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手放せ チームビルディング (人間中心のチームオーガナイジングへ)



人材育成の五段階

システムに働きかけず「私はがんばった」ばかりで、一人一人が顔色伺いながら競い合っているうちに何が起きてしまうのか?

システムだけが肥大化、時には暴走し、人を無視して勝手にのさばってしまいます。だから今こそ「人間中心」のチームづくりにフォーカスすべきです。

組織づくり・チームづくりが、システムより人間中心で行われるために、人の育て方も変わっていかねば。

人が育っていく方法は 5段階。

前者(段階1〜3)
1)傷付けながら生き残る人を探す

2)ノウハウを叩き込む
3)訓練・トレーニングする

ここまでは多くの人が経験しています。でもここから下はそもそも経験者が少ないです。

後者(段階4〜5)
4)コーチングし合いフィードバックし合う
5)オープンな場を生かして磨きあう

前者は、人を部品〜機能だと捉えた文化。
後者は、人をヒト〜生命体だと捉えた文化。

より公平に、双方向に、共創に、組織の在り方が向かっていくほど、後者の考えが必要になっていきます。言いかえれば、前者に遡るほど、不公平・一方的・衝動的になっていくわけです。当然、ハラスメントも増えていきます。

その組織・チームがどのような文化を求めるか次第で、人の育て方のチョイスは変わっていくのです。


「チームビルディング」が3周時代遅れである理由


人材育成の分野で広く使われている用語に「チームビルディング」という言葉があります。あなたは、この言葉に違和感はないでしょうか?

チームはビルドする(建てる)ものなんですって。ということは、人は部品であり柱であり建材なのですね・・。

このように今の働き方・組織運営の中では、実際の人間らしさ・ヒューマニティを反映していない考え方に基づいた用語が当たり前のように飛び交っています。軍事用語がマーケティングで使われていたり、建築用語が人材育成に使われていたり。

用語はその背景にある「思想」を反映しています。果たして、チームとはビルド(建てる)するものなのでしょうか?「チームビルディング」という考えの背景には、現実的ではない思想が3重に見え隠れします。

一つ目は「人の役割が決められた上で組み立てる」という個人の役割の固定化。二つ目は「組み立てたら壊れないもの」という人的資本に対してリスク認識の欠如。三つ目は「組み立てたチーム自身はその組み立てを組み替えるべきではない」という組織の固定化

これら3重の幻想の上で、「チームビルディング」という発想が成り立っています。

そもそもVUCA時代と言われる現在は、レジリエンス(困難な状況にも柔軟に対応し速やかに回復する力)こそ、現代のチーム作りに求められます。つまりチームビルディングとは、幻想の条件がたまたま揃った瞬間にのみ活きる、3周時代遅れの考え方です。


人間中心のチームとは、カリスマやヒーローに依存しないチーム


私も企業研修やコンサルティングの現場で、組織ブランディングやチーム力を高める研修を行っていますが、チームビルディングという表現を極力使わないようにしています。代わりにチームオーガナイジングという表現を使うようにしています。

人間が中心であるチームは、ビルドするものではなく、目的や目標に向かってオーガナイズしていくものだからです。

オーガナイズする、とは仕事上ではほとんど使われないですが、スピーディにチームの動きが変化するプロサッカーの世界ではよく使われている用語でもあります。

「オーガナイズ」という言葉そのものが、下記のような意味を含んだ動的な言葉だからです。

・まとめる ・組織化する ・再編成する ・一丸となる ・チームで対応する ・結成する ・企画する ・立案する ・計画する ・実行する ・青写真をつくる ・話し合いの場をもつ ・事態を収束させる ・安定運営させる  など

職場に限らず、組織や社会がオーガナイズしていくには、人を部品や機械として組み立てていく考えを手放していかないといけないです。

ここで私たち個人にフォーカスを当ててみたいと思います。

多様な一人ひとりの個性を掛け合わせて、システムに働きかけながら、大きな力を発揮していくような社会にするには。

みんなが、それぞれの責任を使いこなすリーダーフルで複雑な世界を諦めず求めていく必要があります。カリスマもヒーローもいらない世界を。

それは時として、自分や人にとことん失望もするし、自分や人をとことん信頼できる機会を与えてくれます。

個人の「創造性」とは本来、そんな「自己信頼を何度でも回復できる自由な自分」に内包されています。

カリスマにすがっていることが多いうちは、じぶんが問題そのものの一部になってしまったままです。問題意識を持って動いていれば、ぼくたちは問題を創造的に解決するチームの一部になれるはずです。

創造性を活かす人間性の回復と信頼、その考え方の延長にあるのがチームオーガナイジングなのではないでしょうか。


手放せ チームビルディング(人間中心のチームオーガナイジングへ)

・東京都 日比谷公園より
・職場づくり/組織づくりが人間中心で行われるためのサイクルとは
・職場/仕事にはコーチング的コミュニケーションを普及させよ
・職場/組織におけるレジリエンスを高めていく
・多様な個性を掛け合わせて大きな力にオーガナイズするために
・不確実な揺らぎを自らのチームに内包させる勇気を


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