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【新疆ウイグル旅行記】#5ウルムチで年を越す~酒を飲むウイグル族~

ウルムチ市街の中心部に位置するCC MALL 时代广场(タイムズスクエア)にて、カウントダウンイベントが行われるとの情報を入手したため、現場に向かった。一つ前の記事(ウルムチ街歩き編)はこちら


カウントダウンイベント

イベントの現場ではテロ警戒のため、ウイグル族を含む公安警察が大量に動員されていた。集まった人の数も多く、数万人レベルの群衆が押し寄せていた。
群衆の年齢層は10代~20代前半の若者が多く、街中よりもウイグル族の割合が高かった。漢族は旧正月、ウイグル族は西洋の正月を祝うのだろうか。
このイベントのレポートは下記微博リンクにまとめられている。

現場警備にあたるウイグル族の公安警察

2024年1月1日 0時ちょうどになると、電光掲示には「新年快乐」と表示され、歓声が上がった。

年越し時のCCMALL

一通り歓声が止まり、打ち上げられた風船が見えなくなると、群衆は一斉に拡散していく。交通整理の行われていない道路は自然と歩行者天国になり、自動車は通行できなくなった。道路上では集まった青年たちがウイグル語の歌を大声で歌いだし、異様な雰囲気となった。

自然と歩行者天国になった道路

街の様子

路地裏では若者が花火、火鍋、烤肉など宴を始めていた。漢民族に加えイスラム教徒であるはずのウイグル族も酔っぱらいはじめ、カオスな状態となっていた。

若者がとあるビルの前に50人ほど集まってきた。なぜか聞いてみたところ、
ビルの上に星期五酒館(FRIDAY BAR)というバーが入っており、3時からオープンするのに入店するためだそう。教えてくれたウイグル人グループに「ウイグル人に酒は飲んでよいのか?アッラーは見てないのか?」と問いかけたところ、
「ウイグル人は中国人だ。また、中国人は酒を飲む」
「だから、ウイグル人も酒を飲む」

との答えが返ってきた。柔軟な解釈である。

FRYDAY BARの開店を待つウイグル人青年たち

ウルムチはタクシー不足だ。DiDiを使っても捕まらないし、流しのタクシーも争奪戦、というかそもそも空車が走っていない。ウルムチの地下鉄も日本と同様に0時前後に終電が設定されており、2時、3時頃になると帰る手段はタクシーしか残されていない。多くのカップル、家族が途方に暮れていた。中には歩いて帰りだす人々もいた。

タクシーを待つカップル
徒歩で帰路につくカップル

初日の出に挑戦

初日の出を見るべく7時前後に起床し、红山公园に登った。山頂では10代女性が花火をして楽しんでいた。少し話すと地元の人らしい。気がつくと隣の女性たちが突然大量の手持ち花火に火をつけだし、あたり一面モクモクになった。
ご覧の通り空は曇天というか霧が濃くて太陽なんて全く見えない。これでも夜明けの9時頃なのに、車道には多くの車が走っていた。ウルムチの朝は早い。

花火で新年を祝う地元の女性
手すりに書かれた2024、ウルムチの朝は早い
周囲は一面モクモクになった

紅山の頂上には石造りの塔「鎮龍塔」がある。18世紀のウルムチでは水害が相次いでいた。この水害(龍)を統めるために建てられたため、この名がついているらしい。「龍」というのは暴れる河を示すことが多い。

紅山公園に建つ鎮龍塔

山頂には花火の3人組以外に、私と同じようにNikonのミラーレスカメラをぶら下げた女性がいた。顔を見合わせてこりゃ初日の出は厳しいね、といった会話になった。彼女は上海出身・上海在住という生粋の都会人で、ITエンジニアとして生計を立てているそう。むこうも一人旅とのことだったので、一緒に山を降り、新疆博物館へ向かった。

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