周りを回る星のことを言います。
ここで、発見された5000個の惑星の多くは、恒星の近くを回っており、巨大である(木星と同じくらいの大きさ=地球の10倍やそれ以上)という傾向が見られました。これらを灼熱巨大惑星、またの名をホットジュピターと呼びます。
ですが、このような星が5000個も発見され、今後それらの星を深く知っていく上で、それらを「灼熱巨大惑星」と一括りにするのはいかがなものなのか、と天文学の現場では言われているわけです。
そんな中で、国立天文台のチームは25個の灼熱巨大惑星の大気の情報を調べました。宇宙空間にあるすごく性能の良い望遠鏡二つを使って、合計1000時間の観測を行い、それらの分析をゴリゴリ進めたというような研究です。1000時間の観測で25個の詳細しか分からないというのはなかなか厳しいですね。。。
分析により、以前から分かっていた通り、それらの星の表面温度はものすごく高いことが分かりました。
しかし、それ以上に興味深いのは、それらの星は、地球のように地上が一番高温で、そこから上空に行けば行くほど温度が下るという一般的な温度の分布とは異なり、上空の方が温度が高く、地表に近い方が温度が低くなっていくような温度の逆転現象が発生していることが新たに分かったことです。
加えて、高温の上空の大気の中には、酸素が混じったチタンや、バナジウム、水素化鉄と呼ばれるものが発見されました。これらは、高温でないと分子の形状を維持できず存在することができません。
逆に言うと高温という状況を作り出しているからこそこれらが生じているということです。
調査した25個の灼熱巨大惑星の大気は、こういった分子がどんどん大気の温度を高めていき、結果的に温度の逆転現象が発生しているのではないかと言われております。
このように、謎に包まれていた太陽系外惑星の理解がどんどんと進んでいる状況ですが、
昨年末に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡をはじめとする多くの望遠鏡の存在によって、さらに惑星への理解が深まるでしょう。
太陽系以外の惑星を見つけ、それらを深く理解する、という研究は、今後、5年10年でホットなトピックになってくると予想しております。
もしかすると、これらの研究が地球外生命体の研究に繋がるかもしれませんね。
それではまた!
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