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AgileJapan2022登壇~あなたのアジャイルがSDGsに貢献するSocial Agile ~
はじめに
AgileJapanEXPO Advent Calendar 2022の 8日目の投稿です。
今まで Advent Calendarなるものを書いたことがない…というか発信はSNSだけでやっててBlogアカウントを持っていませんでした。
毎年12月になると色々なコミュニティで色々な仲間の「Advent Calendarまだ空いてるよー」的な会話がタイムラインに流れるの楽しそうだなと思っていました。
しかし、せっかくAgile Japanに初登壇したのでAdvent Calendarも初めて書きます。
Agile Japanと私
そもそも私が誰かに関しては自己紹介記事をご参照いただけると嬉しいです。
プロジェクト・マネジメント、アジャイル、ITコンサルティング、人事コンサルティング、キャリアコンサルティング、そしてSDGsを主な活動領域としながら、本業とその周辺を越境するパラレルキャリアとスラッシュキャリアをしています。
登壇も色々していて、いわゆる「アジャイル界隈」のイベントは。Regional Scrum Gathering TokyoとXP祭りは何度か登壇しました。
ちなみに「アジャイル開発」を語る人は私より素晴らしい人が多いので、私「アジャイル開発」そのものではなく、その周辺で他の人が語らなそうな話をしていました。
生まれて初めてのアジャイル界隈登壇からして「Agile人材の評価とキャリアプラン」がお題でした
ただAgile Japanは今まで登壇者ではなく参加者として楽しく学ばせていただきました。
しかし、今回はテーマがSocial Impact Agile!
この時点で私の心に刺さりまくりです。
しかも基調講演が、初日がロシオさんの「SiAgile: ソーシャルインパクトのアジャイル宣言」で2日目がソーシャルビジネスのボーダレス・ジャパン鈴木さん。
これは…
「今回のAgile Japanは今までとは違う!」「私が呼ばれている気がする!」「私が出なくては!」
…そういう幻聴がどこからともなく聞こえました。
そういうわけで今回Agile Japan初登壇でした。
なんでビジネスの世界でSDGs?
ところで、「SDGs」は急速に日本でも認知度が高まりました。
私がSDGsのゲーミフィケーション・ワークショップとか講義とかやりはじめたのが2017年くらいだったと思います。
そのころは言葉の認知度が10%台、つまりほとんどの人が言葉も聞いたことなく、知っていても「聞いたことがある」でした。
当時は「稲葉さん、最近スピリチュアルなことにはまってるんですか?」と聞かれることもありました。
そこからすると、今の言葉の認知度85%を超えると言われる今は全然違う状況です。
しかし、言葉が急速に広まり「最近流行りの」と言われるようになり、今まで知らなかった人の中から「うさん臭い」と思う人も増えてきました。
教育者の知り合いに「申し訳ないが教え子には、大学に行ったらSDGsに気をつけろ。カルト宗教の勧誘はSDGsを謳い文句にすると言っている」と言われたこともあります。
そうした、「うさん臭いと言われる理由」と「そもそもSDGsは何か」「なぜ企業にSDGsは必要か」に関してはPMI日本支部SDGsスタートアップ研究分科会のBlog創刊号 に書きましたので是非お読みください。
簡単に言えば、SDGsは「環境に優しそうなアレ」ではありません。
世界が持続的であるために経済・環境・社会の課題をトレードオフの対立構造にせず調和を以て解決していくことです。
システム思考的な考え方ですが経済・環境・社会の課題は連鎖した関係であり、環境問題は環境の話だけしても解決しません。
そして、世界を良くも悪くも大きく変えるのは企業の力が大きいのです。
SDGsの前身のMDGsが不振に終わった反省から、企業を巻き込みそして企業にとってもやらないとリスクでやることがチャンスになるフレームワークがSDGsです。
10年以上前に提唱されたCSV(Creating Shared Value)という、経済価値と社会価値の両方の向上を目指す経営学の考え方がSDGsによってまた注目されています。
SDGsは企業にとってボランティアのコストセンター、つまり損失ではなく、プロフィットセンター、つまり利益でもあります。
ここで言う「利益」は「宣伝になる」という意味ではありません。
ビジネスとはそもそも課題を解決してその対価を得るものです。
アジャイルの世界でも、ビジネスにおいて「アウトプット」だけでなく「アウトカム(成果)」と「ベネフィット(恩恵)」を考えることの大事さは多くの人が語っています。
企業にとってSDGsとは社会や環境の課題を解決するという「アウトカム(成果)」がもたらす「ベネフィット(恩恵)」の対価を稼ぐという、ビジネスの機会なのです。
アジャイルとSDGs
今回の講演はまさにアジャイルとSDGsについてでした(今回の登壇スライド)
このテーマ、1時間でも2時間でもいくらでも話せてしまうので、今回の講演少し時間が足りず持ち時間オーバしてQAタイムを食ってしまうという「やらかし」をしました。
「なぜアジャイルとSDGs?」ですが、簡単に言えばSDGsのような社会課題解決の活動を行ううえで
・「問題」はわかっても「課題」は始めからわかりません
・「課題」はわかっても「解決策」は始めからわかりません
・「解決策」がわかっても、誰にどう届け世に広めるかもわかりません
答えが初めからわからないプロジェクトをウォーターフォールのような計画遵守型で行うのは無理があります。
だからこそのアジャイルです。
これは今回のキーノートのDay1ロシオさんの講演、Day2鈴木さんの講演でも奇しくも同様のことが述べられています。
実は、「SDGsとアジャイル」「SDGsとリーンスタートアップ」というのを私は2018年くらいから言っていました。
しかし、当時は「何言ってんの?」的な感じで相手にもされませんでした。
Agile Japanにも以前、今回と同様のテーマでエントリーしたこともありましたが、あっさり落選しました。
そりゃそうです。
SDGs自体、言葉も知られていない海のものとも山のものともつかない時代です。
まして、アジャイル界隈のスタープレイヤーが言うならまだしも「誰だお前」という私が言っても相手にされるわけがありません。
何より、当時は私自身が「アジャイルとSDGs」は仮説でしかありませんでした。
ジェフ・サザーランドが「スクラム」の中でスクラムの社会課題解決への活用を語っていたとはいえ、日本でまだ「アジャイルとSDGs」はピンと来ない時代でした。
しかし、私自身のSDGs普及促進活動支援やSDGs事業の立ち上げ推進支援をした経験のバックボーンと合わせ、今は堂々と胸を張って「SDGsにはアジャイルが必要」と言えます。
あなたのアジャイルがSDGsに貢献する
今回のAgile Japanを聞かれた方はもう「アジャイルとSDGs」とか「アジャイルと社会課題解決」「アジャイルとソーシャルインパクト」などが自然と刺さっている方も多いともいます。
しかし、システム開発企業でもまだアジャイルが浸透しきったとは言えない昨今です。
まして、IT企業以外の企業、行政、あるいはNPOで「SDGsプロジェクトをアジャイルで進めよう」と言ってもアジャイルがわかる人は全然足りません。
皆さんが行っているアジャイルの活動、知見、経験は皆さんの中では当たり前かもしれませんが、それを必要としている人はシステム開発の現場以外にも大勢います。
本業としてでもパラレルキャリアとしてでも、SDGsプロジェクトに関わることが皆さん自身のキャリアをIKIGAIあるものにするかもしれません。
そして皆さんの家族や友人、仲間・・と円周の輪を広げながら、皆さんの生きる社会のサステナビリティにつながるかもしれません。
最後に
改めて今回の実行委員の皆様にお礼です。
実行委員の多くの方は元から面識がありましたし、JKさんは以前私のSDGsワークショップに参加いただき、遠藤さんは私がPMI日本支部で代表をしているSDGsスタートアップ研究分科会に参加いただいていることもあり「Agile JapanでSDGs」というアウェイ感あるテーマでもアウェイ感を覚えることなく楽しく参加できました。
スピーカー向けの説明会やスピーカーガイドの作成などなど、スピーカが話しやすいホスピタリティでした。
私も自分で主催することもあるので、この規模のイベント運営でそのホスピタリティは想像するに大変なことだと思います。
改めて実行委員の皆様に感謝します。
ありがとうございました。