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スタンフォード教育大学院 最初の学期の授業や1日の生活はどんな感じ?

こんにちは!
今回は、私が在学中のスタンフォード教育大学院の修士課程(国際教育政策プログラム)に関して、最初の学期の模様を書いてみたいと思います。

「最初はどんな授業を受けるのか?」
「留学初期の勉強量ってどのくらい?」
「1日のスケジュールってどんな感じ?」

こうしたことがわかる内容になっているかと思います!



1. 前提

まず前提として、スタンフォードの学期制と、在籍するICE/IEPAプログラムの1年間の流れや修了要件について説明します。

【スタンフォードは4学期制】

スタンフォード大学は4学期(quarter)制であり、各学期が10週間で構成されています。日本でもあまり見ませんが、アメリカ内でも珍しい部類のようです。

ただ、最後の夏学期(8週間)は、スクールやプログラムによってはそもそも無かったり(春学期までで修了・卒業)、いわゆる教室内の授業というより、インターンなどに取り組むところもあります。
ICE/IEPAでは、週1回の対面のセミナー(ゼミ)のみです。

【ICE/ IEPAプログラムの主な修了要件】

・1年間(9月末〜8月上旬)で修了。
・48単位以上の取得が必要
・うち、教育大学院の科目は30単位以上の取得
・必修は「国際比較教育学入門」と「セミナー(=論文執筆)」
・選択必修として、研究手法に関するもの(統計学、質的手法)や国際教育政策に関するものがいくつか

プログラム詳細については以下の大学ウェブサイトをご参照ください。なお、修了に必要な必修科目(選択必修を含む)は、年によっても変わっているそうなので、ご注意ください。

Master's Handbook International Comparative Education (ICE) / International Education Policy Analysis (IEPA)

スタンフォード教育大学院ウェブサイトより


2. わたしの秋学期の履修科目

さて、本題ですが、最初の学期たる秋学期では、私は以下のような科目を履修しました。

月 国際比較教育学入門(13:30-16:20) ★
火 統計学入門①
(15:00-16:20) ◆
水 英語[リスニング]
(10:30-12:20)
木 教育経済学
(9:00-11:50) 
  統計学入門②
(15:00-16:20)
金 セミナー[論文研究]
(9:30-12:20) 

★は必修、◆は選択必修。

【秋学期の位置付け】

上記の単位は、ご覧のとおり必修または選択必修がほとんどになりますが、特にICE/IEPAプログラムでは、秋学期において、これらの授業を通して以下のようなことが求められていると感じました。

国際比較教育学の基礎を身につけること
(教育を国際比較する意義や手法、特に国家の教育政策を分析する際に用いられる主な理論など)

研究手法(定量・定性)に関する基礎ないし応用的な力を身につけること

自らの修士論文の研究に関するテーマを設定し、過去文献をレビューし、分析枠組みを決めるなどの方向性を定めること

いかがでしょうか?
1年プログラムということもありますが、結構序盤からフルスロットルな感じがしませんか???笑

特に、以下リンク先の記事でも書きましたが、論文の手法を身につける間もなく、研究の枠組みを固めなければならないというのはなかなかハードで、「授業」と「研究」の両輪を同時に回していかねばならなず、(かつ留学初期で慣れないことも多い中、)個人的にはテンテコ舞いのような感じでした…苦笑

他のスクール(2年制)の人たちと交流することもありましたが、比較的ゆったりしているなあという印象を持った記憶があります。笑

1年間で研究成果をまとめるとなると、データをどれだけ入手・収集できるものなのか、自分はどの程度の分析ができる力があるのか、といった現実的な問題を理解しないことには、研究の枠組みを固めるのも難しいと感じたので、ここは1年プログラムのデメリットと言えるかもしれません。
(だからこそ、このプログラムでは、合格後〜学期が開始する前の夏の期間で、テーマと主な問題意識をまとめることを事前課題として学生に課しています。)

しかしながら、上記リンク記事のとおり、少人数制で丁寧な指導を受けながら論文を書き上げることができるのは、このプログラムの最大のメリットでもあります。

【履修単位数の考え方】

秋学期では、私は上記の科目で16単位を履修しました。
なお、スタンフォード教育大学院では、基本的に各学期18単位まで履修可能(夏のみ 3 or 6単位)です。

どのくらい履修できるか(すべきか)という点については、月並みですが
・自分の「やる気」
(→どの程度勉強に力を入れるか、例えば成績の優劣まで求めるかどうか)

・かけられる「リソース(コスト)」
(→自分は1日ないし1週間でどれくらい勉強に時間をかけられるのか)

「何を学びたいか」
(→その学期に学びたい科目がどれだけあるか)
にもよるかと思います。

私の場合は以下のことを勘案しましたが、少し様子を見た(守りに入った)感じはあるかもしれません。そもそも周りは結構留学経験が多く、フルで履修していた人も見受けられますが、そうでない人も(私以外にも)います。

振り返ってみても、フルで履修すればよかったとはあまり思っていないので苦笑、人それぞれだと思いつつ、考え方のご参考まで。

[私の場合]
・留学をsurviveできるかどうかがまず大事。
 留学経験が豊富にない中、無理はしない
・過去の体験記などを見て、秋学期は1日授業1つ(まれに2つ)で良さそう
・秋学期で慣れれば、冬学期に多めに単位を取る選択肢もある
・秋学期フルで取らなくても、冬と春でバランスを取って履修すれば、最終的に修了要件単位数は満たせる(=実際そうした)



3. 学期中の勉強量や過ごし方について

ある1週間の典型例を見てもらった方がイメージが湧くと思いますので、これもご参考までに載せてみます。

※手帳の記録をもとに、ある1週間を抜粋して作ってみました。大まかです。
赤=授業、黄=予習や課題、水色=スポーツ、ピンク=趣味や余暇など。
何も書いていないところは、基本的には自由時間 or 家事などかなと思われます。


【ポイント】
・ご覧になると分かりますが、授業は1日1コマ程度であるものの、それ以外の時間の多くは授業外の予習及び課題に取り組んでいました。授業を含めて1日6〜8時間くらいの勉強量かと思います。

予習は、論文などを読んだり統計学は概念や求め方について問題を解きながら理解していったりするものが多かったですが、いずれも真正面に取り組みすぎるといくら時間があっても足りない(だけど本心としては、特に教育経済学や統計学の授業はなるべく丁寧に理解したい!)という思いがあったので、持ちうる時間の中で逆算しつつ、なるべくちゃんと取り組んでやりました。黄色い部分(予習や課題の時間)が多いのはそういう理由もあるかもしれません。機会があれば、この辺りの「こなし方」についてもどこかで書いてみようと思います。

・小さな家で(!)妻と暮らしているので、不規則な時間に寝たり起きたりもできず、朝8時頃の起床→24時頃に寝る生活でした(春学期の今もだいたいそんな感じ)。これに対する印象は様々かと思いますが、物理的には睡眠時間がしっかり確保できていたと思います。一方で、最初の頃はストレスや緊張でうまく寝れない時期もありました。この辺りもまた別途どこかで。


いかがでしょうか。
スクールや家族構成、生活スタイルにもよりけりですが、なんとなく大学院で勉強するイメージ、特にスタンフォード教育大学院での最初の学期の過ごし方についてイメージが湧けば幸いです。

割とファクトベースの話が続いていますので、体験を踏まえた個人的な「思い」などについても書いていきたいな〜と思っています!

今回もお読みいただきありがとうございます。
よろしければ「スキ」マークを押していただければ、今後の励みになります!それではまた次回。



余談:今回の記事のトップ画像は、「Green Library」というスタンフォード大学のキャンパスで一番大きな図書館の前の噴水です。キャンパスには不思議な(芸術的な)オブジェがいくつかそびえ立っているので、それを見るのも面白いです。

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