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安売りしない勇気 ピカソに学ぶ値付け戦略

「事業において一番大事なことは何か」と問われたき、『値付け』だと答える人は少なくないだろう。
商品やサービスの価格をいくらにするかは、非常に難しくて奥深くて重要。
このテーマだけを取り扱った本も無数にある。

今回はそんな「値付け」について身近な参考事例があったので、僕なりの考えを整理してみたいと思う。


先日、とある個人事業主の女性からサービスの価格設定について相談を受けた。
独立当初ということで、その不安からか、彼女は全てのサービスの値段をとても安く設定していた。
僕は彼女に対してすかさず、「もっと(料金を)あげた方が良い!」と言った。

これにには色んな理由がある。

一つは単純に算数的な問題。
ビジネスでも、売上を分解すると必ず「数量×単価」で表現できる。
どんな業種、どんな規模でも例外はない。
じゃあ、売上を上げるためには、数量か単価どちらかを上げる必要があるのだが、中小・零細企業や個人事業だと「数量」が取れない。
ユニクロや吉野家は数量が大量に取れるから安くしてもビジネスが成り立つのであって、数量が取れない小規模事業者をこれをやるとジリ貧になるのが見えている。
また、値段を安くするということは、そういった大手と勝負をするということでもある。そうなると勝ち目はない。
だから、「単価」を上げないといけない。


もう一つは、値付けの根本的な問題に関わることだが、
「その値段は何に対しての対価なのか」という点だ。
仕入原価や製造コストがかからないサービス業(マッサージとか僕らのような士業とか)は特にそうだ。
彼女の職業もまさにそれ。

こんな有名な話がある。
かの有名なピカソの逸話である。
「ファンなので絵を描いてほしい」とレストランで婦人に声をかけられた
ピカソは、その場でささっと絵を描いてこう言った。
「1億円です」
対して婦人は、
「30秒で描いた絵が1億円?!」
と激怒した。
しかしピカソはこう答える。
「いいえ、40年と30秒です。私はこれを書くために生涯をささげてきた」と。

値付けの方法にはいろんなアプローチがあるが、原価から導くのが一番簡単だ。
原価が6,000円だから売値は1万円くらいかなあ
とか
だいたい1時間くらいの施術だから1万円は高すぎるなあ
とか
値付けをするに当たって、僕たちは何か拠り所が欲しいと思う。
その方が説明しやすいから。

もちろん赤字になったらダメなので、原価を意識することは大事。
働く人の時給を考慮するのも大切。
しかし、そういう要素は一旦脇に置いておいて、
「そのサービス自体にどれだけの価値があるのか」
についてフラットに考えてみても良いんじゃないかと思う。

今回の相談者である彼女に関しても、何年もかけてスキルを磨いてきた訳で、そんな彼女が提供するサービスは決して安売りするようなものではないと僕は思った。
自信を持って欲しい。
値段を上げちゃうとお客さんが来なくなるんじゃないかと不安がられていたが、心配には及ばない。
なぜなら、何千人もお客さんを集める必要はないから。
小規模な事業であれば、その価格に価値を感じてもらえる、ごく少数のお客さんでビジネスは成立する。
合わないお客さんも集めてしまって、後々クレームにつながったりする事も考えると、なおさら価格でお客さんを絞った方が良いのだ。

まあ、偉そうに語る僕自身も値付けには散々苦労しているのだが。笑

彼女にアドバイスをしながら僕自身も見直すところがあるなと考えて共有した。
ぜひ参考にしてみてほしい。


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