![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168267175/rectangle_large_type_2_c7bab1513e56c66b7d3f811f4b5e4ba0.jpeg?width=1200)
夜明け前 マンションの屋上
朝陽を見るとか
飛び降りるとか
情景とか 雰囲気とか
風とか 冷気とか
街の音が聞こえて
始発電車が遠くへ行く
私にとって特別とか
最終決定とか
辿り着くとか
終わりの終わりとか
波打ち際みたいな
街の音が聞こえて
静けさは明るみに消えていく
空へ近くなれる簡単な場所
鳥になれたらとか
雲に乗れたらとか
どこかへ行けられたらと
自由を履き違えて
飛行機雲を探す
街が動き出していく
夜が「また後で」と去っていく
どこからかコーヒーの香り
朝がおはようを言う
また延ばすのかと
ぎこちない笑顔を作る
この広い世界の中で
とても小さく映る涙を
また隠して今日も行く
体育館にひとり座る
取り残された生徒役
心臓の音を聞いて
時の跳び箱を越える