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付加価値がないなら人材紹介は転売ヤー #1245

お元気ですかー?
今日は「付加価値がないなら人材紹介は転売ヤー」というテーマでお話しします。皆さんはどう感じますか?僕は、付加価値がなければ人材紹介業はただの“転売”だと本気で思っています。

人材紹介は転売ヤー

人材紹介の仕事をしていると、「どうやって付加価値を提供するか」という課題に直面することが少なくありません。なぜなら本質的な成果は付加価値よりも「如何に他社に先駆けて転職が決まるであろう方に出会うか?」によって決まるからです。
そうなると単純に企業と求職者をマッチングさせるだけのサービスになるのですが、それはもはや“転売”と大差ない行為です。なぜなら、何のプラスも提供せずになるべく早く市場に出る前に確保して囲い込み、そして「売るだけ」の行為に過ぎないからです。

僕らの仕事は、昔ならハローワークに行っていたかもしれない求職者を、もっと手前の広告でキャッチし、転職サイトへ登録させ、そこからスカウトするという流れに乗せることで、就職や転職のプロセスをコントロールしています。未経験の人材紹介なら直接広告を打ち、正社員になりたい人をかき集めたりもします。
…どうみてもこれだけだと付加価値は皆無ですよね。

さらに、最近では転職そのものを“煽る”ことすらあります。求職者の取り合いが加熱し、いよいよ転職しなかったかもしれない人をいざなうようになりました。もちろん、本人のためになるなら問題のない行為ですが、上手いこと言って、不当に安い値段でまだ遊んでいるNintendo Switchを売りに出させるような行為がないとは言えません。
そう言った性質のビジネスは人材紹介だけではないですし、全てのサービスは少しでも早く市場に知ってもらった方が有利です。ただ、そこに具体的なプロダクトや付加価値がないのなら「やってることは転売ヤーと変わらない」と言われても仕方ないんです。(というかそのものです)

もちろん、僕らが目指しているのはそんな表面的なビジネスじゃないことはいうまでもありません。

人材派遣の方が言われがちだが・・・

同じ人材サービスの中で、必要悪のように言われることが多いのは人材派遣の方です。派遣という言葉には、どうしても「一時的な労働力の提供」「安価で便利な労働力」「いざとなったら雇用の調整弁となる」というネガティブなイメージがついて回ります。

ですが、提供価値的に見れば、実際には派遣社員を雇用していることで、その派遣会社の社風や教育体制そのものが“付加価値”になりやすいと僕は考えています。仮に特徴のない派遣会社があったとしても、その「特徴のなさ」すら一つの付加価値を生み出していると言えます。なぜなら、賃金を遅滞なく働き、法律にのっとった契約の定めが行われ、社会保険に加入する、トラブル時は派遣先・派遣元責任者による対応が行われる、教育機会が提供される・・・こういった求職者にとって「安心して派遣社員として働ける場」を提供することは、必須の機能であり、間違いなく具体的な価値提供の一環だからです。この点で言えば、人材派遣は(ルールを守っている限り)最低限の“サービス”を提供しているとも言えますし、責任も伴います。

一方で、人材紹介は雇用契約が直接企業と結ばれるため、その後のフォローやサポートが形として見えにくく、求職者や企業にどれだけの付加価値を提供できたのかが曖昧になりがちです。実際、サービスそのものは職業紹介があっせんされていれば提供されていると言えます。その結果、ただ早期囲い込みをしてマッチングさせるだけの「転売ヤー」になってしまうリスクが高くなってしまうのです。

客観的で明確な価値にこだわる

だからこそ、人材紹介をしている僕たち(僕はゴリゴリに派遣もしていますが)は、常に「明確な価値」を追求し続けることが重要です。派遣のように雇用の実態があるわけではないので、職業をあっせんしたこと一つを以てして「責任を果たしている」と思い込むのは危険です。

人材紹介で本当に大切なのは、企業と求職者が接する間のプロセスに「ポジティブな差分」を生み出すことです。具体的には、求職者が未経験から新しいキャリアをスタートさせる際に、社会人としての基礎をしっかりと身につけさせたり、経験者のキャリア形成を手助けしたりすることです。これができて初めて、僕らは「本当の付加価値」を提供していると言えるのではないでしょうか。

ミドルクラス以上の求職者には、単に求人を紹介するだけではなく、キャリア戦略の立案や将来的なビジョンをしっかりヒアリングし、時にアドバイスを行ったり壁打ち相手になり、望むキャリア形成によりベターな紹介を行いましょう。求職者にとっての「キャリアパートナー」として存在し、サポートし続けることが重要です。そうすることで、単なる転売とは違う「価値あるサービス」として求職者や企業から信頼されるはずです。

ジュニアクラス(未経験)は単価が低い中ですが、さらに大変です。市場から求められる”社会人”とは何か?正社員として働くとはどういうことか?といったレクチャーや時には生活習慣の指導のような場面も出てきます。そういった伴走の上で、入社後も活躍できる土壌を作るような紹介が求められます。

業界で活躍している人からすれば、耳にタコなきれいごとに聞こえるでしょうが、目の前の成果や効率に逃げず、サービスのみの価値の低さを受け入れ、常に付加価値や良い差分を創り出すことに拘っていきましょう。何度耳にタコを作ってもいいくらい大切です。

最後に

僕は、付加価値のない人材紹介は転売ヤーだと思いますし、そう言われるべきだと思います。だからこそ、僕たちの仕事は“ポジティブな差分”を生み出すことに全力を注ぐべきです。転職希望者に対して、企業に対して、ただマッチングさせるだけではない付加価値をどう生み出していくか。それが僕たちの本当の仕事だと信じています。

「この紹介を受けて本当に良かった」と思ってもらえるサービスを提供できたとき、初めて僕らは“転売ヤー”から脱却し、「価値ある存在」になれるのだと思います。付加価値を提供し続けるキャリアパートナーを目指して、学び続けましょう。
では、また!


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櫻井 諒|あえて今の仕事を選んでいる人を増やす
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