派遣スタッフの教科書~派遣で働くコツ~ 【派遣スタッフの基礎知識】②派遣で働くデメリット
こんにちは!
派遣スタッフの教科書と銘打って、人材派遣で働く方向けのTipsを紹介していきます。
【派遣スタッフの基礎知識】編の第2弾!
「派遣で働くデメリット」
行ってみましょー!
「ひたすら具体的」で「生々しく」派遣スタッフの教科書を作るという狙いなので、僕の独断で、派遣で働く人が知っておくと良いことについて超実践的に解説していきます。
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※僕は事務系の一般派遣の営業経験が長く、ここでは主に登録型の人材派遣についての解説が中心になります。
派遣で働くデメリットを知っていますか?
前回、派遣で働くメリットについてお伝えしました。
今回はデメリットについてもお話ししていきたいと思います。
メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットが多く、得るものがあると感じた方は人材派遣という働き方を前向きに検討いただければ嬉しいです。
逆に、デメリットの方が多く感じる方は、他の働き方のほうが合っている可能性が高いです。幅広く違う働き方からも検討してもらえると嬉しいです。
もちろん、派遣で働くデメリットも、人によるところが多分にあるので、あくまで参考程度ではあります。
※注意:有給が取れないとか、社会保険に入れないとか、ググったら派遣のデメリットとして、個別のひどい会社の例が出てきたのですが、そういったものは今回触れません。あくまで派遣と言う働き方全体について説明します。
そのあたりでお困りの方は直接お問い合わせください。
派遣で働くデメリット①:収入が不安定
1つ目のデメリットは、収入が不安定になりがちということです。
人材派遣で働くと時間給であることが多いため、毎月の給与が稼働日によって増減して、不安定になります。
月給制で雇われる派遣社員の方もいるので一概には言い切れませんが、一般的な登録型派遣ですと時給で働くことが多いです。ゴールデンウイークや年末年始、お盆休みなどで勤務日が少ない月は給与が減り、逆に勤務日が多い月は給与が増えます。
時給制を月給制にしたら、年収が増えるという話ではないので明確なデメリットとは言わないのかもしれませんが、僕のように計画的に過ごすのが苦手な人には毎月の給与が変動するのはデメリットになるかもしれません。
また、月給制の派遣先社員が休みが増えて喜んでいる中、複雑な気持ちになるということもあるかもしれません。
派遣で働くデメリット②:雇用が不安定
これが一般的で一番わかりやすいデメリットかもしれません。
いわゆる雇止めというものですが、3カ月や6カ月ごとに長期的な就業を前提として更新されていた派遣契約が派遣先企業の業績悪化などの理由で終了となり、併せて雇用契約も終了となるということがあります。
もともと期間が定まっている契約(産休の代替や繁忙期応援など)はよほどのことがなければ約束通りの期間となりますが、長期的に反復契約しているような派遣契約ですと、どうしても構造上雇止めは発生してしまいます。(もしも、企業が100%その仕事が100年必要で、業績も右肩上がりなことが確定していたら、派遣サービスを利用しない可能性が高いです)
正社員という働き方と比べて人事権というものを会社に握られていないために自由度が高い代わりに、気に入った会社でも派遣先企業の都合次第で終わってしまうというリスクがあり、これはまごうことなく、”トレードオフの関係”になっています。
定年まで雇用するためには、ある仕事が無くなっても異動してもらって雇用を継続していく仕組みとならざるを得ず、企業が人事権を持つ必要があります。
人事権に支配されるのが正社員の宿命とすれば、その人事権がない代わりに、その仕事が無くなったらそこで終わってしまうのが派遣と言う働き方だと言えます。
これは法律的にもそう定められており、正社員はその仕事がなくなったとしても人事異動などの手段で雇用を継続できるよう努力をする義務があります。
もしも派遣先企業から見て、派遣社員の方のほうが優秀で正社員が不出来であると言う状況があったとします。
そして、業績悪化の際に正社員の方を先に解雇したいと思ったとしてもそれは法律的に実行できず、優秀な派遣社員の方を終了せざるを得ません。
「非正規雇用が雇用の調整弁になっている」と言われることがありますが、日本社会の働き方ということで言えば、不景気にはまず非正規雇用の働き方が減少することになるため、その指摘は間違っていません。
派遣という働き方の自由度の高さと引き換えになっていると言えます。
ただし、派遣会社は今の派遣先が終了しても、次の派遣先を紹介する責務があり、ビジネスモデル的にも次を紹介するインセンティブが働くので、他の非正規雇用という働き方よりは安定的な部分もあると言えます。
スムーズに次の仕事へ移れるよう「キャリアデペロップメント」を意識して取り組んでいる派遣会社を選び、上手く活用していきましょう。
派遣で働くデメリット③:スキルによって給与の差が大きい
派遣と言う働き方は、いわゆる「ジョブ型」であり、その仕事に対して金額が設定されています。そして、スキルがないところから人事異動の繰り返しで一人前に育ててくれる、年功序列、終身雇用の正社員とは違い、基本的に始めからその仕事をこなすスキルがあることを求められます。
したがって、エンジニアなどの専門職で具体的なスキルを身に着けている方は3000円~5000円くらいの時給の方もザラにいます。(僕が今まで担当した案件で言えば宇宙関連の業界なんかで10000円の時給も!)
一方、特別なスキルは必要とせず、比較的どなたにもチャレンジできて、かつ人気の高い仕事になると、時給がかなり低いなんてことも多くあります。官公庁での一般事務とかになると最低賃金に限りなく近い金額で募集されていることも多々あります。
派遣で働くデメリット④:気に入った職場があっても3年目以上いるためにハードルがある
2021年現在の派遣法では、同じ方が同じ派遣先の同じ仕事に有期契約の繰り返しで派遣として働けるのは、原則3年までとなっていて、3年以上働いてほしい場合は派遣会社が雇用安定措置をするというルールになっています。
雇用安定措置について、詳しくは厚労省のリーフレットを見てほしいのですが、3年を超えて派遣する見込みがある場合、派遣会社への義務として以下の4つが定められています。
めちゃくちゃ乱暴に平たく言うと、
3年以上続く見込みがあるなら、絶対に雇用を途切れさせるな!
です。当然、派遣社員は断ることができますが、
3.自社で派遣労働者以外での無期雇用を行う
というのはすなわち、派遣社員の内勤になること(僕と同じ、派遣会社の社員)なので、会社である以上、絶対できますから。
このルール自体は、
・いわゆる正社員が、3年などの期間でジョブローテーションしていくことでスキルアップをしているのに対し、派遣社員が全く同じ仕事に延々と従事してスキルアップできないのは良くない。いろいろな経験を積んで正社員になりたい人にはそのチャンスがあるようにするべき。
・そもそも無期限に続いていくような仕事は派遣社員ではなく正社員を雇うべき。
といった、決してネガティブではない根拠による規制なのですが、気に入った職場で長く勤めたくなった派遣スタッフにとってはデメリットになるかもしれません。
また、この規制の対象外になるということで派遣会社で無期雇用されるというケースもあります。(雇用が安定しているから、雇用安定措置はいらない)
しかし、そうすると、派遣会社に人事権を少し持たれることになり仕事を選べるというメリットに少し制限がかかります。今の派遣先が継続している限りは問題ないのですが、そこが終了してしまうと次の派遣先に行ってもらわないと給与だけが発生してしまうので、ある一定の範囲で(通勤時間〇〇分で職種は〇〇と××、勤務時間は〇~▲の間・・など)派遣会社からの指示に従って派遣先が変更されることもあるといったような雇用条件になることが多いです。
無期雇用であれば、雇用が安定しているということで規制の対象外になるのですが、これはこれで、派遣の最大級のメリットである、「仕事を選ぶことができる」ということが犠牲になるのでどのような働き方が望ましいのかを考えるべきだと言えます。
雇用安定措置はややこしく、派遣先企業の意向や状況にもよるため、派遣会社とよくコミュニケーションをとりながら判断していく必要があります。
そして、いづれにしても気に入った派遣先であっても3年目を迎えるタイミングでそういったハードルと言うか転機があるということは、デメリットになりうる部分かと思います。
派遣で働くデメリット⑤:雇用差別されがち
これは、派遣会社や業界や営業パーソンが、全てをかけて戦わなくてはいけないデメリットです。僕はもう、怒りと悲しみで泣きそうになるので、本当は書くことを避けたいくらいですが、大切なことなのでお伝えします。
雇用差別されがちというのは、簡単に言うと
と言ったようなことです。
僕は、雇用形態が報道されるのを聞くたびに吐きそうなくらい悔しいです。本当はやりたいことがあったり、正直今から正社員になるにしてもスキルとキャリアのバランス的に不利なことも分かっていても、ご家族から心無い言い方をされて、無理に興味のない業界の正社員にチャレンジし続けている人なんかがいると泣きたくなります。
この、雇用差別は僕は派遣で働く最大級のデメリットであり、派遣会社がこれを放置してビジネスをすることは最大級の罪であると思っています。
このデメリットは、僕の生涯をかけて無くしていきたいと思っています。
・・・でも、残念ながら、今はそのデメリットは確かに存在しています。(昔よりマシになりましたが)
最後に
前回と今回とで、派遣で働くメリットとデメリットをお話しました。
総務省の労働力調査によると、2020年12月の役員を除く労働者の数は5,626万人です。そのうち、派遣労働者は145万人で、全体の2.57%です。実は、派遣と言うのはとても少数派な働き方なんです。
逆に言うと、多くの人がメリットを感じる働き方ではないのかもしれません。
次回はそのあたりに触れつつ、派遣で働くかどうかの考え方や判断の仕方について考えて行きたいと思います。
では、また!
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